読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

白川静の恋文

2009-12-24 14:30:01 | 読書

浄土に渡った伴侶に恋文を書いた人がいる。白川静氏である。彼は89歳で漢字の研究で勲二等を受賞し、93歳で文化功労者となり96歳で亡くなった。平成18年10月のことであった。彼はそれ以前の平成三年独自の漢字の研究で菊池寛賞を受賞したときこんな歌を詠んだ。「菊池寛賞内定といふ電話あり おまえどうすると妻に諮れる」「一つぐらいあってもと妻の言ふなへに我もその気になりにけるかも」「賞といふもののほしきにあらざれど糟糠の妻に贈らんと思ふ」文芸春秋平成十九年四月号「父・白川静九十六歳 最期の日々」より。