映画「バビロンの陽光」を観てきた。2003年にフセイン政権が崩壊して3週間後のイラクでの物語だ。
戦地に送られたまま戻って来ない音楽家だった父を捜しに、祖母と二人で出かけた少年アーメッド。トラック運転手、バス運転手やクルド人の残虐に加担したことを悔やむ元兵士などと触れ合いながら、結局は生存していないであろうことを悟り、そして遺体もみつからないまま故郷に戻ろうとする中で、バビロンの地で祖母は息を引き取る。
フセイン政権の顛末についての報道を全てアメリカ側からしか見てこなかった僕としては、当たり前のことを正面から主張された思いがする。
イラクも当然だがほとんどの人がイデオロギーとは無縁に日々の平凡な生活を願っている。そんな祖母と少年の物語が淡々と展開される。
そしてこれも当たり前だが、兵士も強制的に駆り出された人たちばかりだ。
戦争がそんな人々に悲しみを生み続けている。
祖母が亡くなったバビロンは、旧約聖書でバベルの塔が建てられたといわれる街だ。
勝手評価 ☆☆☆☆ 少年の純粋な姿が印象的だ。