悠山人の新古今

日本初→新古今集選、紫式部集全、和泉式部集全、各現代詠完了!
新領域→短歌写真&俳句写真!
日本初→源氏歌集全完了!

短歌写真104 征服の*

2006-01-22 06:20:00 | 短歌写真

2006-0122-yts104
征服の宴に散りし汝が民の
相見ゆるを祈るのみなり   悠山人

○短歌写真、詠む。
○朝の七時半というのに、ホテル前の彫刻の上に、こんな月が見られた。作者の名も作品の名も、分からなかった。
□短写104 せいふくの うたげにちりし ながたみの
        あひまみゆるを いのるのみなり
【写真】Hキャピタルで撮影。ZyklusKorea02。


短歌写真103 慟哭の

2006-01-21 00:05:00 | 短歌写真

2006-0121-yts103
慟哭の旗さまざまに犇きて
民族分かつ冬空に立つ   悠山人

○短歌写真、詠む。
○朝鮮半島の軍事境界線(国境にあらず)。鉄条網に沿って、無数の旗が並ぶ。ほとんどが手製だ。この時期には非常に珍しい無風快晴。しかも雪もなし。
□短写103 どうこくの はたさまざまに ひしめきて
        みんぞくわかつ ふゆぞらにたつ
【写真】撮影は19日。色調を僅かに整えた以外は、実写のまま。ZyklusKorea01。


短歌写真102 嘆けとて-西行

2006-01-20 00:00:00 | 短歌写真

2006-0120-yts102
嘆けとて月やはものを思はする
かこち顔なるわが涙かな   悠山人

○短歌写真、詠む。
○百人一首086 西行詠。       
□短写102 なげけとて つきやはものを おもはする
        かこちがほなる わがなみだかな
【写真】撮影は2006年01月15日、06:21。天空を遮るもの皆無。無風望月。自宅、430mm。


146 こんなにも気持ちを

2006-01-19 00:00:00 | 新古今集

 長い詞書があって、百首受付の源家長へあてて、せめて後鳥羽院の目に触れさせてほしい、と詠ったもの。
 ひらかなy146:こんなにも きもちをこめて よむうたを
          とりあげみせて ささげてほしい
 ひらかなs1775:かきながす ことのはをだに しずむなよ
          みこをかくても やまかはのみず
【略注】○かき流す言の葉=「(葉を)掻く」「(言葉=和歌)を書く」。以下、作品
    全体が縁語・類語・掛詞で満たされ、その見本のようなもの。
    ○藤原行能(ゆきよし)=伊経の子。詠み上手、能筆。歌を後鳥羽院
    (上皇)に上げたところ、まもなく北面(ほくめん)、つまり上皇の御所
    担当高官とされたという。入集この一首。

145 あれこれと考える

2006-01-18 04:00:00 | 新古今集

 行政の頂点にあると、連日あれこれの陳情がかしましくてたまらない。いっそみんなとぼけてしまったら、楽だろうなあ・・・。でも、それを言ったらおしまい。
 ひらかなy145:あれこれと かんがえるのは やめにして
          しらないままに すごそうかなあ
 ひらかなs1765:おしかへし ものをおもふは くるしきに
          しらずがほにて よをやすぎまし
【略注】○おし返し=繰り返し(て)。
    ○ものを思ふ=あれこれと思い巡らすこと。この場合、恋情にあらず。
    ○知らずがほ(顔)=知らんぷり。重畳をさけて「知らんぷりして」としない。
    ○藤原良経=悠 029(08月01日条) 既出。

144 空しくも過した

2006-01-17 07:00:00 | 新古今集

 「ヨリトモ、イイクニ」の頃、「一日百首」などを精力的に詠みあげたらしく、最高位僧として仏道修行を「述懐」した和歌のひとつ。自省自戒の歌が並ぶ。
 ひらかなy144:むなしくも すごしたひびを くやんでも
          いまさらおそい じんせいのくれ
 ひらかなs1753:いたづらに すぎにしことや なげかれん
          うけがたきみの ゆふぐれのそら
【略注】○受けがたき身の=「この世に生を受けることの容易でない人間としての
    わが身。」(小学版)
    ○慈円=悠 002(06月29日条)既出。
☆書き込みは、訪問・HPとも、数日遅れます。☆


短歌写真102 日中の

2006-01-16 06:20:00 | 短歌写真

 幼い頃大脳に刷り込まれた歌「イェライシャン」のルフラン。南の島で花木に出会う。李香蘭の数奇な物語については、若い世代には劇団四季などを通して、知られている。 歌は「♪風はそよそよと」(藤浦洸)版と「♪あはれ春風に」(佐伯孝夫)版がある。私の幼い記憶では前者かなと思う。
 写真は自写+借用のコラージュ。ZyklusOkinawa04。
 ひらかな:にっちゅうの はざまにゆれし いぇらいしゃん
       みなみのしまに われをまちしか
       (「いぇらいしゃん」 は 「やらいかう」 とも)

143 生きるのも難しい

2006-01-15 05:30:00 | 新古今集

 家集に「地獄絵を見て」とあると。それを知ったうえでこの歌に接すると、その凄みがいっそう感じられる。この辺に、西行の詠草がならぶ。じっくり読み込まないと、新古今集のこういう一面に気がつかないまま、通過してしまいそう。本歌の「浮き沈み」とは、地獄世界への往来のこと。
 ひらかなy143:いきるのも むずかしいのに じごくから
          あくごうかさねる さとがえりとは
 ひらかなs1749:うけがたき ひとのすがたに うかびいでて
          こりずやたれも またしづむべき
【略注】○受けがたき人の姿に=いったん地獄へ落とされたのに、人間界へ
    戻るなどとは、考えられないのに。
    ○西行=悠 006 (07月04日条)既出。


短歌写真2006-0114 沖縄の

2006-01-14 02:30:00 | 短歌写真

 沖縄の歴史は苦難に満ちている。そうして今なお日米安保の軛に苦しんでいる。
 沖縄の西の海は、日本の公式表記は歌のとおりだが、中国では国内では東海(トンハイ)、対外的には East China Sea。韓国では東中国海(トンチュングクヘ)、南海(ナムヘ)。以上は一般的な理解だが、日本で見る中国側の漢字表記は、ほぼ東中国海(もちろん簡体字で)だ。政治的には依然として未決着。
 歌は心ならずも
三句が字余り。短歌写真、百首百枚目に祝杯!
 写真は電網借用をコラージュ。短歌写真として ZyklusOkinawa03。
 ひらかな:おきなはの くなんのあゆみを しらぬごと
       ひがししなかいは けふもしづかなり


142 世の日日は嫌だ

2006-01-13 07:40:00 | 新古今集

 愚痴をこぼしながら世俗の日を送っている。それなら出家でもして、人生の真実を極めるか。どっち着かずの自分が歯がゆい、といったところか。題知らず、の一首。
 ひらかなy142:よのひびは いやだいやだと いいながら
          しゅっけもならず まこともみえない
 ひらかなs1741:うしといひて よをひたぶるに そむかねば
          ものおもひしらぬ みとやなりけん
【略注】○世をひたぶるに背かねば=「世をいちずに捨てて出家するということもない
    ので。」(小学版)
    ○清原元輔=悠083(10月15日条)既出。

★personal memo : 01月14日は映画『プライドと偏見』の有楽座ほかで一斉公開とか。
・・・以下、Jane Austen 論、原稿用紙約三枚分を、一瞬にして消滅させてしまった!・・・