極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

魔法の転ばぬ先の杖

2011年08月11日 | WE商品開発




 




             (「クラシシズム」を読んだあと、
               リンダ・グレッグに捧げる) 
              

  ここでは夜空はすごくぼんやりしている。
  でも月が満月であれば、僕らにはそれがわかる。
  僕らはひとときにひとつのことを感じる。
  またべつのことを次のとぎに感じる。



                    レイモンド・カヴァー
              『ロマンティシズム』 村上春樹 訳
                        Romanticism            

 

 

【こんなものあったら良いのにな】

こんなもがあったら良いのにと思うことが1日に1つや2つ必ずあ
るものだ。それを丁寧に書き留め解決すれば年間3百件以上になる
はずだ。今日のその1つが除草剤で、朝から除草剤を買ってきて、
日曜日に刈った雑草の根に除草剤を巻きアスファルトを突き破って
くる勢いを何とか食い止めるためだ。



ところで複合汚染を嫌うなら、農薬以外の除草方法を模索したいと
いうので、バーナー式、回転式以外で特許を下調べすると、雑草の
地上茎と大地間に、高電圧を瞬間印加し、雑草の細根を破壊し枯死
させる方法がある。これは、天候の乾湿、雑草の種類にもよるが、
雑草の地上茎と大地間の抵抗は数MΩ程度として、数千ボルト以上
の電圧を印加するというものがある。印加電圧を下げるには、大地
間の抵抗を下げる必要があり、印加前に電解液を散布浸透させれば
可能だろう。感触で言えば、前もって電線を敷設する方法と可搬式
印加装置でランダムに処理する方法の二通りあるが、後者の開発要
素が多いだろう。これはひょっとする農業の『デジタル革命』の波
及を意味するのか。つまり、農地に化学薬品を散布する旧世界から
半導体を散布する新世界へ移行ということを意味するのかと。



【電動伸縮する魔法の杖】

 

もう一つ、昨年から百名山登破を開始しから注目していたのが、最
近注目されている、電動式伸縮杖の‘伸助さん’だ。勿論、登山用
で開発されたのではなく、高齢社会用備品としてだ。

さて、従来からある杖は(1)プッシュボタンを穴に嵌合させて固
定する伸縮杖や(2)ねじで締め付けて固定する伸縮杖がある。し
かしながら椅子などからの立ち上がりや階段の昇り降りなどの時い
ちいち伸縮していては即応できない。また、電動による伸縮機能を
備えた杖もあるが、回転を直線運動に変えるねじが多条でなく、伸
縮動作が緩慢であるという欠点をもっている。

ところで、ねじ山の形状により、三角ねじ、角ねじ、台形ねじなど
代表ねじ形状は3種類ある。機械部品は、ほとんどは三角ねじだが
角ねじや台形ねじは旋盤の送りねじなど,正確な運動伝達が必要な
場合などに使用される。また、一般に使われているねじは、1回転
にピッチの分だけ進むが、1ピッチの間に1条の螺旋があるためで
これを一条ねじという。この場合、ねじを1回転させたとき進む距
離をリードと呼びピッチに等しい。一方、1ピッチの間に2条、3
条の螺旋があるねじもあり、これを多条ねじと呼び、この時のリー
ドはピッチの条数倍となる。



 
岩田鉄工所は、そこで、速やかに片手で伸縮し、
て動作を補助する
ことのできる伸縮機能を備えた杖を開発したという。このため(1)
モーターを収容した把手部と、その下に中空の固定杖部に上下方向
に摺動できる可動杖部からなる伸縮杖で、上端が固定杖の中空部で
回転を可能にし、下部が可動杖部の上部に固定ナット材に噛合わさ
れた多条送りねじと、そのねじを正逆回転させる電動モータとモー
タ過負荷時に空転させるクラッチとで電動伸縮杖を構成している。
(2)モーターを駆動させるための電池は把手部に収納(3)スイ
ッチでモーターを正転、逆転あるいは停止させて杖を伸縮するが、
適度な伸縮速度にするためおよび把手部から固定杖部に回転軸の方
向を変えるためクラウンギヤの減速装置を用いる(4)
多条送りね
じは、円周に対するピッチの比が、0.04<p/2πr<0.1より小さい




【符号の説明】

1 把手部 2 固定杖部 3 可動杖部 4 杖先ゴム足 5 ナット
部材 6 スイッチ 7 電動モーター 8 クラウンギヤ 9 クラッ
チ 10 多条送りねじ 11 充電式リチウムイオン電池 12 制御回
路基板 13 スライド金具 14 ばねホルダ 15 ばね 16 スリーブ
21 多条送りねじ連結軸 22 回転軸 23 当接穴 24 深穴 25 スチ
ールボール 26 ばね

ファイル:Crown gear.png


(5)モーターと送りねじの間の
クラッチは、伸び方向時のみ、回
転軸の一方に設けた深穴に収納したばねとボールと、接続する軸の
対向面に設けた当接穴は中心がボールが入る深さで円周方向に徐々
に浅くなる形状の2穴当接穴にすることで、通常回転時はボールが
ばねの力で当接穴に押し付けられた状態で回転軸相互を連結し、過
負荷がかかった時、ボールがばねの力に抗して深穴に押し込められ
て連結を解除して空転する。




そういえば、山登りができていない。何もかも予定通りにいかない
でそろそろ精神的な限界かなと思いながらこの二つを考えてみた。
後者は時間をかけて考えてみたい。魔法の杖はどのように評価され
ていくのか興味津々ということになったのだが、転ばぬ先の杖とい
うこともあり、山登りに備えて体力強化に入ろうと思う。


                          
 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする