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木更津で整体、カイロで肩こり、腰痛、スポーツ障害の自然療法の専門家が施術するCCRKです

【拳骨日記】カイロプラクティック・コンディショニング・ルーム・Kの日々の臨床現場を通して医療のあり方を診療日記にしました

No 700 感情的ストレスと自律神経系

2007-10-11 | 感情ストレス
先日のPCRTセミナーでプレゼンした症例報告を「PCRT:心身条件反射療法」のサイトに症例報告として掲載させていただくのにまとめた。

カイロプラクターは神経の事はわかっていなければならない。しかし、神経がなんなのかわからないのが現実である。神経生理や神経解剖などはあれ程度教科書的に理解はできる。

では、臨床とどうやって結びつけるのか。症状とどうやって結びつけるのか。わからないことが多い。教科書どおりには行かない。これが臨床である。特に「脳」、この分野は難解である。

「脳」の専門科でもいまだ解明されていない未知の分野でもある。「心」と「身体」の関係は不可解の極みである。人類の経験として先人達は「心」と「身体」の結びつきを諭してる。科学以前の知である。

「感情的ストレスが自律神経系にどのように影響を与えるか」というテーマなのだが自律神経系そのものが難解である。臨床としては自律神経系がどのように変化しているか数値化して可視化することによって「心」と「身体」関係が読めるのではないかというかんがえである。

今回のレポートで興味深いものは、一般的にいわれている自律神経系の評価で「バランス」という言葉がよく使えれる。これは、交感神経系と副交感神経系のバランスのことを言う。

一言でバランスと言ってもさまざまな評価ができる。昼の正常活動じの理想的なバランスは交感神経6対副交感神経4が理想とされている。面白いのはこの6対4が保たれて、一見なんでもない理想的なバランスであるがともに低い値でバランスが保たれていることである。

ストレスにより交感神経系が緊張(高い値)するといわれている。もちろん緊張するとそれなりの症状が出る。しかし、引くからと言っていいのかというのも問題である。低ければ低いなりの症状が出る。

ここで、副交感神経の働きが関与してくる。副交感神経系は交感神経を抑制するのではなく、副交感神経も緊張(高い値)し、交感神経と副交感神経がともに緊張(高い値)することによって6対4のバランスが保たれるのよい。これが心身ともに数値的に健康体といえる。自律神経は難しい。生き物である。

症例は近々CCRKの「症例報告」にアップする。先にこちらにアップされているはずである。
参照 http://mindbody.blogdehp.ne.jp/

拳骨


No 695 決め球はカーブ

2007-10-03 | 感情ストレス
先日紹介した野球選手。夏の大会でゲーム中に私生活を注意され、その後腰痛で練習ができなった。治療が間に合い先週末の秋季大会で先発完投した。結果は8対1で完勝した。

昨日治療に訪れた。腰痛の治療ではない。調子はどう? 「カーブが抜けて決まらない」この先週は2ストライクと追い込んでから得意の決め球「カーブ」で勝負する。

抜けるとは業界用語?野球の投手がボールを投げるときに、特に変化球を投げるときにすっぽ抜けることがある。このことを「抜ける」という。一般的に言われている原因は「握力」の低下を原因説として言われている。野球解説者や指導者がよく言う。「握力がなくなった」

体育屋さん解決策は?握力の強化である。まっ、これも対策として悪くはない。治療家としては体育屋さんてきな指導やリハビリは体育屋さんに任せておけばいい。違った専門的なアプローチで解決を図るべきである。

リハビリと称し体育屋さん的な指導を治療と勘違いしている方が多い。カイロプラクターなら神経レベルのアプローチで解決するべきではないか。十分解決できるはずである。

握力が低下するのが原因で抜けるのであれば握力を強化するすることは必要かも知れないが、多くの選手は握力が低下するのではなく、「ここ一球」という勝負どころで集中力が欠如するのである。集中力がなくなったボールを放り打たれて、はっと我に返り悔やむことが多い。

さて、どうして集中力がなくなるのか?不安や緊迫感、過去の苦い経験などがある。もちろん生化学的な問題もあるが、最終的には精神的な問題が左右する。この選手はカーブは得意球である。

その「得意球が決まらない」と言う不安があり、力んでしまったりバッターに集中できなかったりゲームの流れが読めなかったりして投げると結果抜けてしまう。得意球ゆえに決めなければならないという意識が働き過剰に緊張してしまう。手を抜くことも上達の秘訣かもしれない。

拳骨


NO 693 頑固もの

2007-10-01 | 感情ストレス
80歳代の御婦人。腰痛、右臀部痛、右股関節痛。1年位前から発症し現在では杖を突いて跛行できる程度である。

整形外科で受診し、股関節の変形をレントゲンで診断される。「生まれつきですね」といわれたらしく、先天性股関節脱臼らしい。先股脱が時間との経過とともに変形したらしい。

患者さんは「生まれつき」が頭から離れない。整形へ受診後、痛みは以前より酷くなりCCRKに来院した。娘さんがインターネットで調べた。80歳代後半では意志が強い。

生まれつきが離れない。本人に説明をしても受け付けない。幸いに娘さんが理解者で感情的なストレスが原因であることに理解を示した。どうりで整形外科でも治らないし、治そうともせず上手く付き合いなさいなどというわけだと納得する。

治療は困難になりそうだ。全身の痛みを訴えて、身体を触らせてくれない。どこを触っても痛がる。AMCTもなかなかうけつけない。感情治療ももちろんうけつけない。全ての質問には否定的である。

過去にPCRTの治療に代理人治療を本格的にしたことがない。(感情のイメージまで)今回を機に代理人治療を行った。感情のイメージも代理人で行う。始めての試みである。

頑固者の患者さんには、一切イメージをさせない治療である。治療後は若干痛みが引いたようだ。効果の程はなんともいえない。しかし、PCRTの代理人治療も進めていかなければならない。随時、経過を報告していく。頑固者、自分の行く末をみているようで人事のように思えない。(笑)

拳骨

NO 690 再発への不安

2007-09-27 | 感情ストレス
70歳代後半の御婦人。1年前にの梗塞で右半身の麻痺が残った。CCRkに訪れた主訴は「座骨神経痛」である。腰痛、右臀部、右大腿後面、右下肢痛(外側)がある。

歩行は2,3歩で痛みが増発する。立位動作も5分とできない。整形外科で治療するが「座骨神経痛」の診断はつけていくれるが、一向に改善しない。

70代後半になると、頭の中もかなり硬い。「坐骨神経痛」の思い込みも強く切り替えができない。治療もAMCTで治療を行う。3,4回で大方改善する。治療後は2,3日痛みが無くなる。その後再発する。神経機能レベルでは2,3日しかもたない。

感情的な治療に入りたいが難しい。病気(梗塞)に対する「恐れ」の感情が強い。毎日血圧を2回計測し、塩分控えめ、運動はしなければと思っている。梗塞を患ったときにDrから指導があったらしい。

「~してはいけない」「~しなければ」といった健康に対する呪縛のようなものがある。その呪縛によって「ありのまま」がなくなっている。このご婦人は梗塞の病理を理解しておらず、血圧が高くなると脳の血管が切れると思っている。

患者さんに正しい情報が伝わっていない。「恐れ」の感情を開放し、血管年齢は計測してみる。副交感神経系が優位になり血管が拡張して、「40歳代」の血管年齢になった。ストレスと血管の関係が理解された。

安心したのか笑顔で「心配ばかりしていて損した」と力が抜けたようになった。「座骨神経痛」の痛みも心配ない。

拳骨

No 687 私生活

2007-09-22 | 感情ストレス
中学の野球選手。8月17日に野球の試合が終わってから慢性的な腰痛になった。整骨院、鍼灸で治療をするが一向によくならない。秋の大会が29,30とせまっている。全然投球練習ができない。エースである。

整骨院、鍼灸院では疲労性、筋肉が硬い、柔軟性がない。などとあらゆることを言われた。検査をすると納得するほど体が硬い。前屈、後屈、側屈、回旋ができない。特に回旋時に痛くなる。

指摘したような身体の硬さは身体能力の低下や各関節の痛みを増発させることは想像できる。したがって整骨院の先生や鍼灸の先生は身体の硬さ(柔軟性の欠如)を根拠に腰痛を指摘したのだろう。

さて、この身体の硬さは果たして腰痛の原因なのか? さにあらず体が硬いから腰痛がある。これは常識の嘘である。その証拠に体が硬くても痛くないひとも沢山いる。

検査を進めるとでてきたのは野球ではなく私生活である。野球の試合中に痛みが出たから野球かと言うとそうでもない。試合は8対1で完投して立派にエースの役を演じた。

追求していくとでてきたのは、ベンチで私生活のことを注意された感情がしこりになっていた。開放する。捻ってもらう。痛みはなくなった。お母さんいわく「どうしてわかるんですか? なんか見透かされているようです。」お母さんも何となく感じていたのだろう。

野球をして痛くなったから野球が原因とは限らない。PCRTセミナーのI先生のプレゼンを思い出した。思い込み、決め付けは検査の邪魔になる。

拳骨

No 680 感情的ストレスと自律神経

2007-09-13 | 感情ストレス
来週始めに行われるPCRTセミナーのプレゼン準備中。感情的なストレスが自律神経系にどのような変化を与えるかをテーマに準備中である。

普段、HRV測定器で自律神経系の評価をしているが、いまいち使い切れていない。使い切れていないではなく数値的な変化を患者さんに示しているだけで、治療の前後の変化、治療の効果を示しているだけだった。もったいない話である。

データは蓄積していても利息はつかない。もったいない。自律神経系の数値をじっくりみているといろいろなものが見えてくる。意外と面白い。自律神経系もそんなに単純なものでもない。

自律神経系は交感神経系と副交感神経系が美味くバランスよく働いていると単純に思っていたが、そうでもないようだ。必ずしもバランスがよければいいかと言うもんでもないようだ。生命のメカニズムは複雑である。

身体を見つめなおすと面白い。日常の何気ない、当たり前の動作や感覚は全て神経の働きである。特に、生命維持のための神経のメカニズムもストレスによって変化する。生命維持のメカニズムが狂いだすと、心身に影響をおよぼす。

感情的ストレスが自律神経系の働きを低下させたり、治療によって向上させたりが数値で確認できることも可能になっている。このグラフはストレスにより副交感神経の働きが低下してしまったのを、感情的ストレスの開放によって副交感神経の働きが向上したグラフである。「病は気から」が数値で見えた例である。

詳細については16,17のPCRTセミナーで発表する。楽しみに。

拳骨

No 679 腰痛予防法?

2007-09-12 | 感情ストレス
お医者さんの腰痛予防法についてのHPを見つけた。「腰痛と上手につき合うコツ」である。

http://www.zeria.co.jp/all/all03_04.html#2

はじめに
腰への負担の少ない姿勢
気をつけること・再発を予防するためには
姿勢による腰への負担
運動療法のすすめ

「気をつけること・再発を予防するためには」の項目で、「1ストレスを解消しましょう」と言っている。いいところに目を向けている。しかし、ストレスと腰痛の関係がわかっているのいないのかわからないが、何となくストレスが悪さをしていることはわかっているようだ。

その他の体操や、腰部にかかる力学的な問題にはさすが説明がついている。ストレスに関しては腰痛との因果関係は説明されていない。現代医学ではいまだ開拓されず遅れている分野である。わかっている先生も多いはずだが。この分野も科学で証明していただければいいのだが。

拳骨


No 678 坐骨神経痛2

2007-09-11 | 感情ストレス
先日、坐骨神経痛の患者さんを紹介した。今週は「坐骨神経痛」週間の週みたいに、その後二人の同じ症状(神経痛と診断)を抱えた患者さんが来た。

一人は70台の御婦人。数年前から腰痛、右臀部、右下肢痛をともなった症状である。整形外科では、やはり「坐骨神経痛」といわれた。治らない。座位から立位、歩行動作も2,3歩で痛くなる。

レントゲン検査で椎間板が狭い、骨が変形している。それによる坐骨神経痛らしい?。CCRkの検査では「梨状筋」の問題である。要するに「穴のこり」である。梨状筋の問題の原因は、付き添いのお嫁さんが納得するような感情的なストレスが沢山あった。

もう一人の患者さんは、20歳代の女性。肩こり、背部痛、腰痛、臀部痛、下肢痛、外反母趾痛、両足指のシビレ感。整形外科で血液検査、レントゲン検査と検査漬けで結果はわからずじまい。最終的についた診断名「神経痛」である。

患者さんはシビレと痛みの違いがわからない。時には痛みも痺れと自覚し表現する。シビレと聞くと神経障害と思うが神経障害にあらず。鑑別診断がものをいう。

何のことはない。ハイヒールを長時間履くために両足の指が疲労している痛みである。前脛骨筋、三頭筋、腰部、背部に過緊張 を強いられている。勘違いをしては困る。

「ほらみろ、姿勢や履物が悪いんだろう。ハイヒールを履くのを辞めればいいのだ。」と思う方もいるだろう。原因はハイヒールではない。もちろん二次的には関与しているが本質的な原因ではない。

治療前に、ハイヒールをイメージして爪先立ちをしてもらう痛みが再発する。治療後には、同じ検査で痛みはなくなった。仕事をイメージしてもらう。同じ検査をする。痛みは再発する。仕事の感情的なストレスが原因のようだ。

お二方と、先日紹介した患者さんは、いずれもこの症状に関わった検査と治療日数と期間、費用を考えると大変なことだ。もちろん患者さんは保険が利くからたいした負担には感じていないが、無駄な費用と時間を消費している。更に、悪いことは治らないことだ。

拳骨

No 677 両手の握力

2007-09-10 | 感情ストレス
レーサーの患者さん。Sサーキットで練習走行からレースにかけて両手の握力がなくなりハンドルを押さえるのが辛かった、レース後も両手の握力が戻らず、握力だけでなく両手に力が入らない。

簡単な握力の検査をする。左手の支指以外の指がほとんどないに等しい。整形外科学検査や神経学的な検査では陽性反応はない。指の筋力がないので神経学反応陽性? となるのかな?

整形外科学検査では握力を測定し数値化して程度を見る。これもよい。回復の指標になる。検査で異常が見つからないと原因もわからない。想像つく原因は、カーレースのハンドル操作は、一般てにな自動車よりハンドル操作に力が必要で、そのため握力(筋力)の疲労でなくなったくらいの想像はつく。

AMCT治療後に検査をすると若干、握力が戻ったが完全ではない。握力計で測定すれば大きく変化はしている。しかし、完全ではない。検査を進めていくと、でてきたのはSサーキットへの感情がある。

滑りやすいコース、恐い、危ない、恐怖、などがでてくる。前回のSサーキットでの練習走行でも滑りやすい状況で練習した。今回のSサーキットでの走行で、前回の潜在的に潜んでいた「滑りやすい」「恐い」の感情が悪さをしていたようだ。解放後は完璧に握力が戻った。

拳骨

No 672 親こころ

2007-09-04 | 感情ストレス
「親心」通常は子を思う親の気持を言う。今日、紹介する記事は親のストレスが子供に与える影響を米国の研究で明らかになった記事である。

臨床でもCCRKには0歳児からの小さなお子さんが来院している。症状は様々であるが、やはり原因はストレスが多い。そのストレスもお子さんではなく両親のストレスが影響しているようだ。

◆親のストレスが子どもの肥満に影響

 親のストレスや仲間によるいじめが、過体重や肥満児の健康の妨げになっていることが、米国の研究で明らかになった。

 研究著者で米フロリダ大学公衆衛生学部(ゲインズビル)臨床健康心理学助教授のDavid
Janicke氏らは、過体重もしくは肥満児96人とその親を調査。その結果、親がストレスあるいはうつ病である子どもでは、うつ症状をもつ頻度が高く、総体的な生活の質(QOL)の低いことが明らかになった。また、仲間との間に問題を抱える子どもも同様な状況であった。

 Janicke氏は「QOLの低下をもたらす環境が、幼少期のうつ状態を招く要因になるようだ」と述べるとともに、子どもが健康的な生活を送るには、親の協力が重要となるとしている。

 さらに同氏は、ストレスやうつ病と闘う親たちは、子どもに対し、精神的支援や健康的な食事の準備、運動や活動を計画する余力がない。このような抑うつ状態にある親をサポートすることが、過体重や肥満児を助ける効果的な方法であると述べている。研究報告は、医学誌「Obesity」オンライン版7月号に掲載された。

http://www.healthday.com/Article.asp?AID=607440(HealthDay News 8月23日)


小さなお子さんの症状は様々である。夜鳴き、湿疹、アトピー、下痢、発熱、ぐずりなど、いずれも原因がわからない事が多い。当院の検査では、おおくのお子さんが感情的なストレスが関与している。

それも、この感情的ストレスはお子さん自身の感情的ストレスもあるが、ご両親のストレスが影響していることが多い。考えてみると、特に乳児などはそんな複雑な感情はない。全くないとはいえないが、お腹がすいた、オムツがぬれた、痛い、かゆい・・そんな程度である。

しかし、なかには怒り、憎しみ、うんざり、愛情、悲しみとかの感情が見られることもある。しかし、よくよく探っていくとこのような感情は、両親の感情が子供から反応する。勘違いをしないでほしい。決してご両親を責めているわけではない。

気づいていただきたいのだ。ほとんどのご両親は気付きがない。例えば、子供が急に熱を出した。専門医では「知恵熱?」などと原因がわからないから本当か嘘かわからないようなことを言う。

そんなご両親に注意深く振りかって頂くと、思い出したように、「そうだ、熱を出す1,2日前くらいに夫婦喧嘩をしました」とか出てくることが多い。更に、それを照明するがごとく、両親の感情を開放するとその場で、あるいは24時間以内に熱は治まる。薬では治まらない熱が治まる。正に「親心」である。

拳骨

NO 671 どうして踊るの(膝に水が溜まる)

2007-09-03 | 感情ストレス
60歳代後半の踊りの師匠。1年前から膝に水が溜まり、年い十数回関節穿刺をしている。当然、正座ができず90度以上屈曲できない。

踊りのときは正座したり、膝を曲げたりしないの? 「そのときはごまかす」と言っていた。痛くても辞められない。整形外科に今まで通院加療をしていて、シップ、痛み止めの薬、水が溜まったら関節穿刺をして排除する。お決まりのパターンである。

本人も、何回も何回も水を抜くのだが一向に改善しない。あまりにも改善しないので整形の先生に聞いたらしい。「どうしたらたまらなくなるのですか?」先生「水が溜まったら抜けばいい。水がたまらなくなるまで抜けばいい。」名答である。(笑)成功する秘訣を教えよう。「成功する秘訣は成功するまでやる。」笑い話のようだ。

切がない治療と判断し、当院を受診する。踊りのお師匠さん、頑張り屋さんタイプの人である。ストレスという言葉に抵抗を感じるタイプである。最初はAMCTのみの治療を行う。「膝が曲がった。楽なった。」喜んで帰っていった。4,5日の2回目の来院時「先生、また曲がらなくなった。どうしてよくならないの?」

1回の治療でよくなる人もいれば再発を繰り返す人もいる。再発を繰り返す原因を教えた。なかなか内なる原因は理解できない。原因は「踊りである」何となく理解したが「踊り=力学的負担」と解釈する。理解できないようだ。

本人は踊りが大好きで苦にならない。しかし、潜在的に「面倒」「いやいや」「惰性」の感情がある。どうして踊りをしているのですか? この質問に答えが返ってこない。踊りをやる理由が見つからない。

教え始めたときは明確な理由があったが、現在は「踊りを教える理由」がなくなっていた。本人もびっくりしていた。どうして踊るのか? わからない。こんなこともあるらしい。

さて、皆さん。どうして仕事をするのですか? 自問自答してみよう。中にはお師匠さんみたいに仕事をする理由が見つからない方もいるかもしれない。いや、いるだろう。人生を見失うかもしれない。

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No 669 誰のために?

2007-08-31 | 感情ストレス
60歳代後半の主婦。肩こり、全身の痛み、特に右肩の痛み。ここ1ヶ月くらい前から心身ともに不調がでて、2週間前に体操をして右肩を捻り捻挫をした。

初診時の主訴は右肩の痛みである。整形外科ではレントゲンを撮影し特に問題がないから「五十肩」といわれた。よくある診断である。シップ、飲み薬の処方で様子を見ましょうということである。一向によくならない。

当院の検査ではいつものごとく感情面が大きく影響している。主訴以外の症状を聞く。でてくるはでてくるは切がないほど出て来る。初回の治療では感情面の治療をさせてもらえない。ストレスで痛くなっているのではないからと。体操で捻った原因がハッキリしているからという。

2,3回の治療では治療後は楽になるが、翌日になるとまた痛くなる。何度も再発する。再発するのはなぜか? おかしいでしょう? 何となく不思議に思っている。
感情面のアプローチをする。出てきた、主人、娘、孫、生活。

今日で4回目の治療を行う。大まかの感情は取れた。症状もだいぶ安定してきている。現在の症状は? 朝の着替えが一番痛い。家事に反応した。料理や掃除はどうしてやるの? 美味しいものを食べさせたい、綺麗な下着を着せたい、部屋は綺麗で気分よく過ごさせたい・・とでて来るのは全て人のため。

人に何かをしてあげて、喜んでもらいたいという(み返り)や、おもいが伝わらないことはストレスとなる。ここに気付きがない人が多い。美味しい料理を人に食べさせて「美味かった」と言葉が返ってくるときはいいが、「・・・」ウンともスンともいわないのは腹が立つこともある。どうして腹が立つのか? 「美味しい」の言葉の見返りを潜在的に期待しているからである。

人に食べてもらうとか、綺麗な下着を着てもらいたいとかという「おもい」をこめずに「自分が美味しいものを食べる」「綺麗な下着は気持ちいい」とかくらいに思ったほうがはらも立たない。

拳骨


No 658 水が重い

2007-08-14 | 感情ストレス
水泳選手。インターハイを控え調整にやってきた。先の関東大会ではさほどいい成績はでなった。原因は?「水が合わず重かった」

水泳選手がよく感じる現象である。水が重く泳ぎにくく体の動きが悪くなり記録も出ないことが多いようだ。身体的にどこが痛いとかということではない。とにかく水が合わないそうだ。

プールの水温もプールによって温度差はある。また、水の硬さや重さもある。水の重さで、その日の体調の良し悪しがわかることもある。さて、体調の良し悪しはわかってもどうして体調が変化するのか? 

いつものことであるが、この選手の関東大会の成績を振り返ってもらった。不振の原因は「水が重かった」と自己分析している。どうして水が重く感じているのかは、やはり身体的な体調が思わしくなかったとでていた。

さにあらず。でてきたのは「驕り」であった。予選で自己ベストを更新し平常で泳げば関東も上位に入る記録である。そこに落とし穴があり関東大会を甘く見た結果である。その結果の原因を「水が重かった」とした。気付きがない。

インターハイに向けて、関東大会の敗因を詳細に分析する必要がある。自己ベスト更新、大学進学、推薦入学、親に進学で迷惑かけたくない、などなど3年生の終盤になっていろいろな感情が出てきた。

全て結果である。欲を捨てあるがままに戦うことは難しい。全ての選手が勝ちたい気持ちで戦う。勝ちたい気持ちの潜在的にある感情はそれぞれ違う。結果は後から努力に応じてついてくるものである。

拳骨

No 650 変形性腰痛症 変形性膝関節症

2007-08-04 | 感情ストレス
◆防げ高齢者の腰痛、ひざ痛 マニュアル策定や調査研究

記事:共同通信社
提供:共同通信社

【2007年8月3日】
 高齢者の寝たきり、運動不足のきっかけとなる腰痛、ひざ痛や骨折を防ごうと、厚生労働省は2日、2008年度から、症状の改善に効果がある運動法などを盛り込んだマニュアルの策定や大規模な調査研究などを進めることを決めた。
 本年度約2億円だった研究費の大幅増を08年度予算の概算要求に盛り込む。

 04年の国民生活基礎調査によると、腰痛は自覚症状のある傷病としては男性で1位、女性でも2位。厚労省研究班の推計では腰痛とひざ痛の主な疾患である「変形性腰椎(ようつい)症」と「変形性ひざ関節症」は、それぞれ全国で約1000万人が自覚症状を持っているという。

 また、高齢者は骨粗しょう症などのため骨折しやすく、症例の多い股(こ)関節の骨折は年間約14万人が発症しているとの推計もある。
 マニュアルは08年度中に策定。各市町村が介護予防の事業に活用できるよう配布する計画だ。

 新たに取り組む調査研究は、(1)数万人を対象に症状の変化を見る追跡調査(2)重症化を防ぐための新たな治療法や運動法の開発(3)新しい診断技術の研究?など。いずれも5年以内に研究成果をまとめ、各市町村の介護予防の取り組みをさらに充実させる。

上記のように腰と膝の疾患では、ともに「変形性腰痛症」「変形性膝関節症」が全国1000万人であると言われている。正に社会現象である。これを読んだ腰痛と膝痛の患者さんはレントゲンを撮影して少しでも変形があると「変形腰痛症」「変形性膝関節症」と思い込み痛みが強くなる。

変形があろうがあるまいが痛いときは痛い、痛くないときは痛くない。それが「心」を持った人間の生命である。読んでいると腰椎や膝関節の変形がイメージかされ腰痛や膝痛が強くなってくるから読まないほうがいいかも。

拳骨


No 635 ストレスによる肥満

2007-07-11 | 感情ストレス
◆ストレスが脂肪細胞のたがを外し、肥満を増大させる

提供:WebMD

ストレス時に放出される分子が体脂肪細胞のたがを外す可能性が研究で示される
Jennifer Warner
WebMD Medical News
Reviewed By Louise Chang, MD


【7月2日】ストレスは体脂肪細胞にかかっている制限を解除することによって肥満を刺激する可能性があることが新しい研究から示唆されている。

研究者らは、NPY(神経ペプチドY)と呼ばれる、ストレス時に身体が放出する分子を発見した。NPYは脂肪細胞のある受容体を解放し、そのサイズと数の両方を増大させるとみられている。
しかし、研究者らによれば、このY2受容体を遮断することによって、最終的にはストレスに関連した肥満に有効な新薬を開発できる可能性があるという朗報もある。

「10年以上前から、慢性的なストレスと肥満には関係があることがわかっていた」とGarvan Institute of Medical Research(オーストラリア、シドニー)のHerbert
Herzog, PhDはニュースリリースにおいて述べる。「他の慢性ストレスによって誘発される状態(感染症にかかりやすくなる等)においてNPYが重要な役割を果たしていることもわかっている。今回、われわれは正確な経路、すなわち慢性ストレスと肥満を関連付ける一連の分子イベントを特定した」。

ストレスの脂肪への変換を停止させる

『Nature Medicine』に掲載されたこの研究の前半では、研究者らはストレス負荷および非負荷のマウスに標準食または高脂肪・高糖分の「ストレス解消食(comfort food)」を与えた。

予想通り、高脂肪・高糖分食を摂取したマウスでは体重増加が認められ、標準食を摂取したマウスでは体重増加は認められなかった。しかし、研究者らは、高脂肪・高糖分食群のストレス負荷マウスでは、同群のストレス非負荷マウスよりも体脂肪の増加が多いことを見出した。

この結果から、研究者らはストレス負荷マウスにおける脂肪の利用と貯蔵方法の差に注目するに至った。
「ストレスによって引き起こされるNPY量の増加についてできることはあまりないが、それが引き起こすダメージについてできることはいくつかある」とHerzog博士は述べる。

Herzog博士らは、Y2受容体を2週間遮断したところ、ストレス負荷マウスの腹部脂肪沈着が40%減少することを見出した。

「さらに驚くべきことは、お腹が引っ込むことに加えて、ストレスおよび食事に関連した有害な代謝的変化(耐糖能異常、脂肪肝等)が顕著に減少した。何が起こったのかはまだ正確にはわからないが、この効果は顕著であった」と研究者であるジョージタウン大学のZofia Zukowskaはニュースリリースにおいて述べる。「われわれの知見から、
心疾患および糖尿病にかかりやすくなる最悪の種類の肥満であるリンゴ型肥満を含め、ストレスおよび食事が原因の肥満を解消したり、予防したりできる可能性があることが示唆される」。

Kuo, L. Nature Medicine; July 1, 2007 advance online edition. News release, Research Australia.

ストレスによって身体内では、こんな科学的な出来事が起きてるようだ。良く考えるとこの出来事とも結果である。薬品で化学反応を抑えることができるようになることは間違いないだろうが、薬品による対処療法より、ストレスに対処する能力の向上が理想ではないかと思う。

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