色彩語彙は色名を一覧するか、その語の色の基本をとらえることになる。色の基本には色空間があり、色相、彩度、明度などのパラメータで表現することが可能であるので、それによってあらわされる色の名前を並べる。それはまた色名としての成立、現実世界の使用のかかわりを見ることになるが、厳密に色をとらえて表現することは日常生活では行われない。つまり語と色のあらわれかたは人間に認識できる範囲から、大方の基本的な表現を分類している。言語と認識の作用は色名において語による違いから語を用いることが認識を決めるという考え方を議論するものがあったが、いまでは語にかかわらず人間の認識はその作用のわたしたちに及ぼすところには変わりがないとみられる。つまり色を見るのに語によって分類することはあってもそれをもって思考作用を決めているわけではないと、とらえられる。日本語は古来、色名形容詞で4つしかないと言い切ればざまざまな色の認識が行われていないことになってしまうが、現実はもっと複雑に色名を与えて色の区別を行ってきている。
色は地域にもよるところ、光りと影のあいだに起こる。日本は山と海に囲まれて光の届き方が影を作り色のはっきりした現象をそのやまと海に見たかと思うと、光の出る明るさと、光のかくれる暗さとを対比し、光が跳ね返って輝く水面と、光を吸い込んでいくような山間に、そのそれぞれを色と捉えたようである。とすると、赤と黒はそれなりに色を表し得るが、白と青は色であったかどうかと思われる。しかし、それを色に見て表現した語彙は、輝くさまと息をひそめるみずみずしさを極端にして色を認識することになったであろう。墨色と白紙は祖先にとっては色の対比であったのである。黒から赤へ、そして青に移る、さらに照り輝く白を見たのであろう。
世界大百科事典内の色彩語彙の言及
【色】より
…真の意味での〈日本の色〉は,これら実用生活に密着した質朴な色彩のほうかもしれない。【斎藤 正二】
【色彩語彙】
文化と言語の関係は文化人類学や意味論においてくりかえして議論されている重要な問題であるが,その議論においてしばしば色彩語彙がとりあげられる。そこでは,言語が異なれば認識の仕方も異なるという言語相対性説と,言語の違いを超えて人類に共通の認識があるという普遍性説の確執がみられる。…
ウイキペディアの項、色彩語彙より。
>古代から存在する色名は、上記の「アカ(赤)」「クロ(黒)」「アヲ(青)」「シロ(白)」の4色である。他の色は、鉱物・植物名などからの借用が多い(簡単な区別法としては、「○○色」を「○○の色」というように分割できないものが古い、と言うことができる。)。
古代からある色が上記4色である事実は現代日本語においても、その使い方の中に見られる。この4色は形容詞があり、「アカい」「アヲい」「シロい」「クロい」という。黄は「黄色い」、茶は「茶色い」というように「色」が含まれる。他の色名は形容詞がない。
また、「アカアカと」、「シラジラと」、「クログロと」、「アオアオと」のように副詞的用法を持つ色もこの4色のみである[6]。
それぞれの語源は、以下の通りとされる。
アカ(赤)
「アケ(朱)」「ア(明)ける」「アカ(明)るい」と同源で、夜が明けて明るくなるという意味から色の赤に転用されたもの。
クロ(黒)
古くは玄の字が多く使われた。「ク(暮)レる」「クラ(暗)い」と同源で、日が暮れて暗くなるという意味から色の黒に転用されたもの。その際、母音交替(a→o甲)を起こしただけでなく、アクセントまでも高起式から低起式に変化しているのは後述のシロと共通している。染料のクリ(涅。水底の黒土。クロと同様低起式)は意義分化に伴ってアクセント変化を遂げた後にクロから生じたもの。
アヲ(青)
植物名で染料名でもある「アヰ(藍)」と同源。後述する「シル(顕)し」の対語で、はっきりしないという意味から色の青に転用されたもの。
シロ(白)
「シル(知)」「シルシ(印)」と同源で、はっきりした様を表す「シル(顕)し」が、色の白に転用されたもの。
色名一覧 あ の項より。
アーモンドグリーン almond green アーモンドの葉の色
#1A4472 アイアンブルーJIS iron blue 紺青 青色顔料紺青の色
#0F5474 あいいろJIS 藍色 インディゴ アイで染めた色
#5E7C85 あいけねずみ 藍気鼠 藍鼠 →あいねず
#475189 あいさびいろ 藍錆色
#CCE7D3 アイスグリーン ice green 厚い氷の色
#243250 あいてついろ 藍鉄色
#5E7C85 あいねずJIS あいねずみ 藍鼠 藍気鼠
#487C38 アイビーグリーンJIS ivy green キヅタの葉の色
#F3ECD8 アイボリーJIS アイボリーホワイト ivory ivory white 象牙色 象牙の色
#333132 アイボリーブラック ivory black
#5C5D31 あいみるちゃ 藍海松茶
#547443 あいりきゅう 藍利休 利休藍
#0067C0 あおJIS 青・蒼・藍・碧 ブルー 基本色名
#23274F あおかち 青褐
#F4E511 あおき 青黄 印刷用.青みを帯びた黄
#83866C あおしろつるばみ 青白橡 麹塵 ヤマバトの羽の色
#283446 あおずみ 青墨
#72BAA7 あおたけいろJIS 青竹色 竹の幹の色
#798543 あおに 青丹 青土の色.枕詞「あおによし」
#52695D あおにび あおにぶ 青鈍 尼の僧衣に用いられた
#00AE95 あおみどりJIS 青緑 ブルーグリーン 基本色名
#6F51A1 あおむらさきJIS 青紫 パープルブルー・バイオレット 基本色名
#ED1A3D あかJIS 赤・紅・朱・緋・丹 レッド 基本色名・光の三原色
#FFC800 あかき 赤黄 印刷用.赤みを帯びた黄
#DC8551 あかくちば 赤朽葉
#FBBD8E あかこう 赤香
#84331F あかさびいろJIS 赤錆色 赤錆の色
#4C2E30 あかずみ 赤墨
#F15A22 あかだいだいJIS 赤橙
#B4533C あかちゃJIS 赤茶
#B22D35 あかねいろJIS 茜色 アカネの根で染めた色
#F067A6 あかむらさきJIS 赤紫 レッドパープル 基本色名
#88bfbf アクアグリーン aqua green ウォーターグリーン 緑色を帯びた水の色
#AFDFE4 アクア アクアブルー aqua aqua blue 水色・ウォーターブルー 澄んだ水の色
#006F86 アクアマリン aquamarine 宝石アクアマリンの色
#948562 あくいろ 灰汁色 灰汁の色
#ED1A3D あけ 赤・朱・緋 レッド →あか
#F9AA8F あけぼのいろ 曙色 東雲色 夜明けの空の色
#FFCC33 あさき 浅黄 浅葱色 カリヤスと灰汁で染めた色。浅葱色と混同
#00A4AC あさぎ あさぎいろJIS 浅葱・浅黄 浅葱色・浅黄色 浅黄 薄いネギの葉の色
#67A7CC あさはなだ あさきはなだ 浅縹
#DE7C6B あさひ 浅緋
#84C98B あさみどり 浅緑
#CD4187 アザレア azalea 躑躅色 ツツジの花の色
#FF3399 アザレアピンク azalea pink 躑躅色 ツツジの花の色
#98514B あずきいろ 小豆色 ラセットブラウン アズキの実の色
#949593 アッシュグレイJIS アッシュグレー ash grey 灰色 やや青い灰のような色
#96C78C アップルグリーンJIS apple green 青リンゴの実の色
#A99663 あぶらいろ 油色 菜種油の色
#FAB280 アプリコットJIS apricot 杏色 アンズの実の色
#E8DABE あまいろ 亜麻色 エクルベージュ 亜麻の繊維の色
#65BBE9 あまいろ あめいろ 天色 空色 空の色
#E5B36E あめいろ 飴色 水飴の色
#9E76B4 アメシスト アメジスト amethyst 宝石アメジストの色
#C77EB5 あやめいろJIS 菖蒲色 アヤメの花の色
#FDD2B9 あらいがき 洗柿 渋柿で染めた色
#E27A5E あらいしゅ 洗朱
#F0F8FF アリスブルー Alice blue
#7D415E あんこうしょく 暗紅色・殷紅色
#00001C あんこくしょく 暗黒色
#FAB27B あんずいろJIS 杏色・杏子色 アプリコット アンズの実の色
#1A4472 アントワープブルー Antwerp blue 紺青 青色顔料紺青の色
#B97E54 アンバーJIS amber 琥珀色 コハクの色
#005133 あんりょくしょく 暗緑色
色は地域にもよるところ、光りと影のあいだに起こる。日本は山と海に囲まれて光の届き方が影を作り色のはっきりした現象をそのやまと海に見たかと思うと、光の出る明るさと、光のかくれる暗さとを対比し、光が跳ね返って輝く水面と、光を吸い込んでいくような山間に、そのそれぞれを色と捉えたようである。とすると、赤と黒はそれなりに色を表し得るが、白と青は色であったかどうかと思われる。しかし、それを色に見て表現した語彙は、輝くさまと息をひそめるみずみずしさを極端にして色を認識することになったであろう。墨色と白紙は祖先にとっては色の対比であったのである。黒から赤へ、そして青に移る、さらに照り輝く白を見たのであろう。
世界大百科事典内の色彩語彙の言及
【色】より
…真の意味での〈日本の色〉は,これら実用生活に密着した質朴な色彩のほうかもしれない。【斎藤 正二】
【色彩語彙】
文化と言語の関係は文化人類学や意味論においてくりかえして議論されている重要な問題であるが,その議論においてしばしば色彩語彙がとりあげられる。そこでは,言語が異なれば認識の仕方も異なるという言語相対性説と,言語の違いを超えて人類に共通の認識があるという普遍性説の確執がみられる。…
ウイキペディアの項、色彩語彙より。
>古代から存在する色名は、上記の「アカ(赤)」「クロ(黒)」「アヲ(青)」「シロ(白)」の4色である。他の色は、鉱物・植物名などからの借用が多い(簡単な区別法としては、「○○色」を「○○の色」というように分割できないものが古い、と言うことができる。)。
古代からある色が上記4色である事実は現代日本語においても、その使い方の中に見られる。この4色は形容詞があり、「アカい」「アヲい」「シロい」「クロい」という。黄は「黄色い」、茶は「茶色い」というように「色」が含まれる。他の色名は形容詞がない。
また、「アカアカと」、「シラジラと」、「クログロと」、「アオアオと」のように副詞的用法を持つ色もこの4色のみである[6]。
それぞれの語源は、以下の通りとされる。
アカ(赤)
「アケ(朱)」「ア(明)ける」「アカ(明)るい」と同源で、夜が明けて明るくなるという意味から色の赤に転用されたもの。
クロ(黒)
古くは玄の字が多く使われた。「ク(暮)レる」「クラ(暗)い」と同源で、日が暮れて暗くなるという意味から色の黒に転用されたもの。その際、母音交替(a→o甲)を起こしただけでなく、アクセントまでも高起式から低起式に変化しているのは後述のシロと共通している。染料のクリ(涅。水底の黒土。クロと同様低起式)は意義分化に伴ってアクセント変化を遂げた後にクロから生じたもの。
アヲ(青)
植物名で染料名でもある「アヰ(藍)」と同源。後述する「シル(顕)し」の対語で、はっきりしないという意味から色の青に転用されたもの。
シロ(白)
「シル(知)」「シルシ(印)」と同源で、はっきりした様を表す「シル(顕)し」が、色の白に転用されたもの。
色名一覧 あ の項より。
アーモンドグリーン almond green アーモンドの葉の色
#1A4472 アイアンブルーJIS iron blue 紺青 青色顔料紺青の色
#0F5474 あいいろJIS 藍色 インディゴ アイで染めた色
#5E7C85 あいけねずみ 藍気鼠 藍鼠 →あいねず
#475189 あいさびいろ 藍錆色
#CCE7D3 アイスグリーン ice green 厚い氷の色
#243250 あいてついろ 藍鉄色
#5E7C85 あいねずJIS あいねずみ 藍鼠 藍気鼠
#487C38 アイビーグリーンJIS ivy green キヅタの葉の色
#F3ECD8 アイボリーJIS アイボリーホワイト ivory ivory white 象牙色 象牙の色
#333132 アイボリーブラック ivory black
#5C5D31 あいみるちゃ 藍海松茶
#547443 あいりきゅう 藍利休 利休藍
#0067C0 あおJIS 青・蒼・藍・碧 ブルー 基本色名
#23274F あおかち 青褐
#F4E511 あおき 青黄 印刷用.青みを帯びた黄
#83866C あおしろつるばみ 青白橡 麹塵 ヤマバトの羽の色
#283446 あおずみ 青墨
#72BAA7 あおたけいろJIS 青竹色 竹の幹の色
#798543 あおに 青丹 青土の色.枕詞「あおによし」
#52695D あおにび あおにぶ 青鈍 尼の僧衣に用いられた
#00AE95 あおみどりJIS 青緑 ブルーグリーン 基本色名
#6F51A1 あおむらさきJIS 青紫 パープルブルー・バイオレット 基本色名
#ED1A3D あかJIS 赤・紅・朱・緋・丹 レッド 基本色名・光の三原色
#FFC800 あかき 赤黄 印刷用.赤みを帯びた黄
#DC8551 あかくちば 赤朽葉
#FBBD8E あかこう 赤香
#84331F あかさびいろJIS 赤錆色 赤錆の色
#4C2E30 あかずみ 赤墨
#F15A22 あかだいだいJIS 赤橙
#B4533C あかちゃJIS 赤茶
#B22D35 あかねいろJIS 茜色 アカネの根で染めた色
#F067A6 あかむらさきJIS 赤紫 レッドパープル 基本色名
#88bfbf アクアグリーン aqua green ウォーターグリーン 緑色を帯びた水の色
#AFDFE4 アクア アクアブルー aqua aqua blue 水色・ウォーターブルー 澄んだ水の色
#006F86 アクアマリン aquamarine 宝石アクアマリンの色
#948562 あくいろ 灰汁色 灰汁の色
#ED1A3D あけ 赤・朱・緋 レッド →あか
#F9AA8F あけぼのいろ 曙色 東雲色 夜明けの空の色
#FFCC33 あさき 浅黄 浅葱色 カリヤスと灰汁で染めた色。浅葱色と混同
#00A4AC あさぎ あさぎいろJIS 浅葱・浅黄 浅葱色・浅黄色 浅黄 薄いネギの葉の色
#67A7CC あさはなだ あさきはなだ 浅縹
#DE7C6B あさひ 浅緋
#84C98B あさみどり 浅緑
#CD4187 アザレア azalea 躑躅色 ツツジの花の色
#FF3399 アザレアピンク azalea pink 躑躅色 ツツジの花の色
#98514B あずきいろ 小豆色 ラセットブラウン アズキの実の色
#949593 アッシュグレイJIS アッシュグレー ash grey 灰色 やや青い灰のような色
#96C78C アップルグリーンJIS apple green 青リンゴの実の色
#A99663 あぶらいろ 油色 菜種油の色
#FAB280 アプリコットJIS apricot 杏色 アンズの実の色
#E8DABE あまいろ 亜麻色 エクルベージュ 亜麻の繊維の色
#65BBE9 あまいろ あめいろ 天色 空色 空の色
#E5B36E あめいろ 飴色 水飴の色
#9E76B4 アメシスト アメジスト amethyst 宝石アメジストの色
#C77EB5 あやめいろJIS 菖蒲色 アヤメの花の色
#FDD2B9 あらいがき 洗柿 渋柿で染めた色
#E27A5E あらいしゅ 洗朱
#F0F8FF アリスブルー Alice blue
#7D415E あんこうしょく 暗紅色・殷紅色
#00001C あんこくしょく 暗黒色
#FAB27B あんずいろJIS 杏色・杏子色 アプリコット アンズの実の色
#1A4472 アントワープブルー Antwerp blue 紺青 青色顔料紺青の色
#B97E54 アンバーJIS amber 琥珀色 コハクの色
#005133 あんりょくしょく 暗緑色