極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

カクテル工学ボトリオコッカス

2010年08月11日 | 環境工学システム論



マフィンの スライストマト 落ちぬよに 大口開け パクつく朝は  







【環境立国の冠たる条件】



住宅用太陽電池の14%が不具合によって
10年以内に交換していることが、産業技
術総合研究所(産総研)の調べでわかっ
たという。「メンテナンスがちゃんと実
施されていないことを感じさせる」と話
す。太陽電池を導入する際は、売り文句
である「メンテナンスフリー(保守不要
)」には保留がつく。発電量をこまめに
チェックしなければいけないとなると、
そこに掛かる費用についてメーカ・施工
業者サイドは明示する必要がある。


図表写 温室効果ガス排出量増減率と
    実質GDP成長率の関係(1990-2007年)

それだけではない、GHG成長率/GDP成長
率比率で環境立国指数とでも言うべき数
値では、イタリと同レベルでドイツ比べ
遙かに環境後進国?ぶりを発揮している。


図表写 採用した指標一覧


図表写 日本の部門別最終エネルギー消費

※EMS:環境マネジメントシステム
 DBJ:環境格付融資
 SRI:社会的責任投資

『環境リスク本位制時代』における「国
益」とは何かを再定義した上で、「使命」
「政策」を明確にして「工程表」を作成
しなければ、この明らかになりつつある
「異常事態」に対処できないのではと思
うのはわたしだけだろうか。



【折々の工学カクテル】



FPGA(Field-Programmable Gate Arrayは 製
造後に購入者や設計者が構成を設定でき
る集積回路。
そのため "Field-Programmable"
現場でプログラム可能)と呼ばれている。
FPGA の構成設定は一般にハードウェア
記述言語 (HDL) を使って指定し、その
点はASICに近い。FPGAはASICで実装でき
る任意の論理機能を実装できる。出荷後
に機能を更新でき、設計面で部分的に再
構成でき、ASIC設計よりエンジニアリン
グコストが低い点などが多くの用途で利
点となる。

  Xilinx

ザイリンクス (Xilinx) は、FPGA中心とした
プログラマブルロジックデバイスを開発
するアメリカの半導体企業。プログラマ
ブルロジックデバイス、IP、開発環境を
提供。1984年に創立され、本社をカリフ
ォルニア州サンノゼに構える。Nasdaq株
式市場に株式を上場している(ティッカ
ーシンボル:XLNX)。日本法人はザイリ
ンクス株式会社。製造を社外ファウンド
リに委託するファブレス半導体企業であ
る。

FPGA Architecture for the Challenge


図表写 “夢”のデバイスFPGA


図表写 programmable logic device: PLD

FPGAにプログラミングできるのはハード
ウェアロジックだけではない。プロセッ
サコアを内部に組み込むことでソフトウ
ェアの動作が可能だ。いわゆるSoC(シ
ステム・オン・チップ)として高度な処
理に効率よく対応でき、プロセッサコア
の統合では次のようなメリットをもたら
す。

・外付けプロセッサの内蔵によって、ソ
 リューションサイズの小型化が図れる
・プロセッサはソフトIPとして構成され
 るため、外付けプロセッサのようなデ
 ィスコン(生産中止)の心配が、基本
 的にない
・アプリケーション回路(画像処理や通
 信システムなど)と一緒に組み込める
 ため、性能の最適化が図りやすい
・論理回路によるハードウェア処理と、
 プロセッサ+ソフトウェアによるソフ
 トウェア処理とを、バランス良くチュ
 ーニングできる
・ネットワークスタック処理など、負荷
 の高い処理をメインのプロセッサから
 オフロードできる



プロセッサコアの統合により、コストが
安く、利便性(機能上)が高く、シリコ
ン・オン・チップの高度処理ができる強
みが今後も半導体市場を牽引していくこ
とが約束されているというわけだ。


【Intermission】

 amou


うつせみの 命を惜しみ 波に濡れ 伊良虞いらごの島の 玉藻刈り食む 
 
                                                     麻続王

恋草を 力車に 七車 積みて恋ふらく 我が心から 
   
                                       広河女王 




 
THE VENTURES - Acoustic Medley







 渡邉信

筑波大大学院の渡邉信教授は、光合成で
重油とほぼ同じ性質の炭化水素をつくる
「ボトリオコッカス」という緑藻に着目
し、燃料量産技術の実用化を目指してい
が、課題は生産性の向上による低コスト
化。「将来、日本が産油国になることも
可能だ」という。地球温暖化やエネルギ
ー問題を解決に導く切り札として、藻類
への期待は高まる。



藻類には、光合成で炭化水素や脂肪を大
量に産生する種が多い。炭化水素は石油
や天然ガスの主成分で、1、2億年前に
浅い海に生息していた藻類が石油の起源
だとする説が有力
。二酸化炭素を吸収し、
炭化水素を生産する藻類は「天然の製油
装置」ともいえる。ボトリオコッカスが
つくる高分子の炭化水素は、性質が重油
とほぼ同じで、抽出方法は培養した藻を

 緑藻 Botryococcus braunii

搾るだけ。渡邉教授は「重油に相当する
炭化水素からは、石油化学工業で利用す
るナフサや軽油、ガソリンが簡単につく
れる。既存の施設は、そのまま使える」
と利点を挙げる。トウモロコシやサトウ
キビを原料とするバイオエタノールは、
食糧需要と競合し、耕作地を拡大すれば
森林破壊などの新たな問題が生じる。こ
うした問題がない藻類のバイオ燃料化は
海外での研究も進み、米国では一昨年、
藻類から作った燃料でジェット機を飛ば
すことに成功している(10.4.19)。



渡辺信教授(構造生物科学)は、ボトリ
オコッカスが作る油を1ヘクタールあた
り年間118トンと見積もっている。トウ
モロコシの0.2トン、菜種の1.2トン、油
ヤシの6トンに比べ格段に多い。渡辺ら
は全国で集めた144株のうち生産効率が高
い沖縄の株を選らぶ。生産ラインに乗せ
ると仮定すると、1リットル155円かかり
高すぎるため、効率を10倍に上げる必要
がある。家庭や工場から出るアルカリ性
の廃水中で生産性が上がることも分かっ
た。二酸化炭素を吸収するだけでなく、
廃水を浄化し油を作る。



『地下化石燃料本位制』を乗り越えるも
のとして「先端技術」がありバイオ技術
が着目されているが、その中の本命が「
バイオ燃料」である。iPs細胞などの
医療の技術も先端技術であるが『環境リ
スク本位制時代』にあっては優先順位と
しての「バイオ燃料」の二重丸は誰の目
にも明らかだろうと。今夜の「工学カク
テル」のお話はここまで。

                 








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