永六輔は天国へのラブレターを毎日書き、それをポストへ投函しているそうだ。彼は7年前、昌子夫人を胃がんで亡くした。一年の多くを旅で過ごす永は夫人の生前、旅先から毎日、葉書を書き送っていた。それを夫人の死後も続けているそうだ。自宅宛なので受け取るのは自分自身である。夫人が亡くなった日も、その翌日もそうした。葉書は公開されていないが「あの世の妻へのラブレター」と題した手紙を夫人の死の三年後発表している。玄関には夫人の履物が今でも揃えてあり、洗面所も其の儘、鏡台も。「看取られるはずを看取って寒椿」永六輔
文芸春秋2008年1月号から
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