大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

☆奇妙な恐怖小説群
☆ghanayama童話
☆写真絵画鑑賞
☆日々の出来事
☆不条理日記

日々の恐怖 7月20日 ストーカー

2014-07-20 19:38:17 | B,日々の恐怖



    日々の恐怖 7月20日 ストーカー 



2010/03/18

 近所に住んでる老カップル。
55歳婆さんが75歳ボケ爺さんを献身的に介護してるんだが、実は婆さんは40年前から一方的に爺さんのストーカーをしていただけの人で未入籍のようだ。
15年くらい前に爺さんが病気で倒れたのを機に、勝手に介護を始めたらしい。
婆さんが「この人は私の命なの。」と爺さんの頭を撫でるのを見て、前は微笑ましく思っていたが、事実を知ってからすげー怖くなった。


15歳の少女が35歳の中年をストーカー?
両方、結婚してないんだろうか?


家の裏に住んでるばーさんの話では、二人は高校教師と教え子らしい。
両方独身かどうかは知らない。


40年もひたすら一方的に好かれるって怖くね?
しかも体の自由が利かなくなったら、もう一生逃げられないとか怖くね?


他に介護してくれる人がいないんなら有り難いのかもよ。
爺さんに聞いてみれば?


爺さん喋れないよ。
車椅子に座ってアーウー言いながらヨダレ垂らしてる。
そんな爺さんにいまだ夢中だと言う婆さんが怖い。



2010/07/06

 もう誰も憶えてないと思うけど続きです。
先月例の爺さんが亡くなり、その後お骨をめぐるトラブルがあったと聞き、好奇心を抑えられず、婆さん本人にいろいろ聞いちゃいました。

 まず二人が出会ったのは、前に書いたとおり15歳と35歳の時。
年は離れていたが二人は愛し合い、卒業後に結婚しようとしたが、爺さんの先妻(死別)の親族が、婆さんの実家に押しかけて怒鳴り散らして反対し、もともと外聞を気にしていた婆さん親も反対し始め、破談に。
 しかし、どうしても許せなかったのか、先妻の妹がしつこく婆さんをつけ回し、職場に押しかけてみたり、さまざまな嫌がらせをし続けた。
もともと結婚を諦め切れなかった二人は、遠い他県に引っ越したが、何ヶ月かすると妹があらわれて嫌な噂を流され、住み辛くなって引越さざるをえなくなった。
 あまりの妨害に何度か別れもしたが、爺さんがもともと病弱だったのに心労で体を壊してしまい、早くに病気になってしまったため、この街に引越し、腹をくくって自分(婆さん)が、近所からの冷たい目や妹の妨害など全て引き受けるつもりで身を落ち着け、介護生活に入ったそうだ。
50代なのにどう見てもおばさんでなく婆さんにしか見えないのは、苦労を積み重ねたせいらしい。


 それで、分かった怖いこと。
おれに、あの婆さんはストーカーで怖ろしい女、って吹き込んだ裏のばーさん、なんとそいつが爺さんの先妻の妹だったんだよ。
 ただただ姉の元夫の再婚が許せないがために、何十年も二人をつけまわし、結婚もせず、ひたすら監視と嫌がらせの毎日を送り、そして爺さんが死ぬと、二人の家に上がりこんで骨壷を奪おうとするという恐るべきストーカー。
おれ、よくそのばーさんからやけに親切にされて、野菜や煮物もらったりしてたのに。
 好きな人の若い頃に似ている、と言われたこともあったが、婆さんにも同じ事言われてまじで震え上がった。
つまり、爺さんに似てるんだろ?おれ。
すぐにでも引っ越したい。
怖すぎる。












童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。
 大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページ



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 日々の恐怖 7月19日 搬送車 | トップ | 日々の恐怖 7月21日 うさぎ »
最新の画像もっと見る

B,日々の恐怖」カテゴリの最新記事