GOODLUCK'S WORLD

<共感>を大切に、一人の男のスタンスをニュース・映画・本・音楽を通して綴っていきたい

「苦渋の選択」(映画「2012」を見て)

2009年11月29日 | Weblog
 映画「2012」を観賞後、こんなことをつらつらと考えてしまいました。世界の終焉など考えたこともありませんが、もし映画「2012」のような事態が本当に発生したら、マヤ暦による2012年終末説が事実だったら、人々はどのような行動にでるのでしょうか? 大地震や活火山の大噴火、大洪水、そして大陸が海に沈み、まるで聖書の天地創造のような事態になったとき、力ある国はどのように対処して、国家を国民を守ろうとするのでしょうか? 

 映画では、2009年にインドの科学者が終焉の事実を見つけだし、2012年までの3年間に巨大なノアの方舟を建造し、限られた人たちを乗り込ませようとします。非現実的な計画のように思えますが、映画でのアメリカ大統領のセリフが胸を突きます。

「優秀な科学者一人は、年老いた政治家10名以上に匹敵する」

 68億もの人々を乗せられる船など造れるはずもなく、巨大な方舟を作るために金を出した者達が優先的に乗船でき、次に科学者や医者、実務者が優先されて行く展開です。一般の人たちにはこの事実はまったく伝えられません。方舟建造計画も、世界終焉の事実も大パニックが起こるために伏せられたまま3年が過ぎ、2012年の大災害が勃発して、どうにもならない状況になって初めてアメリカ大統領はTVで世界の終焉を伝えます。酷い話ですが、これが現実かもしれないと思わせる説得力があります。

 人民の人民による人民のための政治 (government of the people, by the people, for the people )とはいったいどう政治なのでしょうか。アメリカを守るためにオバマ氏は自動車業界のビッグスリーに巨大な税金をつぎ込みました。かつて日本も、大手銀行を守るために税金を投入しました。オバマ氏も小泉さんも苦渋の決断だったに違いありません。決して国民の総意ではありませんが、実行せざるを得ない政策だったはずです。しかしこのようにそれらの冷静に政策を受け止められるのも自らに大きな影響がなかったせいかもしれません。映画のように方舟に乗れないという政府の人選を知っても、冷静に受け止められるでしょうか。小泉元首相の政策が銀行の貸し渋りを招き、困窮する中小企業や自営業の方々の苦情が相次ぎました。

 阪神大震災の時、私が勤める電鉄会社に600億円もの融資が政府からありました。電鉄という公営的事業のおかげです。ダイエーもまた、巨大な負債があったおかげで国が救いの手を差し伸べたのです。不公平と云えば不公平そのものですが、国家の判断とはこのようなものと知らなければなりません。政治家の苦渋もまたここにあります。親の経済状態を知った子供が最高学府への進学を自らの意志で断念し、それを親も又黙認せざるを得ない状況と似ています。

「苦渋の選択」という場面に遭遇しない人生などないに違いありません。
そのとき、たとえその選択が苦渋であっても、その苦渋をしっかりと乗り越え、
後々までも正しい選択だったと云える人生を送らねばなりません。
そうすることが、切り捨ててきたものへの責任となるからです。

たった20年の人生であってもそれまでに数多くの選択があったでしょう。
あの時、どうしてあの学校を選んだのか。
あの時、どうして右ではなく左の道を選んだのか。
あの時、どうしてあの人を選んだのか…。
振り返ると、ある選択がその後の自分の人生に大きな影響を与えたと思えることがあります。
映画「オール・ザ・キングスメン」にこんなセリフがありました。

「人生を決める瞬間は数回しかない。もしかしたらただ一度かも…」

今までの選択に、今も自信を持って「正解だ!」とあなたは心から叫べますか?
もし自分を変えたいと思っているならば、同じ選択をしてはいけません。

「心の奥底でどう思うか、それが人生を決める」この言葉は正しいと私は感じています。

オバマ氏や鳩山首相の苦渋の選択が、
今後のために必要だったと歴史が認めるためには、
まだまだ時間を要しますが、これからのプロセスがとても大切です。

一人の日本国民として、選挙を通してその是非を訴えたいと思います。
また自らの人生の選択においても、
責任を持って「正解だった」と言えるよう努力したいと思っています。