GOODLUCK'S WORLD

<共感>を大切に、一人の男のスタンスをニュース・映画・本・音楽を通して綴っていきたい

『メンターを探せ!』(2)「東京ラブストーリー」編(上)

2012年05月05日 | Weblog
 1990年代、大ヒットしたトレンディードラマがある。私にとってのメンターの一つだ。これまでにもこのブログでたくさんのメンターを意識して書いてきたが、今後は<●メンター>と明確に書き込んでいこうと思う。

               

                   
さて、「東京ラブストーリー」(第2話)
リカと完治(カンチ)とさとみちゃんがホッケーの試合を観戦して、3人で食事している場面。本当はカンチはさとみと二人だけで食事をしたかかったが、デートの経験が少ないさとみはリカがいてくれた方が3人で気軽に話せるのではないかと思い、リカも誘った。唐変木(まるで昔の私)のカンチは、二人だけの時間を邪魔されてイライラしていた。さとみが用事を思い出し電話をするため席を外そうとした。

リカ「気をつけた方がいいよ、さとみちゃんがいない間にね、
   カンチね、インドから取り寄せた幻の惚れ薬を料理の中に入れるかもしれな~い」
さとみ「見張ってて!」
リカ「はーい!」 さとみ、席を離れる
カンチ「どういうつもりなんだよ。人のデートについてくっか、ふつう…」
リカ「ナニナニ… (決めてやる、今夜)、何て考えてたの」
カンチ「あのね、ったく、そんなだから会社で変な噂が広がんだよ!」
リカ「えぇ?」
カンチ「あっいや…」
リカ「な~に~、それ!」
カンチ「あつ、、ウソウソ! 何でもない」

リカの表情が変わってくる。
(後に、こういうのが、「地雷を踏んだ!」とう名ゼリフが生まれることになる。
カンチ「和賀部長とのこと…」
リカ「ああ、それか… … ホントだよ!」
カンチ「ええぇ!」
リカ「ホント んー どんな風に噂伝わっているか、知らないけどさ」
カンチ「なんで?」
リカ「何でって、好きになっちゃったんだか、しょうがないじゃん」
カンチ「だって、あの人、奥さんも子供もいんだよ」
リカ「知ってる」
カンチ「不倫じゃないかよ」
リカ「分かってる、けど、でも、あたしが好きなの」
カンチ「だったら、誰とでも寝んのかよ!」
リカはカンチを睨みつけ、ジョッキのビールをカンチに投げかけ、
カンチはびしょ濡れになる。

カンチ「なっ、…」
リカ「良かったね、半分しかなくて…」
カンチ「いい加減にしろよ、お前っ!」
リカ「だったら教えてよ、人を好きにならなくてすむ方法を!」と凄む。
カンチは、まるで意表をつかれたように唖然として、リカを見つめる
リカ「バカ…」

「東京ラブストーリー」の最後はカンチとさとみが一緒になる。
しかし、私はこんな二人が一緒になるべきではなかったように思えてならなかった。
21年たった今ならそれがよく分かる。
和賀部長が私の気持ちを代弁してくれていた場面があった。

和賀部長「(リカは)不器用なんだよ 
     普通は背中に背負ったリュックに荷物が増える度に何か別な物を捨てていく。     生きていくっていうのはそういうもんだ。だがあいつは捨てない。
     どんどん荷物が増えていく。たった一人で色んな物をしょい込んで。
     まあ、意外とお前みたいな奴があいつには合ってるのかもな」 
     お前とあいつは正反対だ。お前は何も荷物をもってない
  少しぐらいなら肩代わりできるだろう」

 このセリフの意味がよくわかる。男女関係は、凸凹でなければ長続きしない。お互いにないものを相手が持っていて、しかもそれが尊敬心を超えた、いわば自分にないものを補う<直感(自己防衛本能)>的能力で感じる。こんな二人であればいつまでも仲良く過ごして行けるような気がする。

 現在BSフジで「東京ラブストーリー」を放映中だ。上記のセリフは2話でのワンシーンだ。私はリカのセリフに何度も泣かされた。何て可愛い奴だ。何度も抱きしめたくなった。
 不器用な4人の若者、そして、ただ一人大人の和賀部長、恋愛や仕事上のトラブル、ストレス、成長物語、そんな群像劇から迸る熱い汗や涙こそトレンディードラマの核だ。多くの人たちが孤独と不安を抱えながら生きているからこそ、共感し大ヒットしたのだ。

 恋愛にはまず、ある程度のラッキーが必要だ。本当にまれだがお互いが自分の想いや相手に対して誠実なとき、二人は突然特別の関係に陥る。そして、付き合うことになる。天使が、特別の<GOOD LUCK>を振りかける時がある。時に男性が強引に押し倒し、そのまま互いの愛を確かめ合える時もあれば、彼女がそっと目をつむり彼の唇を求める瞬間だ。また、自分の部屋に来て、料理を作ってくれたり、彼女が眠たくなったふりしてすぐ傍で寝たふりをするような瞬間のことだ。
 その<GOOD LUCK>に気づかない唐変木もいる。反対に互いに自分の本音に気がつかず、互いの地雷を踏みまくる。恋愛中に、こんな場面を何度か繰り返す。ヒットするドラマはこの地雷踏みが連続し、そしてお互いの気持ちが行き違う。そして、ようやく一致する時を迎える。これが最終話となる。しかし、「東京ラブストーリー」のようにハッピーエンドではない物語も少なくない。人生のほとんどがハッピーエンドでないように。

                


 大切なことは<自分で自分の本音に気がつかない>ことを知ることだ。将棋でいう「岡目八目」ように本音には気づかないものだ。トラブルの原因は無関係な周囲の人間から見れば、その良し悪しが明確に見えるもの。当事者たちは自分の気持ちが優先するために、冷静且つリベラルな判断ができない。何度も書いてきたが、敢えて繰り返す。まず、自分を知ることだ。自分の欠陥や未完成な自分を知ることだ。これが、地図上の自分の位置に気づくことなのだ。目標を見つけることはその次の課題だ。この事に気づくには経験と時間の経過を必要とする。そして、自分を取り巻く人間関係を俯瞰的に見る能力を身につけなければならない。

 最終的に向かうべき方向は<自分の直感>を磨くことだと思う。恋愛も仕事も人間関係も、音楽も、ゴルフもすべて同じだ。時間をかけてトライ&エラーを繰り返し、自分の未熟さを確認し、階段を上がろうと一人で努力することだ。そのうちに何かが見えてくる。目標であったり、本当にすべきことだったり、本当にしたいことだ。

 周囲の現象に惑わされるな。例えが悪いが巨大なビルに旅客機が突っ込もうが、大地震があって、大津波に襲われようと、自分を見失うな。そんな人間になって欲しい。自分の未完成度にいつも気づいていれば、道は必ず見えてくる。それが<強く>なるという意味だ。
 
「初めから強い人間なんていない」(●メンターとなったセリフ)

(私の大切なメンターの一人:冒険作家A・J・クィネル作品の『燃える男』
 デンゼル・ワシントン主演映画「マイ・ボディーガード」として映画化)


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