日々の恐怖 12月31日 子供の顔(1)
小学校のとき、担任だった女の教師が最悪だった。
性格がとにかく悪かった。
自分の子供と俺たちを比較して、私の子供は君達みたいな子には育てないだとか、とにかく自分の息子を溺愛し、俺たちと比較するのが好きなヤツだった。
特に俺なんかは出来が悪くバカだったので、いつもいたぶられていた。
「 こんな問題も出来ないの!」
とか、とにかくいろいろ言われて頭に来ていた俺は、教師の机の中身のものを滅茶苦茶にしてやろうと考えた。
当時、俺たちの小学校では、教室に教師の簡易机みたいなものがあったからだ。
ある日の休み時間、その日は曇天にもかかわらず、殆どのヤツは運動場に出かけたり別のクラスに行ったりで、教室に残ってるヤツは珍しくいなかった。
チャンスと思った俺は、計画を実行した。
教師の机の引出しを開けた俺は、綺麗に整理されたノート、カラーごとにきちんとまとめられたペンなどが目に入り、とにかくこれを滅茶苦茶にしてやろうと思った。
そう思った瞬間、ふと、写真らしきものがはみ出しているノートを発見した。
ノートには、裏向きに写真が挟まっていた。
家族の写真だろうと直感した俺は、この写真もパクってやるかと写真をひっくり返した。
その写真に写っていたのは、担任と夫らしき人物、そして小学生ぐらいの子供だった。
猛烈に震える俺の手。
心臓の音が聞こえるようだった。
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