読書など徒然に

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数学・理科の国際学力調査で米は依然振るわず

2012-12-14 09:03:47 | 教育
wsj日本版から

11日に公表された2011年国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)の結果によると、米国の生徒は若干向上はしたものの、主要な競争相手に依然後れを取っていることが明らかになった。シンガポール、韓国、日本、それにフィンランドなどの生徒の成績は米の4年、8年生(中学2年生に相当)を上回った。

 米国の4年生は前回07年の調査時に比べて数学で若干前進したが、その他では統計的に変化はなかった。ただ、それにもかかわらず、米国の生徒は4年生の数学、理科の調査を行った60カ国・地域の教育研究機関、それに8年生の調査をした59機関の中では、国際平均を上回り、トップグループに入っている。

 米国の一部の州は任意で多くの生徒を参加させ、統計的に個別の結果を得られるようにした。その結果、マサチューセッツ、ミネソタ、コロラドの各州で非常に良い結果が得られた。例えばマサチューセッツ州では、8年生の理科で世界第2位の成績をあげることができた。

 数学と理科の試験を作り、その結果を分析しているボストン・カレッジのTIMMS & PIRLS国際研究センターのエグゼクティブディレクター、イナ・マリス氏によると、米国の生徒は調査が初めて行われた1995年以降、着実に伸びているが、その伸びは他の国よりも小さいという。米国での試験を管理している米全国教育統計センター(NCES)のコミッショナー、ジャック・バックリー氏は、米国の成績は「非常に立派だ」と述べた。同氏は、個別の統計を取った一部の州の成績を高く評価した。

 しかし、今回の新しいデータは、米国の生徒全般の学力への不安を強める可能性がある。生徒の学力については、外交評議会の諮問委員会が今年3月に、国家安全保障上の問題だと指摘している。

 世界の15歳を対象に2010年に行われた経済協力開発機構(OECD)の学習到達度調査(PISA)では、米国は33カ国中の中位だった。この調査は3年ごとに行われている。

 11日には、4年生を対象に行われた11年の国際読書力調査(PIRLS)の結果も公表され、米国は前回06年の調査から若干向上したことが示された。この調査は世界の53カ国・地域の教育機関で行われ、米国よりも成績が良かったのは5機関だった。前回米国より良かったのは8機関だった。フロリダ州はトップ5に入った。

 95年からのTIMMSではアジアの生徒が長い間上位を占めており、11年調査でこれらの国は上位に入っただけでなく、最高水準を記録した生徒の数も増えている。例えば4年生の数学では、シンガポールの生徒の43%がトップの「advanced(上級)」を記録したが、米国では13%にすぎなかった。8年生の数学では韓国生徒の47%がトップレベルで、米国は7%だった。

 理科では、シンガポールの4年生の33%、8年生の40%がトップレベルにあり、米国はそれぞれ15%、10%にとどまった。

 マサチューセッツ州初等中等教育コミッショナー、ミッチェル・チェスター氏は、同州の好成績はカリキュラムの程度を引き上げ、厳しい試験を行うという93年の教育制度改革が功を奏したとの見方を示し、「われわれは過去の成功に満足することを拒否している」と強調した。

記者: Stephanie Banchero


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