■”E”工作(第387話) 発表1995年8月
評価 ★★★★
依頼人 CIA対外情報活動室 フランク・シンプソン(タダシ・ヘンダーソン)
ターゲット 元外務大臣 剣持十郎
報酬 不明
今回弾丸発射数 1/ 通算弾丸発射数 2,088
今回殺害人数 1/ 通算殺害人数 4,241
今回まぐわい回数 0/ 通算まぐわい回数 102
<ストーリー>
第二次世界大戦末期、日本の諜報組織”E工作”が原爆製造計画を察知。しかし、その情報は握りつぶされた・・・
<この一言>
あとは俺の仕事だ・・・
<もう一言>
シンプソンの依頼を俺が受けた・・・それだけだ。あんたには関係のない事だ・・・
<解説>
第二次世界大戦中、日本はアメリカ国内に諜報組織”E工作”を張り巡らした。”E工作”のリーダー『ミゲル・オストス』は、日本人外交官を父に持つ『タダシ・ヘンダーソン』からもたらされたアメリカの原爆製造計画(マンハッタン計画)に驚愕する。アメリカは原爆製造に着手し、日本に原爆を使うことを決定しているというのだ。
この情報を日本大使館に伝えたミゲルとタダシであったが、日本政府はこれを黙殺。日本人外交官を父に持つタダシは日本に向かうが、FBIにより殺害されてしまう。盟友タダシを失ったミゲルは、終戦後、仲間の命を救うためCIAと取引を行い、一切諜報活動に従事せず、故郷のマヨルカ島から一歩も外に出ないとの条件を飲む。しかし、戦後50年経ち、そのミゲルがマヨルカ島から姿を消した。
タダシのもたらした情報を握りつぶした人物が生きていると知ったミゲルは、タダシの仇を討つために日本へと渡った。元外交官で外務大臣の経験のある『剣持十郎』に50年ぶりに再会したミゲルは、剣持の息子タダシが命を落としたのは剣持自身が情報を黙殺したためだと詰問とする。しかし、剣持から伝えられたのはタダシは生き延び、戦後はCIAに従事していたと伝えられる。タダシの変節に衝撃を受けるミゲルであるが、マンハッタン計画を握りつぶした剣持の殺害を試みるもかわされてしまう。しかし、直後にゴルゴの放った銃弾が剣持を貫く。タダシはフランク・シンプソンと名前を変えCIAに従事したが、ミゲルが剣持殺害に動いたら、ミゲルに代わり実父の剣持を殺害して欲しい、とゴルゴに依頼をしていたのである。この依頼はシンプソンの死後もCIAに引き継がれ、ミゲルが失踪した暁にはゴルゴにコンタクトを取るように支持がなされていたのである。
1995年8月、戦後50年を迎えて発表された作品。第二次世界大戦末期のアメリカ国内の諜報戦が50年の時を経て蘇る深い内容。剣持の鼻持ちならぬキャラクターと、一本気なミゲルが好対照をなしている。二人を結ぶタダシの生真面目な生き様が、時空を超えたゴルゴへの依頼に帰着するストーリー展開は見事と言うほかない。死者との契約を履行するゴルゴの律儀さも感動を呼び起こす。京都の大文字焼きをバックに繰り広げられるドラマは、ゴルゴなりの鎮魂なのかもしれない。
ズキューン
<iframe marginwidth="0" marginheight="0" src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=golgoblogocnn-22&o=9&p=8&l=as1&asins=4845801167&fc1=D50D0D&IS2=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=000000&f=ifr&npa=1" frameborder="0" scrolling="no" style="WIDTH: 120px; HEIGHT: 240px"> </iframe> <script type="text/javascript"> </script> <script type="text/javascript" src="http://pagead2.googlesyndication.com/pagead/show_ads.js"> </script> <script src="http://www.google-analytics.com/urchin.js" type="text/javascript"> </script> <script type="text/javascript"> _uacct = "UA-792331-1"; urchinTracker(); </script>
>一本気なミゲル
今回一番虚しいのはミゲルですね。敵を討ち損ねたばかりか、敵討ち自体が成り立たなくなってしまうなんて・・・この後、ミゲルはどの様な余生を送ったのか気掛かりです。
本日の一句「思想変え、死してなお持つ、友思い」
>ミゲルはどの様な余生を送ったのか
ミゲルのセリフ「時が経てば人は変わるものだ・・・」というのが哀しいですね。日本からどこに行ったのでしょうか?スペインに帰ったのか、それとも・・・
1995年のお正月を日本で過ごせなかったゴルゴ。その代わりに1982年『河豚の季節』以来久々に日本の旧盆の時期に長期滞在していますね。何故長期滞在していのが判るかというと、この時期にもう一つの仕事『50年目の亡霊』をこなしているからなんです。
「大文字の送り火」ゴルゴも先祖の供養をしたのでしょうか?
>久々に日本の旧盆の時期に長期滞在していますね
年末の頻繁な日本訪問といい、旧盆の滞在といい、ゴルゴは日本の習慣を重要視していますね。実は保守的な一面があるのかな~(笑)