あのころ自分はずいぶん年をとっていた。今はもっと若い。
Ah, but I was so much older then, I’m younger than that now.
ボブ・ディラン
Future government bonds
● デフレ脱却と未来国債
先月21日、日銀が金融政策決定会合で、金融政策の枠組みを、銀行などに流すお金の「量」
を重視する政策から、「金利」を重視する政策に転換したことに対し、「量」拡大を主張し
てきた「リフレ派」エコノミストらから批判の声があがっているという(毎日新聞 「リフレ
派、日銀政策批判 エコノミストも「金利」重視反発」2016.10.12)。これに対し、批判の
矛先は、リフレ派にもかかわらず政策転換に賛成した日銀の政策委員会メンバーにも向かい、
今後の政策運営にも影響を与えそうだという。デフレ脱却のため、2%の物価上昇目標を目
指すのが、わたし(たち)リフレ派の立場っが、今月12日、長野県松本市の記者会見で、
原田泰審議委員(リフレ派日銀政策委員)が「やり方はいろんな議論がある」と政策変更に
理解を求めている。
ところで、9月21日の決定会合で日銀は、短期金利をマイナス0.1%、10年物の長期
国債利回りを0%程度に操作する「長短金利目標」を新たに導入する一方、従来「年間80
兆円ペースで国債を購入する」としてきた量的緩和の目標を「80兆円をめど」に後退させ
る。13年の黒田東彦総裁就任以来、大量の国債を購入しお金を世の中に流す量的緩和政策
でデフレ脱却を目指してきた日銀だが、国債保有額が400兆円に膨らんでも物価上昇率が
マイナス圏に低迷する中の政策転換である。
※ 参考:わが国の経済・物価情勢と金融政策 日本銀行政策委員会審議委員 原田 泰
Oct. 12, 2016
前出の原田は、新たな枠組みで物価上昇率が安定的に2%に達するまで金融緩和継続を明言
したことが「量に対する強い公約だ」と述べ、量的緩和後退でないと強調するが、リフレ派
の元審議委員の中原伸之は、原田、岩田は敢然と反対すべきだった。日銀職員の説得と圧力
に負けたと厳しく批判し、また、三菱UFJモルガン・スタンレー証券景気循環研究所長の
嶋中雄二も、自分が委員なら反対、今後の行動を注視していかないといけないと指摘。さら
に、政府首相の経済ブレーンでリフレ派の本田悦朗・駐スイス大使は、日銀は次回会合で追
加緩和を行う必要がある。国債購入額はまだ拡大できると強調しており、円相場や株価の展
開次第でリフレ派の巻き返しが強まる可能性もあるとの見方もあると、この記事は伝えるが、
ここは安易に、「インフレ目標値」を放棄し、政策の理念・ビジョン・戦略を転換すべきで
ない、なぜならば、日本列島はいまだ「デフレ不況」から脱し切れず「失われし30年」の
最中にあり、アベノミクスは中途半端にあり、やり残している課題(→国家公務員の給与を
上げることでなく、民間の平均所得水準の引き上げ)を実現すべきであるというのがわたし
(たち)の立場である。
Sep. 21, 2016
● デフレ脱却には緊縮財政と金融引き締め禁止
これと同調するかのように、「すべての政治家が一つだけ覚えておくべきことは、『デフレ
脱却まで緊縮財政と金融引き締めはやってはいけない』である」(「民進党は経済政策を見
ても前途多難だ」、ダイヤモンドオンライン 「高橋洋一の俗論を撃つ!」2016.09.22)で、
ここで高橋は、「安倍政権がまともなのは、金融緩和を継続していること、積極財政は14
年の消費増税で一時失敗したが、その後の再増税では過ちを繰り返さなかったことだ。それ
らの結果、GDP成長率は今一歩であるが、失業率や倒産率は史上最低となっている」と述
べ体制擁護し「(民進党が)特に深刻なのは、金融政策について雇用政策の基本であること
を理解していないことだ。金融政策を活用しない政党が先進国に存在するだろうか。世界標
準から見れば、まともな金融政策を行わない民進党は明らかに雇用無視であり、左派政党に
値しない。」と批判した上で「今の自民党と差別化するならば、金融政策を重要視して日銀
法改正でインフレ目標と雇用義務を加えること、歳入庁創設して税・社会保険料を一体徴収。
不公平をなくし所得累進課税を強化する方向がいい。所得再分配の強弱は、最高の累進課税
税率の高低や資産課税の取り組みで見てもいい。自由貿易、規制緩和では、労働者の権利保
護に配慮して、自由化一辺倒でない是々非々路線とする。エネルギー政策では、産業界に迎
合するのではなく、脱原発の方向で再稼働には慎重スタンスでいい」と民進党に提案してい
るほどである。
● キャッシュ・フロー改善の4原則
ここで、彼の提案は不十分で、現状のキャッシュフロー、つまり、「全国→東京→国際金融
資本主義」というの富収奪の経路依存」の流れの是正に、地方分権化税制(消費税の完全移
譲と逆進性制法人税――後の所得税、資産税、法人税は高橋提案と同調)導入を提案してい
る通りで、これを道州制の自治体ベースの範囲やこれに伴う新交付税制の検討となどと絡め
推進させることを踏まえた上で、彼の論点を追ってみよう。
※ 参考:「全ての起業家に捧ぐ!キャッシュフローを劇的に改善する51の全手法|キャ
ッシュ・フロー改善の4原則」
※ 参考:「地方分権改革と地方法人課税の在り方について 佐藤主光」
※ 参考:「<特集>財政の法と経済学からの分析」『フィナンシャル・レビュー』No.101
※ 参考:「ISFJ政策フォーラム2009発表論文|地方財政格差をいかに是正するか」
民進党は再分配が重要という。しかし、その実行が伴っていなかった。これを、厚労省
が3年に1回行っている「所得再分配調査」から見てみよう。その調査では「ジニ係数」
が計測されている。これは、イタリアの統計学者ジニが考案した社会全体における所得
分配の格差を表す指標である。係数の範囲は0から1で、係数の値が0に近いほど格差
が少なく、1に近いほど格差が大きいことを意味する。所得再分配調査のジニ係数は2
種類あり、課税前・社会保障給付前の「当初所得」、課税後・社会保障給付後の「再分
配所得」について計測されている。2001年から3年ごとの調査によるジニ係数の推
移 は以下のようになっている。
当初所得ジニ係数は増加傾向である。これは、高齢者ではそれぞれの社会キャリアが異
なり、その結果所得格差が大きくならざるを得ないが、その高齢者世帯の割合が増えて
いることが要因である。一方、再配分所得ジニ係数は上昇に歯止めがかかっている。当
初所得ジニ係数と再配分所得ジニ係数の差の当初所得ジニ係数に対する比率は、所得格
差是正効果を見ることができ、それを再分配改善率とすれば、上の表のように、調査の
たびに改善している。ただし、前回調査に比べた改善率アップを見ると、2010年が
他に比べて見劣りしているのがわかる。2010年度予算・税制は民主党政権時代だっ
たが、そのほかは自民・公明政権である。
高橋洋一の俗論を撃つ!No.153
『民進党は経済政策を見ても前途多難だ』
● 日本の再分配機能は国際的に見て本当に弱いのか
さらに、彼は 上図表のごとく、ジニ係数を国際比較し、こうしたデータから、国際的に見
ると日本の所得の再分配機能は弱いというわけでなく、平均的なところであり、再配分機能
は強化されつつあるというのが事実(※データーで見る限りその傾向にある)であると指摘
していがこの分析結果に異論ない。
※ プリンストン大のノーベル賞学者ナッシュを描いた映画「ビューティフル・マインド」を見てもらった
ほうがいいかもしれない。ナッシュが大学院生の時に書いた論文はゲーム理論となって、ナッシュ
が予想できなかったほど社会に役立っている。
● ノーベル賞を増やす基礎研究の財源は国債が最適
話は本筋とそれるかもしれないが、 また、彼はノーベル医学・生理学賞を大隅良典東大名
誉教授が受賞し、大隅が記者会見で「科学が『役に立つ』という言葉が社会を駄目にしてい
る。本当に役立つのは百年年後かもしれない。将来を見据え、科学を一つの文化として認め
てくれる社会にならないかと強く願っているとの談話を紹介し、現在の科研費、とりわけ基
盤研究の絶対額が不足しており、採択率がまだ圧倒的に低い。今の2、3倍になれば大学な
どの雰囲気も変わるとの意見(「ノーベル賞を増やす基礎研究の財源は国債が最適だ」 同上
高橋洋一の俗論を撃つ!No.154回 2016年10月06日 )に同調し、「こうした基礎研究が、そ
の後社会に役に立つかどうかは、誰も予測することはできない。はっきりいえば、基礎研究
で将来役に立つものはかなり少ない。しかし、大量に基礎研究しなければ、そもそも当たら
ないし、社会への貢献もない。この意味で、基礎研究は未来への投資の典型である。下手な
鉄砲でもいいから、数多くやれば、確実に一定の成果はあるものだ」と擁護し、最近、日本
人のノーベル賞が相次いでいるが、これは20~30年前の研究成果であり、今回の大隅の
受賞の業績は95年のもで過去の投資が今になって生きている事例とする。
科研費とは、科学研究費助成事業に基づく研究資金である。人文学、社会科学から自然科学
まで全ての分野にわたり、基礎から応用までのあらゆる独創的・先駆的な「学術研究」を対
象とする。学術研究とは、「人間、社会、自然の中に潜む真理を探究することを目標にした
知的な営み。自らの発想で自由にかつ責任を持って、原理や知見を徹底的に追究するという
固有の特色。」と説明され。大学関係者であれば、多くの人がお世話になっている。15年
度の予算額は2273億円で、採択率は低く、15年度の新規応募件数は10万7千件であ
ったが、新規採択件数は3万件と3割弱。今の時点で、科研費を増やせるだろうか。他の経
費を削って持ってくる方法は好ましくないので、こうした財源探しで最も本格的なものは、
国債を財源とすることである。基礎研究のように、懐妊期間が長く、大規模で広範囲に行う
必要のある投資は、民間部門に任せるのは無理があり、やはり公的部門が主導すべきである。
その場合、投資資金の財源は、税金ではなく、将来に見返りがあることを考えると、国債が
適切と結論する。
失われた20年間でGDPがほとんど伸びなかったので、教育費の伸びはここ20年間で日
本はほとんどゼロであるという。これは他の先進国でかなり見劣る。これから10年先を考
えると、日本人ノーベル賞受賞者は徐々に減っていくのではないか。そのとき、後悔するよ
り、今のうちに、国債発行による基礎研究や教育投資を真剣に考えておくべきではないかと
の提案している。国民の合意形成を前提に教育投資を積極的に推し進め、国民福祉、ひいて
は、世界福祉に貢献できれば願ってもないことであり、これらは、このブログで「ピラミッ
ドの経済学」「百年国債は未来国債」「新楽市楽座」「双頭の狗鷲」などの政策論として問
題提起している通りでもあり同意でき、彼の提案には多くの読者が同意している。
砂丘畑で作られるブランド里芋『砂里芋(さりいも)』。里芋は一般的には、粘土質の土質
が生育に向いているとされ、数ある野菜の中でも水分管理が重要な野菜だが、砂里芋は水は
けの良い砂丘畑で栽培され、通常とは真逆の環境で育ちます。 スプリンクラーでの灌水と、
栄養の徹底管理を行う事で、この環境でも栽培を実現。 厳しい環境によって、砂里芋は強く
育ち、次世代へ命を繋ぐために栄養を蓄え、 その結果、緻密な肉質となり、比重が重くなな
る 素材の味を余す事無く楽しむために、まずは「きぬかつぎ」で食べるのがオススメとか。
食感はねっとり、もっちりとしていて、口溶けが良く、上品な甘さが特徴とか。やはり「環
境ストレス制御」という生物工学を駆使し、品質改良できるのだとテレビを見ながら感心す
する。
一昨日の朝、いつものように腕立て伏せをこなし、デスクワークにはいると、突然、両肩に
痛みが走り何だろうと考えしばらくすると、今度は腰痛が再発。それでも、翌日、竜王の約
束通り「湖華舞」へ走る。生憎、「米麹床モッツァレラ」は品切れとかで買って帰ることは
できなかったが、アイスクリームとチーズセットを買い楽しんだものの、痛みは残り、自信
が回復するまで様子をみるしかなく、計画が立たない状態にある。どうしょう?!