大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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霧の狐道150

2008-11-25 19:38:03 | E,霧の狐道
小さな音は、少しずつ大きくなり、抑揚のある節と共に流れ出した。

“ これは夢・・・かな?”

その節をつけた音は、やがてブツブツ言う小さな声に変化した。

『 ・・・・おんばあさらえんそわ・・・・おんばあさらえんそわ・・・・。』

“ 何か変な声のようなものが聞こえるぞ?”

『 ・・・・おんばあさらえんそわ・・・・おんばあさらえんそわ・・・・。』

しばらく聞いていると、それはジワジワと音量が大きくなり、今は、もろ俺の頭の中に変な声そのものが響いている。

『 おんばあさらえんそわ・・・・、おんばあさらえんそわ・・・・。』

“ 何だ、何だ、何だ・・・・?”

俺は、眼を開いたような気がする。
そして、ベッドから頭だけ起こし、病室をキョロキョロ見回す。

『 おんばあさらえんそわ・・・・、おんばあさらえんそわ・・・・。』

変な声が病室の壁や天井や床にぶち当たって反射し、こだまのように幾重にも重なって鳴っている。

“ 何だ、これは?
 病室に反響して、ワ~~ン、ワ~~ン響いてるぞ!?”



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