GOODLUCK'S WORLD

<共感>を大切に、一人の男のスタンスをニュース・映画・本・音楽を通して綴っていきたい

「草剛くんに同情しつつ…」(中)

2009年04月27日 | Weblog
 さて、足りないものが明確になる方法は、人と共に何かに夢中になってやり遂げようとするのです。そして、様々な人による抵抗を受け止め、排除し、遠回りするなかで、初めて多くの足りないものに気づきます。それは周囲と自分との比較の中で学ぶのです。

「何が自分に足りないのか」を。この作業が青春時代に必要な気がします。

それまでの人生が天動説的人生と云えます。
今から500年くらい前までの宇宙観は、「地球は宇宙の中心にあって、
太陽や月や星がこの地球の周りを回っている」でした。
これがプトレマイオスの『天動説』です。
2世紀ころから1500年もの長きに渡って天動説が信じられていたのです。
だから幼い頃は、誰もが世界は自分を中心に回っていると感じて当然なことなのです。

1500年始めにコペルニコスは「地動説」を発表しましたが、誰もが信じませんでした。
それは「人生は無常」と云われても、若い人に実感できるわけがないのと似ています。

大航海時代以前、航海は沿岸航海であり地の見える場所しか運航できず、
何も目印のない大海原では、行き先が分からず航海もできなかったのです。
このことは、幼い頃の狭い行動範囲やその頃の心情と似ています。(怖いのです)

しかし、羅針盤(磁石)の登場が船の運航を可能にし、
磁石と正確な星図があれば遠洋に出ても、自分の居場所が正確に把握できるようになりました。

これはいずれ親元から離れ、自立して生計を立て、結婚して家族を持って生きていく人生(=地図)がおぼろげながら見えてくるのと似ています。(怖くなくなってきたのです)

この直前こそ、皆様が良く知っている青春時代です。
天動説が地動説に変わる瞬間と云えるでしょう。その後、歴史は大航海時代を迎え、まさに大冒険時代に突入するのです。その地球歴と人間歴と比較すると最後の青春時代(結婚するまで)に匹敵するかもしれません。人生地図で云えば、就職活動を経て社会の一員になっていく時期に似ています。

 スペインやポルトガルやイギリスが地球上を巡り、未開発の土地で黄金や宝石を探し、自国にない資源を求め、多くの未開発国で残虐非道な酷いこと続けて支配していきました。この事は、幼い子供が小動物を虐めたり昆虫を簡単に殺すのと似ています。しかし、彼らは皆大人でした。未開の土着民達を同格の人間として見ることができなかったのです。現在のような平等思想や人権という言葉はまだ生まれていなかったのです。一言で云えば時代そのものに文化や教養が足りないかったのです。

 1492年コロンブスがアメリカ大陸を発見したときは、まだ地動説は発表されるまえで、地球が球体であることもすべての人は認めてはいなかったのです。大海原の先には大きな滝があると思っている船乗りもいて長い航海中に暴動もあったようです。しかしようやく陸地を見たのです。しかし、最初は知識があるインドの西側と思ったのです。

 過去の歴史は人の人生と相似しています。それは母の体内で魚から両生類、そしてほ乳類へと進化する人間の成長とも似ています。だから人間の歴史を学べば、どの方向に歩もうとしているのか分かるはずです。さすれば、未来までが見えてくると思っています。
このことを違うスタンスで見れば、人間の歴史を知らないということは、地図もなく大海原に船出しようとしているようなものなのです。(続く)