【最新逆浸透膜技術】
●ポイント 30%の省エネ高透水と高耐久性
東レ株式会社は、独自の微細構造制御技術を駆使し、高い透水性能と耐久性を併せ持つ「超低圧高耐久性逆
浸透(RO)膜」を開発しことを公表。それによると、RO膜中に細孔(水分子を通しナトリウムイオン等を通さな
い微細な穴)を形成する技術を深化させ、優れた物質除去性能を維持し、透水性能を高めたことで低圧で水処
理が可能となり、約30%の省エネを達成。また、水処理プラント運転中に原水中の異物等で膜が汚れた際の
薬品洗浄に対する耐久性も高く、水質の悪い洗浄頻度が高いかん水淡水化や下廃水再利用などの用途で、水
処理コスト低減への寄与するもの期待されている。同社では2014年中の上市を目指し、市場が急速に拡大し
つつある中国、インドをはじめとするアジア、欧米などに向け、積極的に展開を図るという。
先日、『水ビジネスと生物接触ろ過技術』で水ビジネスを特集しての今回の、逆浸透膜装置の改良技術開発
の公表となるが、同社によると、逆浸透膜(RO膜)は、世界の水問題(水不足、水質悪化など)を解決しうる
技術で世界中の水処理プラントで採用が進み、高品質の水を得るための物質除去性能、さらに省エネルギー
を実現する透水性能の向上が望まれている。近年はRO膜の用途拡大により下水など様々な水質の原水を処理
する必要が生じており、長期間にわたって高品質な水を安定的に供給するには、膜性能の安定性、特に薬品
洗浄による膜性能の劣化を抑制したいという要望が高まっているという。
これに対して東レは、これまで培ってきたサブナノメートル(オングストローム=百億分の1メートル)の
精度での細孔径の制御技術をベースに、周囲の環境変化の影響を受けにくくする細孔構造の安定化を図り、
2011年に耐久性を大幅に向上させた高耐久性RO膜を開発(上図、特許参考図参照)。今回、高耐久性RO膜の
新たな技術展開として、高透水性との両立に取り組み、本製品の開発に成功。今回開発した「超低圧高耐久
性逆浸透膜」の技術ポイントは下記の2点による細孔構造制御にあるという。
1.一次構造の制御による細孔構造安定化
RO膜の中核となる分離機能層は、細孔構造を持つ架橋ポリアミドという素材でできている。これまで、陽電
子消滅寿命測定法や分子動力学シミュレーションを駆使してRO膜の細孔構造を解析し、細孔径制御による高
ホウ素7)除去RO膜などを開発してきたが、今回、架橋ポリアミドの一次構造を核磁気共鳴分光法により詳細
に解析し、得られた情報をベースに一次構造を安定化する精密界面重合技術を確立。これにより、周囲の環
境変化時にも細孔構造が変化しにくく、酸、アルカリ、微量塩素等の薬品に対する耐久性に優れる分離機能
層の形成を実現。
※ 特開2012-135757 複合半透膜、複合半透膜エレメントおよび複合半透膜の製造方法
※ 精密界面重合技術(下図参照)
2.分子間相互作用の制御による細孔数増大
架橋ポリアミドの分子間相互作用を制御することにより、通常は水分子が透過しないポリアミド分子間の微
細な隙間を拡大して透水性の細孔数を増大し、低圧運転の可能な高透水性を達成。
逆浸透膜の開発は、1967年のデュポン社が 芳香族ポリアミド中空糸の逆浸透膜の開発に成功ことに始まるが、
東レは当初酢酸セルロース膜(CA膜)での事業展開された後に複合膜の実用化が進む。1976年、日本企業で
初めて逆浸透膜の事業化を発表し、同年末にIBMの野洲工場から初受注。IBMは、廃水を再利用するために、
その浄化膜として東レのCA膜を採用したが事業としてはまだ駆け出し程度、それを一変させたのが半導体製
造における超純水製造向け市場の急成長、「神風が吹く」。わたしも、1980年に入り工場排水のクローズド
化に伴い同社の逆浸透膜装置を導入したのを契機に膜濾過装置との仕事が増えていくという経験するが、装
置費と稼働費がべらぼうに高いという課題に何とかしてコスト逓減できないものかと頭を痛めて超純水製造
事業のコスト逓減・簡素化システムの研究をしていたが時間切れになってしまった。そんなことを思い出し
ながら30%もの省エネルギー化と高耐久性に成功したことを知る。
神戸製鋼は、 水素ステーションに必要とされる主要機器の一部を集約させる事で、大幅なコストダウンと
コンパクト化を可能にした「パッケージ型水素ステーションユニット(商品名:HyAC mini)」を開発したこ
とを公表。それによると、販売価格は2.5億円以下を想定しており、本製品をご採用いただく事で水素ステ
ーションの建設費用を従来比、約2割程度コストダウンする事に貢献でき、設置面積も各機器を個別に設置し
た場合と比較し約 50%(当社比)削減できるという。受注開始は本年4月を予定。
HyAC miniの特徴は、設置スペースが各機器を個別に設置した場合と比べ50%に削減したコンパクトな設計
であること(寸法:3.2m(W)×4.0m(L)×4.7m(H))、主要な機器(水素ステーション用高圧水素用圧
縮機、DCHE、冷凍機など)が自社製品であり、これまでの水素ステーションや化学プラント等での納入・運
用実績に基づいた高い信頼性を有すること、蓄圧器が追加でき拡張性の高いユニットであること、一時間あ
たり6台の燃料電池自動車(FCV)へ水素を充填することができること、などが挙げられている。水素ステ
ーション用大容量高圧水素圧縮機(HyAC)、マイクロチャネル熱交換器(DCHE)、 冷凍機といった主要機
器や超高圧部材に必要な特殊なステンレス鋼などの素材まで製造しており、加えて水素をFCVへ充填するた
めの最適な機器仕様を選定するシミュレーション技術を神鋼エンジニアリング&メンテナンスが開発してお
り、ハード及びソフト両面で水素ステーション建設において必要なアイテムを供給できる体制を構築してい
るろいう。
特開2013-130218
【符号の説明】
1,1a…ガス供給装置 3…タンク 4…圧縮機 5,5a,5b,5c…蓄圧器 7…初期充填リザー
バ 12…容量調整弁 13,13a,13b,13c…蓄圧器制御弁 22…充填圧力計 24…ノズル
26…制御装置 27…インバータ
上図の発明は、必要とされるガス供給量のピーク時には、圧縮機を蓄圧器で補助するので、圧縮機の容量が
小さくてよく、蓄圧器の容量も小さくてよい。このため、圧縮機を小型にすることや蓄圧器の設計圧を低く
することが可能なシステムで、ガス供給装置5が、圧縮機4蓄圧器5とを備え、予め、タンク3の容積に応
じて充填圧力と目標流量との関係を決定し、充填圧力を検出して目標流量を決定→目標流量にしたがって、
タンク3内に供給されるガスの流量を制御→目標流量が圧縮機4の最大吐出量以下である場合には、圧縮機
4のみからタンクにガスを供給し→目標流量が最大吐出量よりも多い場合には、圧縮機4および蓄圧器5を
空タンクにガスを供給することで、圧縮機を小型化しつつ蓄圧器の設計圧を低くできるガス充填装置を提供
するもの。
【符号の説明】
1 自己熱型改質器 2 反応室 3 混合ガス供給口 4 改質ガス排出口 5 酸化改質部 6 シフト反応
部、7、8、8’、17 配管 9、10、15、16 酸素含有ガス供給口 11、12 マスフローコント
ローラ、13 高温シフト触媒層 14 低温シフト触媒層 X 混合ガス Y 酸素含有ガス Z 改質ガス
上図の発明は、自己熱型改質器及び水蒸気改質方法により、高い転化率で水素を生成することができ、かつ
シフト反応部におけるシフト触媒の活性低下を抑制することができるというもので、酸化及び改質触媒を含
む酸化改質部、この酸化改質部の下流に位置し、シフト触媒を含むシフト反応部、及び酸化改質部に酸素含
有ガスを供給する酸素供給手段を備え、酸化改質部及びシフト反応部に炭化水素及び水蒸気の混合ガスを流
通させ炭化水素の水蒸気改質反応を行う自己熱型改質器。酸素供給手段が、酸化改質部内の上流側及び下流
側の少なくとも2箇所に配設される複数の酸素含有ガス供給口で構成あれている。
仮想通貨ビットコイン取引所「Mt.Gox(マウント・ゴックス)」が取引全面停止を表明したことを受
けて、ビットコインを預けていた利用者が資金を回収できるのか注目されているが、法律や規制に詳しい専
門家の間では、資金回収は難しいかもしれない、との意見が出ているとか(ロイター)。公共トランザクシ
ョンログを利用しているオープンソースプロトコルに基づくPeer to Peer型の決済網及び暗号通貨をさして
ビトコイン。ビットコインは極めて低いコストでの決済(およびマイクロペイメント)を権力機関や発行者
無しで平均10分程度の待機によって可能にする。ノードから別のノードへの貨幣の移動は電子署名された取
引で行われ、P2Pネットワーク内の全てのノードにブロードキャストされる。初期の通貨流通や、二重支払い
の検知のためプルーフ・オブ・ワーク(英語版)システムが用いられているという。日本では、このビット
コインは電磁的記録として扱われ、通貨として認められておらず]、電子マネーとは異なり資金決済に関する
法律の対象とはならない。また、有体物でも知的財産でもないデジタルデータは、物や財物や民法上の動産
の範囲外と見なされる可能性があり、物権や窃盗罪などの法律の対象とならない可能性があり、つまり、電
磁的記録を対象とした刑法や財産を対象とした法律の対象とはなるというが、“信用”が揺らぐ事態となっ
たいま、このまま事態が復元できず、信用不安→信用恐慌→仮想通貨の消滅というお決まりのコースを辿る
公算が濃厚となる。これは残件扱いとしていずれまとめて考察することに。
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