今までは、新しい年を迎える時は、自分なりの決意を掲げてきたが、最近は特別なテーマは持ち合わせていない。
ただ、リタイアしてから心の中に重きをなしていることはある。数年前、知人の僧侶に頂いた一遍の詩が、最近の心境であり、それが日常生活のべースになっていることは確かである。ご参考までに記しておこう。癒しの詩人と言われた、坂村真民の詩だ。
時
日の昇るにも
手を合わさず
月の沈むにも
心ひかれず
あくせくとして
一世を終えし人の
いかに多きことぞ
道のべに花さけど見ず
梢に鳥鳴けど聞かず
せかせかとして
過ぎゆく人の
いかに多きことぞ
二度とないこの人生を
いかに生き
いかに死するか
耳かたむけることもなく
うかうかとして
老いたる人の
いかに多きことぞ
川の流れにも
風の音にも
告げ給う声のあることを
知ろうともせず
金に名誉に地位に
狂奔し終わる人の
いかに多きことぞ
生死(しょうじ)事大無常迅速
時人を待たず噫々(ああ)