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2-0が怖いのではない、お前達の勘違いが怖い

KAN

2023-12-17 11:26:05 | 音楽
KANが亡くなってから一か月経過した。KANの音楽には自分が不遇の時やしんどい時に支えてきてもらったので、よき伴走者が居なくなってしまった寂しさがある。ずっと世話になっていた同僚が昨年会社を辞めた時の喪失感に近い。

KANを語るときに気を付けているのは、「愛は勝つだけじゃなくほかにいい曲たくさんあるんだぜ(それを俺は知ってるんだぜ)」を声高に語らないことなのですが、今日はその抑制を外して書きたいことを書く。

若いころ自室でpanasonicのCDラジカセDT70(このラジカセは流線形のデザインが秀逸だったので下に画像をつけた)でアルバム「TOKYOMAN」や「めずらしい人生」を聴いていた時間を思い出す。


初期KANの名曲たちはアルバム「めずらしい人生」に入っていて、更にこのアルバムに入っている弾き語りバージョンの「東京ライフ」が好きでよく聴いていた。今聴くと、自身のしんどかった時期を思い出す。KANはビリージョエルの影響をうけた曲が多いけども、この曲はJamesの影響が大きいと思っている。

めずらしい人生に入っている曲以外にも、「セルロイドシティも日が暮れて」「朝日橋」「東京熱帯SQUEEZE」などもしんどい時に聴いた記憶が蘇る。意味もなく増えてくよ白髪 つまみなくとも飲み干すよラガー♪

音楽的素養があるKANが作る打ち込みテクノ系の曲も好きなものが多い。「TOP SECRET -誰にもしゃべるな- 」は、テクノ的ハンドクラップ16分連打の次に怒れる若者(ビリージョエル)っぽいピアノ連打につながっていくのがKANらしい。

KAN自身が歌う曲で一番好きなのが「Songwriter」。これはもうビリーの影響とは言わず、この歌がKANそのものと言ってよいと思う。

KANの最高傑作は今井美樹に提供した「雨にキッスの花束を」。サビの部分、「うそでしょう」で違う調(※)に飛んだ後「立ち止まったまま」でエレガントに元に戻ってくるところがものすごーくかっこいいめちゃくちゃセンスある。(※)これは部分転調で合っているのでしょうか、楽典詳しい人に教えてもらいたい

結婚した後のKANは自分事を歌うのではなく、他の人のための曲が増えた。自分事の歌が弱者男性への慰めとしても機能していたのに対し、「よければ一緒に」は広い層に響く歌だと思う。私の二人の娘もこの曲を好んでいる。そのほうが楽しい。

古くから「僕は変な顔のひと」と歌ってきたKANは自身の歌唱力が高くないことも自覚していて、よければ一緒にのメイキングDVDの中で喉の調子が悪いKANが周囲のスタッフに「誰か歌の得意な方いませんか」と替わろうとして笑わせるのがよかった。

これで書きたいことはだいたい書いた。上記文章の「よかった」で終わろうと思ったが、KANの歌はフェードアウトで終わらせないものが多かったのでなにかしらまとめよう。といってもうまくまとまらないので、これからもラララとKANがときどき入ってくる生活を続けよう。そのほうが楽しい。

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