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日々の恐怖 8月3日 トレイルランニング

2021-08-03 11:42:46 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 8月3日 トレイルランニング




 山本は、トレイルランニングを趣味にしています。
トレーニングとして、近所の山に走りに行くことがあるそうです。
 ある日、いつものように頂上まで走って登り、駆け下りていると、後ろから同じように走る足音がします。

” 同好のヤツでもいたんだろうか・・・?”

と思いつつ、走り続けていると、徐々に足音が近くなります。

「 ハッ、ハッ、ハッ!」

と荒い息遣いまでが聞こえてくるので、

” あらら、邪魔だったのか・・・?”

と思い、道の端に寄り通り道を開けましたが、一向に抜いていく気配がありません。
しかし、息遣いはさらに近くなり、足音までも真後ろで聞こえてきました。
 振り向いて確認したい気持ちになりましたが、一向に抜いていかないのと、なんとも気味の悪い感じがしたので、下りの勢いに任せて全速力で駆け抜けました。
 上り口まで100メートルの看板が見え、

” もう少しだ!”

と思った瞬間、ふっと背後の気配が消え、

「 お前、ヒトのクセに足速いな。」

ボソボソっと聞こえたそうです。

「 そのまま全速力でウチに帰ったよ、足がパンパンになっちまった。
今度から、山には御守りでも持っていくことにするよ。」

山本はそう言って渋い顔をしました。









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