■S・F・Z(スフォルツァンド)(第425話) 発表1998年6月
評価 ★★★★
依頼人 ズーコフの父
ターゲット ズーコフ
報酬 不明
今回弾丸発射数 1/ 通算弾丸発射数 2,329
今回殺害人数 1/ 通算殺害人数 4,619
今回まぐわい回数 0/ 通算まぐわい回数 108
<ストーリー>
ドイツの音響メーカーの保有するコンサートホールには、ヒトラーと大物指揮者フルトヴェングラーの接点が・・・
<この一言>
なぜだ・・・?
<解説>
ドイツの音響メーカー”クーゲル・ブリッツ社”の社長『ブラウワー』。ブラウワーの父は工場をクラシックホールに改造するほどのクラシック愛好家であった。大物指揮者『フルトヴェングラー』がこのホールでタクトを振ったこともあるという。ブラウワー自身も、このホールで地元オーケストラの指揮をするほどのクラシック好事家である。
ブラウワーはロシアの友人『ズーコフ』の訪問を受ける。ズーコフは、旧ソ連が第二次世界大戦後接収したフルトヴェングラーの演奏テープを買わないかと持ちかける。テープには1943年12月の日付が記されており、これが本物であれば第二次世界大戦中のドイツでの演奏であり、非常に貴重な演奏記録となる。テープを聴くや、この演奏がクーゲル・ブリッツ社のホールで演奏されたものだと直感、ブラウワーはテープを買い取る。このコンサートにはフルトヴェングラーが嫌っていたヒトラーが演奏を聴きに来ていた。そして、その日はブラウワーの父親が亡くなった日でもある。ブラウワーはテープを聴きこむうちに、かすかに銃声が録音されていることに気づく。工場の音響解析者に分析させ、狙撃位置を絞り込む・・・
ブラウワーが地元オーケストラを率いて演奏をする日がやってきた。曲は例のテープと同じベートーヴェン交響曲第三番”エロイカ”。テープに銃声が記録されていた箇所にさしかかると、ブラウワーはかすかに銃声を聞く。コンサートを聴いていたズーコフが、ゴルゴの狙撃により眉間を打ち抜かれたのだった。ゴルゴの狙撃地点が、ブラウワーの父親の投身自殺の場所と同一だったことから、ブラウワーは全てを悟る。ブラウワーの父は、ヒトラーを狙撃したが失敗、その後に投身自殺を図ったのだと・・・
ゴルゴの狙撃はあくまでも添え物で、本作の妙味はテープに記録されたかすかな銃声から、歴史を紐解くという知的スリルにある。ちなみに、フルトヴェングラーは実在した大物指揮者。ウィキペディアには、ナチスに反抗したとの記述に加え、初録音はとフェーバーの『魔弾の射手』との記述が・・・。大辞泉によれば、”スフォルツァンド”とは『《力を込めて強く、の意》音楽で、発想標語の一。ある音に強いアクセントをつけて奏する。記号sfz』。 また、”クーゲル・ブリッツ”は第二次世界大戦中のドイツの対空戦車。本作の制作チーム、かなりのマニアとみた。
ズキューン
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依頼があるときは国連のミス・クレインに窓口になってくれるように頼んであるんですが、いまだに頼まれていません。
あんまり必要ない解析技術のようです(笑)。
それではまた(^O^)/~
>「建造途中の空母グラーフ・ツェッペリンから…」とあるのは、当時の日本海軍から技術提供を受けて日本海軍の「飛龍」型空母の設計図をもとに建造されていたものですね!
鉄道のみならず空母にもお詳しいとは・・・さては、マリヨ神父さんはゴルゴの大型物資の調達屋というのが裏の顔ですか(笑)
このエピソードの脚本担当は「ながいみちのり」ですね。彼は『覚醒・クーデターの謎』で脚本デビューし、割と短編物を執筆しています。『ウエストウッドに死す』『遺作』や本エピソードのように歴史裏物が好きなようですね。
尚、文中に出てくる「建造途中の空母グラーフ・ツェッペリンから…」とあるのは、当時の日本海軍から技術提供を受けて日本海軍の「飛龍」型空母の設計図をもとに建造されていたものですね!
>与えられたデータを波に見立てて分析するということをやっていた
高度な解析のようですね。カムバッカーさんのコメントを見たゴルゴから、なんらかの依頼があるかもしれませんよ(笑)
「このデータを解析してくれ・・・理由は聞くな・・・」
>ブラウワーの父親は、中々の人物
そうですね。ポジショニングといい、銃器の隠し方といい、とても素人とは思えません。時のヒトラーに銃口を向ける位ですから、性根の座った人物だったのでしょう。
実は学生時代、最大エントロピースペクトル解析なるもので、与えられたデータを波に見立てて分析するということをやっていたので、夜どおし2人して色々調べているのを、警備員があきれて去って行くシーンが、なんか、とても懐かしいです。
私の場合は、あんなふうに比較対象がなかったので明快にわからなかったのです。だから比較対象があるというのがとてもうらやましく思いました。
>本作の製作チーム、かなりのマニアとみた
そんな意味が含まれていようとは・・・その深い意味を読み取れてこそ真のファン。まだまだ道半ばといったところです。
ところでブラウワーの父親は狙撃には失敗しましたが、狙撃の場所とタイミングはゴルゴンと同じであったことを考えると中々の人物と見受けられる様に思います。
本日の一句「最新の、技術が過去を、解き明かす」