goo blog サービス終了のお知らせ 

goro's 花 Diary

東京の街を彩る花たちを追っかけています。

鬼のブラシ

2007年07月18日 | 07 花たち


この植物、見たことのあるかた、いらしゃいますか?
ハーブのコーナーで見つけたのですが。
私は初めて出会いです。

高さ7センチ、直径5センチほど、小さ目の卵ほどの大きさの楕円形です。
表面を覆っている無数の緑の棘(小苞片)は、柔らかい感触です。

出会ったとき、これは花後の姿なのかなと一瞬思いましたが、どうやら蕾のようです。


全体像はこんな様子をしてます。
この株の高さは1、2メートルほどですが、2メートルに達するまでになることもあるようです。


蕾の下の総苞のフォルムがユニークです。
長さの違うものが、不規則に花の周りから伸びてます。
長いものでは、30センチほどもありました。


蕾の棘は柔らかくて、触っても痛くはありませんが、茎と総苞にビッシリ付いてる棘は強烈です。
少しひっかかっただけで、思わず声が出てしまうくらいの痛さです。


名前はわかってます、足元に名札がささっていましたから。

【ティーゼル・フラーズ】マツムシソウ科


さてこの蕾から、どんな花が咲くのでしょうか?
みなさんも考えてみてくださいね。

検索すればどんな花が咲くのかわかるのでしょうが、我慢してました。
実際に咲く花と、初めての出会いをしたいじゃありませんか。


といいつつ、花の咲いた姿を、まったく想像することが出来ません。

アーティチョークのように、頭頂部に花穂が出てくるのでしょうか?
千日紅のように、ボンボリのような花姿を見せてくれるのでしょうか?

下から咲くのか、上から咲くのか、それすらわかりません。

はたまたこれは花後の姿で、色付いてお終いという可能性もあるんでしょうか?
まあ、花後ってことは無いでしょうけどね。

色々な思いを巡らせておりました。



待つこと1週間、開花が始まりました。


衝撃の画像をお見せいたします。


オイオイ、なんてこった!

        そこから咲くのかい?


みなさんは、いかがでしたか?
思っていたような花でしたか?

私はビックリしてしまいました。

薄いピンクの小花を咲かせたこと自体は、それほど驚くことではありませんでしたが、まさかこんな状態で開花が始まるなんて、思ってもおりませんでしたから。


ほぼ真中辺りを、グルッと1周しての開花です。


頭頂から見ると、こんな風です。

見れば見るほど、面白い咲き方です。

不思議、不思議、こんな咲き方をする花、出会ったことありません。


今までにも植物の不思議世界は目にしてきましたが、この【ティーゼル・フラーズ】も、負けず劣らず不思議世界の住人でした。


紹介するにあたり、検索を繰り返して調べてみました。

ティーゼル・フラーズで検索するより、オニナベナでヒットするほうが多かったです。

ヨーロッパや中東あたりが原産地だそうです。

日本の山野に自生する「ナベナ」という植物があり(未見です)、それよりも荒々しさがあるということでオニ・鬼が付いて、オニナベナになったそうです。
ナベナの漢字変換は「鍋菜」と記載されているサイトもありましたが、そもそもナベナという言葉の由来は、わかっていないそうです。

チーゼルと記述されることもあります。

今回はささっていた名札に表して、【ティーゼル・フラーズ】ということにしておきましょう。

台風通過のあと、倒れてしまってました。


頭頂に向かって咲き続けてます。


下の部分の花穂も、開花し始めたようです。


ラシャカキソウ・羅紗掻き草という名前もあるらしいのですが、由来は花後の果実 にあるそうです。

「小苞片は強靱で、先端が鉤状に曲がり、これがラシャを製造する過程での起毛に使われます」

織りあがった布を、この実をブラシのように使って、起毛させたということですかね。
カシミヤなどの柔らかい風合いを出すために、今でも使っているという記述もありましたよ。

そのせいもあって、織物の一大産地だった大阪の泉州地方では、昭和30年代までこのティーゼル・フラーズの栽培が行われていたそうです。

興味のある話です。
しばらくチェックを続けてみます。


最新の画像もっと見る

4 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

コメント日が  古い順  |   新しい順
土星か!? (ポージィ)
2007-07-19 10:48:23
最初の写真を目にして、フッと「チーゼル」という名前が
浮かんできました。ハーブには(も!)疎いんですけれど
いつかどこかで見ていたんでしょうね。ひょっとしたら
ドライフラワーでかもしれません。
「ティーゼル・フラーズ」が正式名と正しい発音なんでしょうね。
花のことは全く知りませんでしたよ~。まさかこんな中ほどから
咲き始めるとは!写真を見たとたん笑っちゃいました。
土星か!パコッ とやってみたくなりました。
何かこの植物なりの理由があるんでしょうけれどね(^^)

それにしてもすごい棘!栽培するのも収穫するのも、羅紗掻きとして使用するのも血の雨が降りそうなほどです~


返信する
痛てっ! (悟郎)
2007-07-20 00:25:59
★ポージィさん

チーゼルの名前ではご存知だったのですね。
ドライフラワーにするとの記述は、検索サイトでみかけました。

日本ではもともとは「チーゼル」と呼ばれていたのでしょうが、園芸界的には「ティーゼル・フラーズ」で行こうとしてるんでしょうね。
私的には、「オニナベナ」のほうが憶えられるかなと、今は思ってます(笑)。

まさかまさかの咲き出しをしてくれましたよ。
ポージィさんは笑っちゃったようですが、私は笑うほどの余裕がなくて、目の前で起きている事実に、のけぞりそうでした(笑)。
土星の輪っか、確かにそんな風ですね。
最終的には、土星本体は、ガスに覆われてしまうようですけどね(笑)。

聞いてみたいですね、真ん中から咲き始める理由。
どんな答えが返ってくるんでしょうか。

少しでも触れると、つい「痛てっ!」て声が出ちゃいました。
栽培農家のかたたち、大変だったでしょうね。
羅紗掻きブラシに興味が行ってます。
刈り取られないことを祈りたいです。
返信する
ほう・・・ (noodles3)
2007-07-20 17:45:10
咲き方が、ほんとに面白いですね♪
植物園のハーブ園でも観たことないです。
接写してみたいなあ。。。
返信する
ご用心~~ (悟郎)
2007-07-21 02:09:02
★noodlesさん

姿かたちもそれなりですが、とにかく咲き方のユニークさにのけ反りました(笑)。
ミニハーブ園に、今年初めて登場しました。

もし出会われたら、鋭い棘には、くれぐれもご用心を~~
返信する