夜半の静けさに耳を傾けていると、鋭い声が突き刺さる。鹿だ。牡鹿の鳴き声が夜の帳を破る。ここ十年来の間に、野生の鹿を仕留める、猟師が絶えたせいもある。家の周りでちょくちょく見かける。道路で撥ねられていたことも多い。
鹿は夜行性であるので、昼間は出て来ないように思っていたら、走行中の車の前に、1匹の小鹿が突然飛び出してきた。見事な跳躍で軽々と跳び越え、山の方へと翔け去った。あっという間の出来事だった。急ブレーキをかけ、冷や汗ものだったというに。
猪も、うりぼうがかなり大きくなっている時期で、十数年前に偶然遭遇した。なんと道路を悠々と横断していた。親は、人間の車が近づく気配に姿を見せない。うりぼうはその親の元に行こうとしていた。しんがりのうりぼう、車に向かってタンカを切ったのだ。
思わず苦笑いをしてしまった。車を停めて横断を待ってやっているというに。でも、ライトが眩しかったのかもしれぬ。うりぼうも負けん気の強いのがいるのだ。後で聴いたことだが、人間が触ると育児放棄をするらしい。自然の掟だそうだ。
狐も狸も、とにかく餌がない。人間の出す残飯に群がってきた昔には、それなりの生活があったのに。今は、ゴミはきちんと焼却場に出すからだ。確かに、綺麗には違いないが、結果的には人間が襲われたりする。
羆が民家に出て射殺したら、胃の中が空っぽだった。と言う。無論山の恵みが乏しいこともあろうが、時期的に冬眠の準備をしなければならない熊にとっては、受難の秋だ。元々、人間との共生はあり得ないことなのかもしれない。
最近、疲れているなぁ・・・と、思う。宮部みゆき氏の『おまえさん』を借りた。『チョウはなぜ飛ぶか』も、興味深く面白い。3・11の地震と津波による、福島第一原発のことが書かれている『原発のウソ』この人の書いていることは信用できる。
夏、プランターに生ったトマト。すんごく甘くて、瑞々しい味だった。来年も作るぞ。