AIIB開業式典で習主席「国際的な経済システムの改善推進」…金融秩序に挑戦、日米は“透明性”になお懸念
産経ニュース 2016.1.16 20:47更新
アジアインフラ投資銀行の開業式典で、あいさつする中国の習近平国家主席=16日、北京の釣魚台迎賓館(共同)
【北京=河崎真澄】中国が主導する初の国際金融機関、アジアインフラ投資銀行(AIIB)の開業式典と加盟国代表による会合が16日、北京市内の釣魚台迎賓館で開かれた。英国など欧州先進国やアジア途上国など計57カ国が加盟し、アジアを中心にインフラ整備へ資金支援する。運営面の透明性に懸念を抱く日米は参加を見送った。
開業式典に出席した習近平国家主席は「中国は国際的な経済システムの改善を推進する」と述べ、AIIBを通じて、世界銀行など戦後の国際金融秩序に挑戦する構えをみせた。
AIIB初代総裁には中国財政省の元次官で、アジア開発銀行(ADB)副総裁を歴任した金立群氏が就任した。さらに最高議決機関である総会の議長には楼継偉財政相が就き、中国色を鮮明に打ち出した。
AIIBの資本金1千億ドル(約11兆7千億円)のうち中国が3割を出資し、融資案件への拒否権を単独で握る態勢。習氏は16日、AIIB傘下に設ける「プロジェクト準備特別基金」に、途上国向けとして5千万ドル(約59億円)を拠出する意向も示した。
AIIBは中国が掲げる現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」の実現を金融面で支えるほか、減速が続く中国経済の起爆剤としても利用される。
AIIBは今年6月に行う初の年次総会までに最初の案件を承認する計画。融資規模は初年度が最大20億ドル。その後は年100億~150億ドルの案件承認を見込む。
(私見)
AIIBは中国の意のままの銀行でアジアの発展のためと言うよりは「一帯一路」構想を金銭的に補完するためのものです。つまり簡単に言えば「中国の拡張主義」の資金源になるわけです。南沙諸島での人工島建設や尖閣諸島で日米と敵対している状況では、、、日米は参加すべきではないですね。。。