大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

☆奇妙な恐怖小説群
☆ghanayama童話
☆写真絵画鑑賞
☆日々の出来事
☆不条理日記

日々の恐怖 12月5日 太陽は沈まない(2)

2016-12-05 11:04:52 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 12月5日 太陽は沈まない(2)




 気味が悪かったのと、何か嫌な感じがしたので本を戻そうか迷ったが、気にはなったので本を読み進めた。
 流石に破いて並べる訳にはいかないので、数字の順に対応したページを行ったり来たりしながら読んで行くと、レモンの絵が表紙であり、次のページから出てくる太陽が徐々に姿を変えて、月を溶かし人間を溶かして、最後は太陽が人間の形になるという構図が完成した。
 “完成したところで”、だと思う。
遠くから何か叫ぶような声が聞こえて来て、同時に周りにいた人達が私をジロジロ見ている気がした。
目つきはなんだかギラギラしている。
 それで、居心地が悪くなって私は図書館を後にした。
外に出ると、普段は全くそんな事は感じないのだが、そのときは何だか空気が濁っている感じがした。

“ 気にしすぎだ・・・・。”

と思い、家までの帰路につくと、いつもと同じ道を通っているのに見たこともないような景色が広がっていた。
 そこを無意識に進む。
何故か不安感は無かったことを覚えている。
 しばらく進むと、見たこともないような防波堤で数人の釣り人が釣りをしていた。
海は墨汁のように真っ黒、空は赤に近いピンク色だった。
変な形の魚が釣り人のバケツの中を暴れまわっている。
釣り人は近付いた私に一瞬驚いたようだが、一瞥をくれるとすぐに釣りに戻った。
 離れようとした時ボソッと声が聞こえた、

「 喰われるぞ。」
「 え?」

そう言ったのも束の間、私はカラスのような鳥に手を突つかれた。











童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。
 大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページ



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 日々の恐怖 12月4日 太... | トップ | 日々の恐怖 12月6日 太... »
最新の画像もっと見る

B,日々の恐怖」カテゴリの最新記事