読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

草枕

2007-04-10 15:41:44 | Weblog

金田一春彦の「日本語は京の秋空」を読んでいたら万葉集の「家にあれば笥に盛る飯を草枕旅にしあれば椎の葉に盛る」が出て来た。同時並行して呼んでいた本で中江克巳の「うんちく事典日本語」にもこの歌が出て来た。前者はこの歌は防人の歌で米に関する言葉が日本語に多い事を話題にした内容の中で引用されている。後者は「草分けと草枕」の語源を解説した中で有馬皇子が658年謀反の疑いを掛けられ、市経の宮(今の奈良県生駒市)で捕らえられ紀伊の藤白坂(和歌山県海南市)で処刑された。この歌はその護送の旅で詠んだものだと解説されている。ここでおやっと思ったのは、前者ではこの歌が防人の作った歌になっているが、後者ではこの歌が有馬皇子が詠んだように解釈できる書き方がしてあると言う事だ。


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