■欧亜の狭間(第521話) 発表2004年8月
評価 ★★
依頼人 不明(アメリカ?)
ターゲット トルコ国家情報機構がマークしている危険思想者
報酬 不明
今回弾丸発射数 1/ 通算弾丸発射数 3,181
今回殺害人数 1/ 通算殺害人数 5,584
今回まぐわい回数 0/ 通算まぐわい回数 120
<ストーリー>
EU加盟を覗うトルコ。国内政治の不安定を理由にEU加盟を拒否されないよう、トルコ国家情報機構はテロの未然防止に注力していた・・・
<この一言>
科白なし
<解説>
EU加盟を覗うトルコは、政治的不安定を理由にEU加盟を拒否されないようテロ・内乱の未然防止に注力していた。トルコ国家情報機構(MIT)次官は、かつてクビにしたグルグック博士に、クルド人のテロを未然に防ぐよう協力を要請する。
グルグックはトルコの生命線は石油パイプラインであるため、クルド人がテロを仕掛けるとすれば、パイプラインかタンカーの連なるボスポラス海峡であると読み、次官とともにイスタンブールへ向かう。グルグックの読み通り、ボートに爆薬を乗せたテロリストを発見した次官はボートを狙撃、海峡でのテロを防ぐ。
しかし、グルグックは海峡での未遂テロは氷山の一角に過ぎず、クルド人を動かす黒幕がいると思料。MITの持つ危険思想者リストから、クルド人から尊敬を集める男が黒幕であると推定、次官と共に男の住むガジアンテプに向かう。男の住むアパートに乗り込んだ二人は、眉間を打ち抜かれた遺体を発見。殺しの手口からジアンテプへの道中にすれ違ったゴルゴの仕事と見た二人は、現場を後にする・・・
本作ではゴルゴが登場するのはたったの2コマ。ゴルゴのセリフは全くなく、男が殺されたのもゴルゴの仕業であろうという状況証拠のみである。ゴルゴ・シリーズにありながら、ゴルゴ関与の必然性が全くないストーリー。正直、評価の仕様がないというものである・・・
ちなみに本作は2004年8月発表で、2004年末までにトルコのEU加盟が判断されるとあるが、2011年1月現在、トルコはEUに加盟していない。作中にあるようにトルコの地政学的重要性は非常に高く、『100年予測』 (ジョージ・フリードマン著/早川書房)には、2050年にトルコと日本、ポーランドが力を蓄え、アメリカと対峙すると記されている・・・
ズキューン
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>本人は出さず右往左往振り回される標的や護衛陣を映したほうがリアリティが出ると思っています。
スパイ物や見えない殺人者をテーマにした映画のパターンですね。見えないことが恐怖をあおるという。このあたりを狙った作品なのでしょうが、うまく表現しきれていない気がしますね。映像化の際は、つねさんの提案を活かして欲しいです。
本人の出る出ないで話題になっていますが、私は実写版映画なら、本人は出さず右往左往振り回される標的や護衛陣を映したほうがリアリティが出ると思っています。
で・・・結局、見事に眉間を打ち抜かれる標的がラストシーン。
トルコには”トウゴウ”、”ノギ”の名前が多いらしいですね。明治時代にトルコの船が日本近海で難破したさい、日本人が救出活動を行ったのがきっかけのようです。
>本人を出さずとも、その威光のみでストーリーが成立する
なるほど~本人が登場せずとも、圧倒的な存在感が劇中にあるのですね。
>ファンとしては、残念
同感です。なんか、物足りない・・・
>これ、★一つじゃないですか?
やっぱり(笑)
作者に敬意を表し、余程のことがないと★一つはつけないようにしています。
>評価の仕様がない
時々ありますね。私見では、“本人を出さずとも、その威光のみでストーリーが成立する”と言いたいのだと思います。ファンとしては、残念なのですが…本日の一句「トルコには、トウゴウさんが、多いのよ~」