読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

死後の世界は有る?

2008-05-16 17:38:06 | Weblog

孔子も釈迦もソクラテスも死後の世界が有るか否かについては語らなかったそうだ。孔子の弟子の子路が孔子に死後の世界が有るかどうかを尋ねた。孔子は「未だ生を知らず、焉くんぞ死を知らんや」いまだ生の世界がわからぬに、何故死後の世界の事がわかろう。と答えたそうである(論語)。古代中国人にとってはこの世は明るく楽しい世界であると考えていた。死後の世界があるとすればどうなのか気になるところであろう。死んで霊魂になったとしても楽しくくらしたいと考えていた。古代インドやヤマト民族がこの世を「苦」と考えていたのとは対照的である。中国の知識人は「死後の世界」については懐疑的であった。実は中国でもヨーロッパでも仏教やキリスト教が広まる前は無神論者や唯物論者が多かったのだそうで「あの世」のイメージが出来上がったのは中世になってからと言う事である。