goo blog サービス終了のお知らせ 

goro's 花 Diary

東京の街を彩る花たちを追っかけています。

枸杞 ‐赤い実同盟レポート‐

2007年11月20日 | 「赤い実同盟」



【クコ・枸杞】ナス科

クコの実ときけば、即、中華料理が思い起こされます。
杏仁豆腐やオーギョーチにトッピングされている、ドライのクコの実がいちばん馴染みがありますかね。

薬膳料理や中華デザートでよく使われ、強壮効果があるといわれています。
クコ酒とかクコ茶とかもあるようですけど、飲んだことありません。

日本でも平安時代から、漢方や民間薬に利用されてきた、重要な薬草の一つとされています。

思い込みの拙い知識を披瀝するのもなんですが、クコは赤い実を収穫するために、野菜のように栽培されている植物だとしか思っておりませんでした。
まさか野生化したものに出会うとは、2年前まで考えたこともありませんでしたよ。
もちろん、中華素材として市販されているクコの実は、栽培されているのでしょうが、東京でも野生化したクコに出会うことが出来ます。

近所でも見かけることはありますが、多摩川の河川敷では、ブッシュ化したクコの群れを、当たり前のように見かけました。
湿地を好む性質は、河川とともに生きることに適しているんでしょうね。

名前は、中国名「枸杞」の音読みが「くこ」で、そのまま使われています。

もともとは中国の原産です。
外来種ですのでね、帰化植物ということなるんでしょうが、そのあたりのことはあまり語られてはいませんね。
歴史のなかで日本にやってきた外来種たちは、目鯨たてて語られることのないという風潮はあります。
新参者が、とことん叩かれるのとは、大違いです。

草っぽく見えますが、木、落葉低木なんですよ。

花も紹介いたします。
多摩川でも、赤い実と同時に花も咲いていましたが、紹介するのは少し前に、ご近所で撮ったものです。

9/22

薄紫の可愛い花です。

若い葉っぱは、「野を食す」素材として、GWに天ぷらでいただきました。



個性を発揮 ‐赤い実同盟レポート‐

2007年11月17日 | 「赤い実同盟」

花追っかけおじさんが定期的に訪れている公園は、エリアも含め15ヶ所ばかりあります。
goro's 花 Diary で紹介している花たちの80%は、そんな公園などで出会ったものたちです。
ブログを開始した頃は、街角で見かける花たちがほとんどでしたが、今現在は公園の花が中心です。
なにより、心置きなく撮影出来るのがいいですね。

なんといってもメインフィールドはマイリビング、代々木公園です。
最低でも週一、ときに2度3度、4回5回ってこともあります。

その他は月に1~2回、2~3ヶ月に1回と、気分のままに訪れる場所を決めて向ってます。
花マップの会員さんたちを、花時期になると訪れることは当たり前ですがね。

公園のベンチで一休みです。ここには月1回は訪れています。

地域猫の多い公園で、餌をあげている誰かを、必ずといっていいほど見かけます。
猫に餌を与えている人種はほぼ決まっていますよね。
ほとんどがおばさんかおばあさん、たまにおじいさんの姿も見かけますが、この日は珍しい光景をみかけました。

20代半ばの青年が、ビニール袋から餌を出して与えていたのです。
通りすがりに餌をあげているという風ではなく、予め用意してきたものを、何ヶ所かに分けて餌場を作っておりました。
5、6匹の猫が寄ってきていました。

もとより猫好きは、おばさんや年寄りの専売ではありませんから、青年が餌を持ってきても不思議なことではないんでしょうけど、風景としては違和感があるなってね、そう思いながら見てました。
おじさんの先入観なんでしょうけどね。

少し離れた樹上では、やたらギャーギャーと鳴き声をあげ、カラスが群がっているしね。
青年の与える猫の餌を、カラスどもが狙っているのかなってね、そう思っていたんですよ。

あまり天気もよくないし、3時半になったしさ、そろそろ引き上げようかなとマイカーを進めると、突如赤い実センサーが鳴り響きました。
それも地面から。
カラスが群れていた木の下です。

初めて見る赤い実です。
少し奇妙な形をしています。

カラスたちのお目当ては、猫の餌ではなく、こちらの赤い実だったんだな。
ピンポン球を一回り小さくしたほどの大きさです。

見上げると大きな木です。
10メートルはありましたかね。
初めての出会いという切り札を突き付けられましたのでね、「赤い実同盟」隊員のおじさんは、それなりの興奮状態のもとで写真を撮ってきましたよ。
10月31日のことです。

 

     ところがです・・・

 

その後が悪戦苦闘の日々でした。


このおかたの名前が、わからないのです。

どこかのサイトで見かけた憶えはあるんですよね。
果実だけが集められていたサイトだったよなって、そのくらいの記憶はあるんですけどね。

赤い実検索でいつもお世話になっているサイトを、早速伺ってみましたが、掲載されておりません。
「赤い実」に、他の言葉を組み合わせて検索を続けてみましたが、一向にヒットいたしません。

あせっちゃいますよ。
ここまで手におえない相手だとは、思っていなかったんだよな。

時間を見つけては検索を繰り返してみましたが、駄目です。
放り投げてしまおうかな、名称不明の赤い実さんですよって、丸投げしちゃおうかな、悔しいけどそれしかないよな、でもな、シャクだよな。

煩悶の2週間が、徒に過ぎていきました。

原点に返ってみよう。
単純な「木の実 秋」のキーワードを入れてみよう。

おお、ヒットしましたよ。
最初のページの一番目のサイトに、この赤い実が掲載されておりました。


「赤い実同盟」の新会員さん、紹介いたしますね。

 
【カジノキ・梶の木・構の木・楮の木】クワ科

古代より神に捧げる木として尊ばれ、神社の境内などに植えられたといわれています。樹皮は古くから衣料や縄に用いられ、そのために植栽されて野生化しております。

カジノキ?
おじさんが知ってるカジノキとは、木の大きさ、葉っぱの趣、まったく違います。
ユニークな葉の形をしているカジノキは、過去記事でもアップしたことがあるのです。
でもどこの記事だったのかわからないんですよ。
名前は知らないけどって書いたんだったよな。
その後、カジノキという名前がわかったという経緯があったんだけどね。
ということで、ブログ内検索も出来ません。
おじさんがアップしたのに近いカジノキは、→こちらのサイトでご覧になれます。


はてさて、「赤い実同盟」の任務に戻りましょう。

カジノキは、中国中南部やインドシナ、マレーシア等に分布する雌雄異株の落葉高木です。
大きいものでは、15メートルを越えるほどになるそうです。

日本でも古代より和紙の原材料として栽培されていて、それが野生化したと考えられているようです。
同じクワ科のコウゾが、和紙の原材料として利用されているのは有名ですが、コウゾは、カジノキとヒメコウゾの交配種だと言われています。

コウゾも、赤い実同盟の会員なんですよね。


カジノキの実、かなりユニークな変化をするので、青い頃から順次見てみましょうか。
ボケ気味の画像ですが、ご覧になってください。

(全ての実が、このような成長?をする訳ではなくて、緑のまま落果することもあるようです)

赤いゼリー状の実が、緑の固まりを内側から突き破り、吹き出してきているように見えますよね。
見ようによっては、微妙に不気味だったりしませんか?大丈夫ですか?
1個の突起したゼリーのなかに、1粒の種子が入っているのが、なんだか一つ目のように見えないこともないしな。

「赤い実同盟」の会員さんのなかでも、かなりの個性をお持ちですね。

カジノキの実が食べられるとわかったのは、氏素性を突き止めてからですが、おじさん、その前に味見してみました。初めて出会ったそのときに。
このあたりは、数々の経験と好奇心に則っております。

この赤い実には、コウゾの実のような濃厚さはありませんが、ほんのりとした甘味がありました。


カジノキ・梶の木の名前の由来は、どこを探しても見つかりませんでした。

花時期は、5、6月のようです。
コウゾの花と似たところのあるカジノキの花、気に留めておきましょうかね。



鎌の柄 ‐赤い実同盟レポート‐

2007年11月13日 | 「赤い実同盟」


「赤い実同盟」の新会員さんです。
ブログなどでは見ていましたが、実際に対面したのは初めてです。
想像していたよりも、大きな木でした。4~5メートルばかりありましたかね。

落葉低木で、高さ5メートル、直径10センチほどになるって言われておりますので、おじさんが出会ったものは大きいほうなんでしょうね。


【カマツカ・鎌柄】バラ科

「カマツカ」と音だけ聞くと何?って感じがしますが、漢字の「鎌柄」を見ると、読んで字の如し、鎌の柄(え)ですものね
材質が堅くて粘りがあり、折れにくいので、鎌や槌の柄に利用されたのが、名前の由来です。

ウシコロシ・牛殺しという別名がありますが、大きな牛を殺すほどの毒があるということではなくて、この木で牛の鼻輪を作ったことに由来します。
鎌の柄に利用されたのと同じ理由で、堅くて粘りのある性質を利用し、たわめて輪っぱにして、牛の鼻輪を作ったようです。
馬もそうですが、鼻輪を付けられた途端、おとなしくなるんですよ。
牛殺しの「殺し」とは、手なずけるという意味です。

どちらにしても、もう少し考えて命名して欲しかったよな。

赤い実は、1センチほどの大きさです。
食べられるそうですが,あまり美味しくは無いとか。

今回は遠慮してきたんだけど、チャンスがあったら、試食してみたいですね。
あまり美味しくない味を、確認してみたいです。


花は5月頃咲くそうです。
画像でみると、バラ科の特徴を持った、真っ白な小花なんですよね。
来春、見られるといいですが。



甘い記憶 ‐赤い実同盟レポート‐

2007年11月11日 | 「赤い実同盟」



【ガマズミ・莢迷】スイカズラ科

子供時代から、すっかりお馴染みの赤い実です。

過去にもgoro's 花 Diary では紹介いたしておりますが、おじさんの満足度からいうと、イマイチでした。
というのは、赤い実だけならそこそこなんだけど、株全体で、納得するものとの出会いが無かったんです。
樹高が1メートルほどのものしかなくてね。

今回トップに揚げたような木に、出会いたかったのです。
こちらは、3メートルばかりはありますかね。
やっぱりこのくらい無いとな、紹介も出来ないよ。

子供時代から馴染みがあったということはですね、この赤い実を食べていたってことなんです。
ガマズミなんて名前だとは、知りませんでしたけどね。

オヤツは各々山野で調達。おじさんの少年時代はそんなものでした。
食べられるものは、全て食べました。
果実なら何でも食べたってことではなくてね、そこはそれ、少年たちにも共同体としての縦社会があり、先輩の知恵を、きちんと後輩たちも受け繋いでいく訳です。
ガマズミは、食べられる果実として認識済みです。

実はこの赤い実、先日口にしてみましたが、酸っぱくて不味いのです。
記憶の底にある過日の味は、決して美味しいというものではありませんが、少しは甘味があったんですけどね。
記憶を都合良く修正するパターンだったのかなと思ってましたら、こんな記述と遭遇しました。

9月ころの実は酸味があり、果実酒に適し、生食用には11月ころ採取したものが適しています。また、霜の降りる頃になると次第に酸味が抜け、透明感を増して甘くなってきます。

よかった、思い込みじゃなくて。
少年世界でも、このくらいの知恵や知識はあったんでしょうね。

ガマズミ・莢迷とはまた、想像力を拒否するような名前だと思いませんか。
実際、名前の由来はわからないと書かれているサイトがかなりの数あります。

そんななかで、おじさんの信頼しているサイトに書かれていたものから、名前の由来について説明いたしましょう。

ガマズミの幹や枝が、鍬や鎌の柄に使われていた(多分堅い素材だったんでしょう)ことからカマがつき、赤い果実は染料として使われていたのでゾメ(染め)がつけられ、カマゾメになり、その後カマゾメが転訛して、ガマズミになったと言われる。

果実に酸味があることから、スミ(酸味)が転訛して、ガマズミという名前になった。

どちらにしても、強引さは否めませんね。
まあいいでしょう、今回は。
多くのサイトに書かれているように、名称の由来は不明ということで、収めておきましょう。


花はこんな様子です。

5/19

白い小振りの花が集まって、雪洞状になります。


そろそろ紅葉も見られる時期ですよ。



枝物花材 ‐赤い実同盟レポート‐

2007年11月08日 | 「赤い実同盟」



【ウメモドキ・梅擬き】モチノキ科

昨年が初のお目見えの赤い実ですが、この1年で広がった花フィールドのせいで、比較的簡単に見かけられるようになりました。
それも、かなりの大木のウメモドキたちにです。

言葉を替えて言うちゃうと、おじさんの近所には、ウメモドキが無いってことなんですけどね。

名前の由来を、今回はそうそうにしておきましょう。
全体の姿、枝振り、葉、実の付きかたが梅に似ていることから、ウメモドキ・梅擬きと命名されたんだそうです。

いかがですか? 梅に似ていますか?
おじさんんは、ウーン・・・です。

すでに9月半ばから、赤い実が目立っておりました。
ピラカンサスと並び小鳥たちの大好物の赤い実ですが、この時点ではまだ見向きもされません。


花も見ていただきましょう。

5/26撮影

雌雄異株なんだけど、紹介している花は雌花だと思います。
小さくて目立たない花ですけど、赤っぽい花色で、モチノキ科の花らしい特徴が見てとれます。

ウメモドキには、黄、白、犬、風鈴など、たくさんの種類があるようなんですよ。
それにも出会ってみたいですね。

昨年が初めての出会いだったといいましたが、秋から冬にかけての花材としては、前々から花屋さんの店頭で見かけておりました。
葉がすっかり落ちて、裸木に赤い実がいっぱいに付いている様は、枝物の花材として人気があります。

そろそろそういう姿が見られるでしょうかね。
小鳥さんたちに食べられる前に、見ておきたいです。