悠山人の新古今

日本初→新古今集選、紫式部集全、和泉式部集全、各現代詠完了!
新領域→短歌写真&俳句写真!
日本初→源氏歌集全完了!

image011 珊瑚礁回遊

2006-01-12 05:30:00 | images

title : coral sea-Okinawa
yyyy/mm : 2000/06
note : what are these zebra fish? このシマシマ魚は?

★pereonal memo : 深夜便。今朝の最後は「新雪」。HKだというので期待して待つと、初句で思わず絶句! 記憶の中の彼とは余りにも違う。そういえば、スクラッチ・ノイズもない。なあんだ、リメイク版か。生気を失った彼の歌声、それを電波で聞く無残・・・と思ったが、粗忽な自分を顧みて、不安にもなる。
 それにしても 1947 年とは! 軍部もまだまだ戦局を楽観していたのか。
 ・・・den 12. Januar,  2006. 朝。


141 亡くなった父の

2006-01-11 04:00:00 | 新古今集

 時の村上天皇から、壬生忠岑の秀歌を出せと命じられ、その末尾に自作を添えた、ということらしい。(詞書) ここへ号泣する自分を見せる、そこまで父を愛する子の心情に、時代を越えた羨望さえ感じる。
 ひらかなy141:なくなった ちちのえいかを さがすうち
          すがたがみえて ないてしまった
 ひらかなs1427:ことのはの なかをなくなく たづぬれば
          むかしのひとに あひみつるかな
【略注】○言の葉=この場合は題詞から、父の秀歌、遺詠。
    ○泣く泣く=重畳させているので、「ぼろぼろと涙を流して泣く」。
    ○壬生忠見=忠岑(ただみね)の子。12題20番という歌合せの基準
    になった最初が、「天徳(四年内裏)歌合」(960年弥生)。忠見は天徳
    歌合せ事件の悲劇の当事者として、後の世に記憶される。自信をもって
    清涼殿に望んだが、意外にも兼盛に負けた。これを奇禍として悶死した
    とか。文字通り和歌に命を懸けたわけだ。(補説)
【補説】天徳歌合対決。この読者すべてが、先刻承知のあの歌。
    百人一首040 忍ぶれど色に出でにけりわが恋は
             ものや思ふと人の問ふまで  壬生忠見
    百人一首041 恋すてふわが名はまだき立ちにけり
             人知れずこそ思ひそめしか  平兼盛
★personal memo:電源入れたら Berl. の Sym. Fantastique。同時に HvK の顔。あれ、ずいぶん若そう。と思いながら、最近聴いていなかったので、つい映像を見る。BSとはいっても、さすがに音質は隠せない。HvK って人、いったん始めたら、最後まで盲目の人。わが OS とは完全に正反対。(O.は最後まで楽員から目を離さない) AVへのこだわりもいつもながらだ。カメラを据えてアップを多用する。この曲を鑑賞するだれもが緊張する、ギヨティーヌへの歩み。Tim.が四台、大きくパースの位置で緊張を高める。左下にフレームなしでFl.の指の前後が重ねられる。以前ほど、「その瞬間」に驚かなくなったのは、年かな? Walpurgis で小片になって・・・さきほど、穏やかに終わった。頭をみなかったら、楽団名などの ending title はなし。当然 Berlin Ph. のはず。Berl. の姓は何だったか、と思って今検索したら、Hector だった。曲名も -tasique ではなくて、-tastique (これも欧米人でも勘違いするところ)。こういうとき、検索エンジンに大感謝。
 ・・・den 11. Januar, 2006. 午後。


140 朝夕に白露

2006-01-10 11:40:00 | 新古今集

 庭の草花を見るたびに、あの方のことがつい思い出されて・・・。依拠本にはないが、当然白露に涙が暗喩されると見る。現代詠では軽くなっている。
 ひらかなy140:あさゆうに しらつゆだけは かわっても
          あるじのいない あきはかなしい
 ひらかなs1720:しらつゆは おきてかはれど ももしきの
          うつろふあきは ものぞかなしき
【略注】○ももしきのうつらふ=(百敷の移らふ) 百敷は皇居、宮中。「うつらふ」は
    代わる、変わる。合わせて、天皇が代わる(退位、死去で)。
    ○置きて=旧かなで「おく」は、置・奥・億・憶・臆・起、「をく」は屋・招など。
    「お」「を」の書き分けは、古人にとっても間違えやすかったひとつ。余談なが
    ら、そのかみ、言語学の一時限目が上代言語の、例の十三音であった。
    ○伊勢=悠 065(09月24日条)既出。この歌は、寵愛を受けた宇多天皇の
    退位(897年秋7月三日)から、間もなくの作。
☆暴戻圧主(boreas)退散。
☆先日のかるたクィーンに高校生が二連覇。昔の別冊太陽「百人一首」を見ると、かるた競技史に「愛国百人一首」が登場する。このごろ「愛国心」がしきりに大きい活字で目立つようになった。短歌人には関係ない(わ)よ、と思っている皆さん、有名な歌人たちがどれほど戦争讃歌(短歌で参加)していったのか、いつか来た道にならないように・・・自戒も込めて。(このブログの9月14日に資料あり)


image010 平山楼蘭幻想

2006-01-09 06:30:00 | images

title : Seidenstrasse-Fantasie
yyyy/mm : 2006/01
notes : based on HIRAYAMA Ikuo's. 平山郁夫監修イルミ+月齢5。コラージュ作品。
 平山さんは、再興第90回院展(2005)へ「楼蘭遺跡を行く」と題するシリーズのうち、「月」「日」の二枚組を出した。このシリーズで私は面白いことを発見した(つまり今まで無知だった)。駱駝の隊商が左へ向かうのが「日」、右行きが「月」と、ほぼ例外なしの、こだわりらしい。日はもちろん、月も真円。このイルミネーションの隊商は夜だと思っていたが、昼なのかも知れない。しかし私は同夜に撮影した三日月(実は五日月)を配して、月下の隊商としてみた。
 なお、image の日本語の題を、はじめ「シルクロード幻想」(Seiden~)としたが、平山さんに同名のシリーズがあるので、「平山楼蘭幻想」に変えた。


短歌写真2006-0108 難曲に

2006-01-08 05:00:00 | 短歌写真

 「ヴァルトシュタイン」(Waldstein)は、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ。最初から激しいパッセジで、技法的にも身体的にもなかなか難しい曲である。それをこの高三女性が弾いた(ただし第一楽章だけ)。
 撮影は2006年01月07日。
 ひらかな:なんきょくに かぞへし ヴァルトシュタインを
       しろきゆびにて をみなひきたり


短歌写真2006-0107 夏の日の

2006-01-07 02:10:00 | 短歌写真

 混んでいるとは言っても、本土の有名地とは比較にならない、静かさ。白い粉を敷いたような砂浜。すぐ近くではウィンド・サーフィンの若者たちのざわめき。少しカメラを振ると、貝殻を拾う女性ひとり(もしかしてあなた?)。何ともこころ休まる時間と空間である。
 撮影は同前。ZyklusOkinawa02。
 ひらかな:なつのひの ぶせなのはまの おもひでに
       きみはひたすら かひひろひをり
☆personal memo:K高音楽科の第十回卒業演奏会の感想。高校の卒演というもの、初鑑賞。(HPに BBS も email もないので、ここへ記す。)
 ①SMさん…Be.のP.S.21、Walds.。16分符(多分)の弾きこぼし、はじめのうち、数えていたが、多くなって来たから、止めた。でも挑戦する気持ちを買った。
 ②KSさん…独唱。かなり練習して来たはずなので、もう少し自信を持って歌ってほしい。独唱者すべてに言えるのだが、マイクへ囁いているような歌唱はいただけない。最後尾立ち見の私にも、聞えるように。(もちろん肉声公演。500席)
 ③SUさん(作曲、P)、IRくん(Fl)…Fl.は無難にこなした。あとは表情がほしいところ。作曲は、なかなかの出来栄えと見た。
 ④HMさん…P。Clementi を最初に入れたことで、雰囲気ががらっと盛り上がった。楽しそうに弾いていたね。Be. もまあまあだったと思う。
 ⑤OHさん…独唱。「千鳥」、易しそうだけれど、表現が難しい。「O mio」は、もう誰でも知っている曲なので、そういう意味で難しい。今回の高三女子、わりと小柄なこともあって、声がほとんど響かなかったのは残念。
 ⑥KJくん…独唱。「荒城」、悲しいくらい声量不足。平均よりもかなり耳がいい私にも、鑑賞に値するものではない。
 ここで退出。辛口も書いたが、独立まであと四年! 頑張りなさいよ♪
     den 7. Januar 2006, 21:00    danke zu ihnen
☆そういえば、間もなく27日、モーツァルトの生誕250周年。


139 引き潮に探した

2006-01-06 07:00:00 | 新古今集

 名声を恣(ほしいまま)にして、一世を風靡した才女も、声を掛けられる機会が、しだいに遠のいて行く。憐憫よりも共感。
 ひらかなy139:ひきしおに さがしたけれど もうだめね
          いきがいひとつ みあたらないの
 ひらかなs1714:しほのまに よものうらうら たづねれど
          いまはわがみの いふかひもなし
【略注】○いふかひもなし=(言う貝/甲斐もなし)言っても仕方がない。生き甲斐(という
    名の貝)も、すっかり無くなってしまっている。
【補説】無常。現代詠 055(09月10日条)必見。ここでは「岸」の「し」音を使っている。


短歌写真2006-0105 世紀末

2006-01-05 07:10:00 | 短歌写真

 にはかに はななぞの こひしくなりたれば ふりにしゑを さぐりいだせり。
 撮影は2000年06月、部瀬名。ZyklusOkinawa01。
 ひらかな:せいきまつ さみっとかいぢゃう ちかくにて
       しろきはまゆふ いとしくさけり

短歌写真0104 晴れるかと

2006-01-04 06:30:00 | 短歌写真

2006-0104-yts0104

短歌写真0104 晴れるかと

晴れるかと思へば曇りてスキーせし

身に降りかかる灰色の雪  悠山人

○この角度あたりから上がらない太陽。年に因んで、日に向かって吠える犬を、思わず連想した。
○一月三日(昨日)は、早朝から夜七時まで断続的に滑った。撮影は「シャトレーゼ スキーリゾート八ヶ岳」で。余談ながら、大レストランの片隅で食事しているとき、ふと斜め後を振り返ると、ネフェルティティ像が立っていた。一瞬幻覚かと思ったほどだった。生身の彼女はまじろぎも、みじろぎもしないで、ゲレンデを見つめていた・・・。

□短写0104  はれるかと おもへばくもりて すきーせし
       みにふりかかる はいいろのゆき
【写真】きのう、八ガ岳山麓のスキー場。


138 ここかしこ定職も

2006-01-03 05:40:00 | 新古今集

 本集では「題知らず」だが、家集で「くら人にかはりて」とあるというから、蔵人(宮内庁役人)の代理歌か。とすると、さらに想定歌となって、ややこしい。現代詠はすっきりさせてみた。
 ひらかなy138:ここかしこ ていしょくもなく ひがすぎる
          かぜのふくまま きのむくままに
 ひらかなs1703:さすらふる みはさだめたる かたもなし
          うきたるふねの なみにまかせて
【略注】○定めたる方=とくに決めた方向、仕事、将来。
    ○大江匡房(まさふさ)=集では前中納言(さきのちゅうなごん)の肩書き。成衡の子。
    「幼少より神童のほまれ高く、一世の碩学(せきがく)として盛名をはせ、異例の昇進
    をとげた。」(小学版) 14首。