GOODLUCK'S WORLD

<共感>を大切に、一人の男のスタンスをニュース・映画・本・音楽を通して綴っていきたい

「ロマンティストって、どんな人?」

2011年09月15日 | Weblog
「ロマンティストって、どんな人?」

答えはこの名セリフの中にあることを最初に伝えておく。
『人の心はわからない、でも本性は行動に出る』(「バットマン・ビギニング」より)

 実はこの歳になるまで私は自分のことをロマンティストと思いこんでいた。これを覆したのは私の連れ添いだった。昨日ロマンティストの定義についてA4で1ページ位の下書きをしていたが、書いていてイマイチ納得感がなかった。そこで今日連れ添いに尋ねてみた。彼女はしばらく考えてこう答えた。
「海外旅行に行って歴史的建造物を実際に見てみたいとする。だけどテロや治安が気になって行くのをためらうのがリアリストで、それでも見てみたいと行くのがロマンティスト」私はこの言葉を聞いて驚いた。行くのをためらっていたのは自分自身だったからだ。そういえば昔彼女はこんなことを云っていた。「あなたは石橋を叩いてもなかなか渡らないことがある」その時はその内容をロマンティストと結びつけて考えもしなかったが…。

「あなたは自分のことをロマンティストと思っているでしょうけど、違うわよ」と付け加え、こうも云った。
「私のことをリアリストと思っているでしょ。実は私の方がロマンティストかも。私たちの結婚はあなたの両親が私の実家に来て反対されたことから大騒動になったけど、家を出たのは私よ。あなたは自分の親まで反対するような結婚はできないといってたでしょ。もし、あなたがロマンティストなら二人で駆け落ちしてでも一緒になるでしょ。でもそうではなかった。あなたがリアリストである証拠よ。でも私はあなたのそういう現実感を信頼していたのかもね。それに賭けてしまう私の方がずっとロマンティストよ」

 私はあの頃、二人で駆け落ちなど一度も考えたこともなかった。私は両親との絆がとても固く、特に母親は私の想いを全面的に受け止めてくれていた。嫁いでくる彼女を温かく迎える両親、兄夫婦であることを200%信じていた。実際にそうなったが、親元を飛び出してくる彼女を私の家族までもが認めないのでは申し訳ない、可哀想だとも思っていたのだ。

 12年勤めたレストランチェーンのD社を退職して大阪に帰ってきたとき、私は飲食店を開く夢を抱いていた。そして、親父と共に梅田やナンバの不動産屋で、店舗を調べたことがあった。しかし、時代はまだバブル経済の最中だった。私が準備できる資金、父が準備できる資金(兄が商売をしている喫茶店)ではまったく手が届かなかったのだ。もし失敗したら3家族が路頭に迷うことになる。親父も同じ判断だった。その後、中学時代の親友から会社役員待遇でレストラン部門を担当して欲しいという話が舞い込んだ。この話も何度か日記で書いたが、その会社の社長面談で何度も席を立って電話する彼を信頼できなくなったのだ。しかも聞こえてくる話が株の話だった。私は役員や夢であるレストラン経営を断念するに至った。

 私は何度も自分の過去を振り返れと語ってきた。その過去から自分を知ることができると。そんなえらそうなことを云いながら、私自身、自分の本性に気づいていなかった。私はロマンティストではなくリアリストだったのだ。

最初の言葉をもう一度読み直して欲しい。
『人の心はわからない、でも本性は行動に出る』
この意味はきっと理解して貰えたと思う。

               

(おまけ)
風呂から出てきた連れ添いがバスタオル一枚でニコニコしながらやってきた。

「あなた、一目惚れはしないと云っていたでしょ。これ、極めつきかも!」