「短唱―懶惰―」
一杯(ひとつき)の酒に乱れて眼を据えし
蓮根(はちす)の穴はここのつありし
吉行淳之介
<自信をもって詩のノートを示すと、渋川(驍)さんは興味なさそうにパラパラとめくった。立ち止ったのは一頁だけで、渋川さんはそこに書き記した短歌風の詩(短唱「懶惰」)を指し示し、「短いものは、こわいね。シロウトでも、まぐれでこんな具合に良いものが書けることがある」という意味のことを言われた。>
「詩とダダと私と」著者=吉行淳之介
確かに、渋川驍さんの仰る通りであって、下記の五行歌もまた、シロウトのくせに、まぐれで良いものが書けることがある、という好例なのではないでしょうか。
春の野に
放った犬
匍匐前進(ほふくぜんしん)しつつ
体ごと
緑を楽しむ
一杯(ひとつき)の酒に乱れて眼を据えし
蓮根(はちす)の穴はここのつありし
吉行淳之介
<自信をもって詩のノートを示すと、渋川(驍)さんは興味なさそうにパラパラとめくった。立ち止ったのは一頁だけで、渋川さんはそこに書き記した短歌風の詩(短唱「懶惰」)を指し示し、「短いものは、こわいね。シロウトでも、まぐれでこんな具合に良いものが書けることがある」という意味のことを言われた。>
「詩とダダと私と」著者=吉行淳之介
確かに、渋川驍さんの仰る通りであって、下記の五行歌もまた、シロウトのくせに、まぐれで良いものが書けることがある、という好例なのではないでしょうか。
春の野に
放った犬
匍匐前進(ほふくぜんしん)しつつ
体ごと
緑を楽しむ