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枇杷の葉なし

枇杷の生育や、葉・花芽・種のことを日々の生活のなかで書いていく。

水無月・中伏、暑中お見舞いの時期

2023年07月21日 | Weblog
 今朝もというか連日Am5時起きで、涼しい内に家事遂行。昨日は気温も低くて、24℃なのが寒く感じた。エアコンの設定温度が29℃だから、網戸で充分過ごせるの。風も良く抜けて通り、快適そのもので有難いことである。水分は1000㏄には届かないが脱水には至らず、体調異変に気づき梅干しを舐めて回復す。

 日頃から、夏の時期にも温かい物を口にしている。旧暦での換算であるのは、季節の変化がみて摂れるのも援けられる。夏野菜も青空市で安価に購入でき、旬の物を求められるのが有難い。サラダも材料の変化がうれしく、じゃが芋に玉葱と胡瓜やとまとと豊富だ。彩も、赤や緑と鮮やかに皿に盛りつけ戴くよ。

 何気ないけれども、平穏な日々に感謝して過ごせる有難さだ。身体の不調も、それとなく判ることが多く備えを怠らずを心掛ける。危険が危ないことには、暦を活用し最小限へと留める工夫を行う。予め、こうなった場合はと想定しておく。常に非常事態は起きるものとして、そうなった場合への行動も含むの。

 枇杷葉を活用しての施行に、症状への対処や対応にも自らしてでないと云えない。それに加えて個人差も様々なので、断言には至らぬことも生じる。こちらからの波動が通じてでないと届くことは、決して有り得ません。邪心や妬み、嫉みも同じに思えます。自分に無い物は、必要ではないから与えて貰えない。

 ここ数日間に、宇宙からの声で訓えてもらえました。そのことを気づかせるために、遣わされた他人だとわかりました。励ましの言葉や労りさえも、静かに聴いての方から愛を感じた得た時感謝の想いに溢れました。やさしさって何でしょう?色んな想いを溶け込まして、その人に相応しい彩に染められること。
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龍の庭・13

2023年07月20日 | Weblog
 ユノーは、娘が想い続けている面影に気づきました。遠い記憶の中に閉じ込めていて、思い出すこともしない姿をです。娘に慕われ約束していたのを他の者に、心変わりして。娘との約束には、幾度生まれ変わっても誓いは守られると。ユノーはそのことでも、天帝から過ちを説かれていたのに封じ込んでいたのだ。

 娘は、ユノーの想いには気づきません。時空を超える度に、捜している者に遇えないのは至らなさと励んでいます。訓えには忠実で、疑うことなど微塵もなくユノーを信じ切っています。それに龍の姿なのはどこから見ても変わらず、『娘よ、我が怖く無いのか』「あなたを恐がるなら、修行ができませぬ」微笑む。

 ユノーは、時が来て赦されたなら打ち明けようと決めました。来る日のすべてが学びなのも、娘の心には薬草への気持で満たされていくのでした。娘の身体中に魔力が宿り、呪文を唱えると共に薬草の効力が増し異世界も行き来ができるようになりました。ユノーに訓えることは見つからず、娘は庭を出て独立です。

 その日は、娘への祝福に天帝も魔法使いもやって来ました。龍の庭が華やぎ、娘は天帝から贈られた衣装に身を包んで微笑んでいます。その衣装は、紫や青の彩が重なり合い光の加減で濃くなったり薄くと波打ちます。ユノーは驚きのあまりその場を動くことができず、龍の姿だった体が音立てて壊れていきました。

 ユノーの姿を見た娘は、瞬きも忘れて瞳を瞠っています。ユノーは、真の姿となり深い想いに捉われました。赦されたことで後戻りはできそうにありませんが、言葉が何も出てこない。娘はユノーを見つめ「あなたなの、ユノー」と呟きました。いつしか天帝と魔法使いの姿は見えず、二人は手に触れ想いを渉せた。
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龍の庭・12

2023年07月19日 | Weblog
 娘は、ユノーについて薬草の煎じ方や処方を学びました。煎じた液を冷まそうとして、うっかり火傷をした時は青い葉を当てていれば傷が癒える。小さな擂木と鉢で生葉を砕き貼るのも、覚えました。痒みや腫れには、ユノーが浸しておくことでエキスができます。娘は、ユノーのやり方を丁寧に繰り返し学びます。

 幾年が流れたでしょうか、龍の庭は永遠の時間が保たれていますので娘の姿は変わりません。けれども下界では、何十年も或いは百年の月日が廻っていました。ユノーは娘を地上に下ろそうとして、一人の若者の許にやりました。娘は若者と仲睦まじく暮らしていましたが、薬草のことばかりで距離が生じたのです。

 若者は或る日、買い物に行くと出かけて帰ってきませんでした。町で見つけた美しい女人に、一目で虜になったのです。娘の心は、粉々に砕け散りました。茫然と佇む娘を視て、ユノーは雷を下そうとして思い留まりました。ユノーを見上げる娘は静かに首を振り、清んだ瞳で「あの人を傷つけないで」見つめます。

 ユノーには直ぐと判りました、娘が若者をどんなに大切に想っているかが。泣くことさえ忘れ、若者のことを愛せるのか?嫉妬もしないで。ユノーは娘を掌に包み込み『時の必要なだけを与えてやろう』娘は頷くと、ユノーの掌に丸く身体を埋めます。哀しみや裏切りを覚え、幾年の時を超えて廻り遇うが佳かろう。

 娘は新しい命になって、地上へと降りて行きました。ある時には短く、とある時代には長寿を授かりながら刻の狭間を行き来するのです。娘の心の底には、誰にも気づかれることなく若者が棲んでいました。ユノーはその想いに触れてから、消し去るには忍びないと留め置いたのです。娘さえ忘れる時が経とうとも。
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水無月・朔・大潮

2023年07月18日 | Weblog
 今朝の起床、Am5時です。携帯の時間設定よりも早く、清々しさにPCを開き訪問に出かける。猫の記事が多くあり、写真を観ながら微笑み日常茶飯事に満喫する。今日から、旧暦での水無月となり梅雨明けと晴れた空を見あげる。暑くなりそう?昨夜は、エアコンの試運転で止めているのに寒い程効いている・29℃。

 体調維持のためにもと、洗面所と台所を網戸にして深呼吸。洗濯機は早朝からは回せないので、枇杷葉茶と塩を先に換えておく。珈琲の豆を挽き用意し、7時を過ぎ掃除も済ませ出かける為に持参品点検。生協のCコレ委員会があり、長距離を移動するので忘れては難儀となる。この時期、梅干しとご飯・糠漬け最高。

 企画計画もあり、時間が長引いて終了は12:40過ぎに眩暈がしそう。帰宅したら午後1時を回っていて、あり合わせの物となる。着替えもそこそこに、珈琲を淹れてPCの前に座る・疲労困憊。出不精ですが痩せていて、我慢はしておらずとエアコン点けてます。作動予定は、水無月からなので計画通りとなっているよ。

 夕方の西天には、惑星と恒星が並んでの賑やかさだ。肉眼で眺めるのは無理があるかもだが、金星・火星・水星に月の輝き。金星の光度が素晴らしくて人目を惹く、宵の明星から直に明けの天へと移動予定。宇宙への醍醐味は、誰も妨げず均等に観られることに尽きる。興味の対象も、虫や花と違っていて構わないこと。

 本が好きであると、視野が狭く思われそうだが心を潤して憩いをもたらせる。仕事を辞めて、書籍を買うことは少なくなったが田舎の図書館は予約が可能。他人を充てにせずであれば、身近な場所なのも有難い。明後日からは、夏時間となり30分早く開くようだ。ド田舎でもあり、テレビを観ない分愉しめるのも好いね。
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動物会議

2023年07月17日 | Weblog
 先月号のモエに、ヨシタケシンスケさんのポケットサイズ物語が付いていた。動物会議・ケストナー、読んだ記憶が怪しく図書館に予約を入れた。町内に2ヶ所、図書館があり片方への依頼となる。問い合わせての内容は、絵本ではないようで幾つかの物語形式とある。出版社は、岩波書店で根強い人気持続か。

 今朝は5時起き、ご飯のスイッチを入れて茗荷寿しをこさえた。前日にメールをしてのこと、茗荷は酢に漬けてあり慌てなくて済む。夏の暑さに砂糖は控えて薄味とし、青紫蘇を刻んで乗せる。配達を終えて帰宅、ご飯にお酢が効いて香りも好かった。食欲不振は何処へやら、青空市に出回っていて買い求める。

 枇杷葉を植えているのは、医者に罹りたくないからで他人ではなく自分のこと。年金だけでの遣り繰りだと、2割負担と云えどもきつい事態が起きる。そのことで悩んだり、先行きの見えないもどかしさに辟易していた。声が聴こえる、というのは何かの切っ掛けであるのだと思う。心が不安定だと気づかない。

 十数年の月日が経ち、視えて来たこともあれば未だ解明できないこともある。自らに課しているのは、妬まず・望まずでありたい想いだけだ。他人の持っている物で、わたくしにはないのだと考えれば気持ちは落ち着く。必要であれば与えて貰えるから、努力を怠らずにいよう。相手を思うのも、加減が難しい。

 昨夜の夢に、知らない人が出て来ての激しい叱責を浴びた。物事への考えや対応の仕方も、多数あるのだと気づき怯んでしまう。こちらが知らなかったことを教えてなのも、素直に聴けば諍いは起きない。自らの暮らしに於いてだと、極当たり前と思い慣れてしまうのだろうな。青空市往復、緑の深さに気づく。
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皐月・大潮・藪入り

2023年07月16日 | Weblog
 今朝は、Am4時に起きた。何故?すばるが吐いたからで、片付けねば。昨夜は、シンデレラタイムで就寝している。洗濯と掃除を終えたら、眠気が襲ってきて転寝。気温は上昇中だが、網戸での風が心地よいのも有難い。小1時間過ぎ覚醒して、最終的な机の配置替えを行う。掃除機は使用せず、手作業でします。

 暑いですか?夏ですから、季節を愉しめる工夫をして汗は出るけど気分佳し。これも冬場に対策を講じてのことで、医者に罹らず薬一切吞まないから体調維持に保てる。寒中に採った枇杷葉でのエキスを用いての施行も、あらゆる症状への効き目に感謝。宇宙からの声が聴こえるのも、その気でないと通じないね。

 ある方には、備えていて用心をと知らせていた。何時のことか?日時もはっきりしないことを、怪訝に思えばそれまで。然し、この方は枇杷葉を信じていてくれた。自然への畏怖と、枇杷葉の繋がりを大切に広めてくれたのもうれしい。一朝一夕に効き目が表れることも、その反対もあるのを精進してくれたの。

 枇杷葉には、様々な恩恵が隠されているものの知ろうとせずやできないと拒絶する。或いは、聞いた風になり自己判断で遣る。何度も水は命の素と耳タコなのを続ける優先させ、煎じるんです・温かい状態で飲む。これを何でもかんでも冷たくし、身体を壊す。冷暖房の利いた部屋では、正に毒となり転じるよ。

 体内を流れる血管を、年齢と共に摂取状態で細くしてしまう。それを枇杷葉茶は、壁の汚れを落とし管の破れを繕っていくのに。夏場に冷やしてはならない箇所は、肩・首・腰であるが人工的な備品でせっせと冷やし挙句体調不良で医者に駆け込む。医療費を何万円も払える優越感からか、自慢げに更新してる。

 極親しい方には、それとなく忠告しているのに聞かぬ。そりゃ、動けなくもなります。社交辞令で幾ら、感謝していますと言われても〇に念仏である。ここ数日のことに、369は現われ連番や高次元への数字が止まない。新暦の盆は過ぎたが旧暦ではこれから、身の回りへの配慮を怠りなく機械に翻弄されず。
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龍の庭・11

2023年07月15日 | Weblog
 龍はユノーです。魔法使いに封印されていた力が戻り、娘に由って解き放たれたのです。ユノーは龍の姿を恐がることもなく、心を亘らせる娘に力を授け導こうと想いを深めます。遠い昔には幼い男児一人、この姿を畏れず訊ね来た懐かしさが想われました。琉球国で暴れて、小さな虫に難渋した時は鶏に援けられたな。

 ユノーは龍の中でも、人間が困る様子が面白くて暇を玩んでいました。それが天帝の知るところとなり、地上に追放寸前を観音菩薩と弥勒菩薩の嘆願で魔法使いの弟子にさせられたのです。『何事も修行也』ユノーは萎れて暫くいましたが、誰も咎めず諭されることもなく見守ってくれたのはありがたい想いに尽きます。

 自らを律し、顧みることを怠らず庭の仕事に励みました。娘が生まれた時、育っていく過程も知っていましたが修行中の身では傍へ近づけません。その娘には、不思議な力がありました。祖母だけが気づいていて、力の均整を保てていました。ところが祖母が亡くなると、その力は暴走して小さな世界をも破壊し始めた。

 娘の棲む世界さえ壊れてしまうと、魔法使いは呪縛を解きユノーを遣わせたのです。娘は、走馬灯に魅せられながら、そこに写し出される景色は見覚えのあることばかりでした。娘の過去が未来へと、躊躇なく展開されていきます。「あたし、生まれてきてはいけなかったの?」『なぜ、そう思うのか』「あの人が…」

 娘の顔には、絶望と深い哀しみとが見えました。『知ってしまったんだね、時間を止めることもできないし事実を変えられもしないよ』「あの人を忘れないように」ユノーはしたくありませんでしたが、娘を守るために呪文をかけてやりました。心に留め置き、制御するのが精一杯でした。娘は、頷いて膝を突きました。
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龍の庭・10

2023年07月14日 | Weblog
 ユノーは娘が眠りについた時、呪文をかけ「目覚めよ、我の許へと出でよ」ここまでの道案内には祖母を充てました。娘の夢の中に入り込むと、祖母は古里の景色を懐かしみながら歩きます。娘の好きな祖母ですから疑うまでもなく、田畑の畔を続きます。娘の祖母は、この世の者ではなくユノーの魔力です。

 祖母が道々語ることは、薬草のことばかりでしたから娘は夢とも思いません。小さい頃に、祖母の後を付いて周った記憶が鮮やかに甦ります。娘が近づいて来ますが、未だユノーの姿は視えていません。祖母が「ごらん、あれがその樹だよ」と太い幹の緑の葉に覆われて繁る樹を指指し「薬樹の枇杷葉」告げた。

 娘は、その樹の傍らに立ちゆっくりと見上げます。祖母は、井戸水を汲み上げて流れる清水に手を浸し祈ります。香しい匂いがして、樹に花が咲いたことを告げました。娘は、驚いて瞳を瞠りました。「枇杷葉の花が一斉に咲く、なんと不思議なこともあるもの」祖母は我が孫ながら、感無量と役目の重き信に。

 孫でありながら龍の意思であることに、今更ながら惧れを抱きます。祖母は、知識の凡てをこと細やかに話すのでした。娘は、一言も聴き逃すまいと言葉を身体に沁み亘らせるのでした。祖母は話し終え「これを用いての治療に、専念致すのですよ」「お訓え、確かに心得ました」祖母の姿は、忽然と消え然る。

 娘は、井戸の傍らに蹲る石が動いたことにはっとしました。石?置物が動くのだろうか、固唾をのんだ強い気迫が押し寄せます。娘の眼前に白龍が現れて『よく来た、選ばれし者よ』その声は娘の心へと直接語り掛け、やさしい眼差しで見つめます。娘を白龍の髭が抱き上げると、天空を悠と翔けていきました。
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龍の庭・9

2023年07月13日 | Weblog
 ユノーは庭の真ん中に立って、サンドラのことを想いました。あの時のサンドラは、誰かがいたのでもなく影に隠れていた荒ぶる気持ちが噴出した姿なのだろうとも。信じていた者の裏切りに、歯車が違えてしまい魔法使いの慈しみを思えずで。美しさは人を惑わすものの、揺れない者もいることに気づいてと祈る。

 誰しもが見た目、見かけの表だけに捉われるが真実の姿は心に魅せるもの。やさしさは哀しみを多く知った者の健気さに通じ、涙が枯れるかと思える者は真の強さが備わりゆく。サンドラ、元の心を取り戻すには時間も多くかかるだろう。急がないでたくさん泣けばいい、顔を上げた向こうには陽射しが光も見える。

 ユノーの庭に植わってある物には、其々の異なる魂がある。自惚れもあれば清々しいのもで、一概に決めつけることができないのも確かです。花を育てることには己を育むことも、同時にしていくのかもしれません。植物だけが魂を持つのではなく、風神・雨神や雷神に水神の果たす役割も外せませんでしょうから。

 龍の庭には、そういったあらゆる神々の真意が渉っています。ところが、地上に降りれば条件が揃っていなく施主の不安定で勝手な気持ちが出ることも。花も木も生きているのを、魂があることに気づかないまま邪魔にして伐り倒す。その日まで守ってきた魂が砕け散り、命を絶たれてしまうのにも想いをかけない。

 ユノーは思念を飛ばし、大切に思うなら守ってくれるであろうとも。怪我や病に罹っても、可能な限り最小限であることへと祈るのです。あの娘を起こさなければ、秘密な場所へと誘い使命を告げて亘す日が近づいている。ユノーはその時に、畏れることなく受け入れての娘を何に於いても守ろうと決めているのだ。
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龍の庭・8

2023年07月12日 | Weblog
 その日のユノーは朝から一つの想いが占めて、花木の見回りも疎かになりがちでした。ユノーが一周り終えた時です、魔法使いの処にいるサンドラが庭を訪れました。丁寧に礼をすると弟子の代わりに薬草を受け取りに来たと言うのです。ユノーには姿こそサンドラですが、誰かが隠れているとしか思えません。

 あれから僅かな日が経っているだけで、そんなに早く心が癒えるとも考えられません。ユノーは疑いの心など微塵も見せずに、サンドラの言う薬草を頷いて用意してやりました。『ありがとう、これで心おきなく地上に行けるわ』ユノーは、立ち去るサンドラの腰に魔法をかけました。地の果てに落ちぬように。

 サンドラの姿でしたが、地上に降りると麗人に代わりました。顔は澄んだ瞳と薄紅の頬、唇は愛らしい形です。誰もが振り向き、一目見れば虜になる者が続きました。サンドラの後ろには数珠で繋がれた人の渦が、できていたのです。サンドラは、運ばれてくる貢ぎ物をぞんざいに扱い召使に罵声を浴びせます。

 サンドラの気に入らねば薬草を使って消し、挙句に平気で喰いつきます。誰も止める者はいませんから、遣りたい放題です。そんなある日、サンドラは回りに誰も居ないことに漸く気づきました。住まいの中はひっそりとして、鼠一匹も見えませんが空腹でした。『誰ぞ、膳を持て』密かな足音が近づきます。

 醜い顔の男ですが、サンドラを怖がることもなく膝まづきます。サンドラの美しさにも迷わずなのが、妙に癪に障ります。『ご主人さま、お屋敷には我だけしかおりません』『そうなのか?食事の用意を致せ、直ぐにな』『かしこまりました』男は、音もなく出ていき戻ってきました。掌には赤い肝が見えます。

 サンドラは、男の掌から鷲掴みにして口に入れます。途端に、椅子から転げ落ち大理石の床でのたうちます。顔は夜叉に口は裂け、身体は生気が抜けてよぼよぼに変わりました。哀れなる者よ、己のしたことを悔い改めると誓えるか。それはユノーが付けた、会心の柘榴である今後は女人守りとなり善行に励め。
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