2013年11月に湘南ベルマーレから刊行された縦の美学という本の一番最初のページに「プロサッカーは”どうやって負けるか”だ」、と書いてある。勝負事である以上負けることもあるが、負けたとしてもお客さんに「楽しかった」と思ってもらわなければならないという意味。
私はまさにこの言葉通り、湘南の負け試合を見て印象が良かったことがきっかけでベルマーレのファンになった。個人の技術が劣ろうとも大野や高山が最後まで走り切って試合終了のホイッスルと同時にグラウンドに倒れこんでしまう姿に清々しい印象を持った。また、弱小チームの中にあってもボランチの永木が時折光るプレーをみせて強豪チームに一矢報いる姿に感動した。試合後のチョウ監督の言葉の熱に共感した。
縦の美学の冒頭の文章は前社長の大倉智が書いたもので、この人が2005年に湘南に来て10年後にJ1に上げるというビジョンを描いたから今の湘南がある。そしてそのビジョンを達成した2015年末、大倉さんは湘南の社長を退任しいわきに去った。このタイミングでチョウさんまで抜けてしまうとチームが成り立たなくなってしまう恐れがあったがチョウさんが残ってくれたため、縦の美学を継続することができた。
おそらくパワハラが始まった(あるいはエスカレーションした)のはこの後からと推測する。これまで大倉さんが担っていた部分までチョウさんが一人でやらなければならなくなった。その後J1昇格やルヴァンの優勝も成功体験となって、そのこと自体が結果的に更にパワハラ行為をエスカレーションさせていったのだろうと勝手に思っている。
いま縦の美学の48ページを開くと、今回新監督となる浮嶋敏さんが指導理念を書いている(2013年はアカデミーのダイレクターだった)。そこには縦の美学に必要となる具体的なスキルが書かれている。
まだ縦の美学の今後を見ようと思う。
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