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日刊イオ

月刊イオがおくる日刊編集後記

働く女性を取材して

2015-01-08 09:00:00 | (理)のブログ
 イオ2月号の特集は、「女性が輝ける社会づくりって?(仮)」です。内容の詳細は、昨日の日刊イオをご覧ください。

 私も特集関連の取材を地元の北海道で一つしてきました。働く同胞女性の紹介です。忙しいスケジュールをバリバリ、でもとても楽しそうにこなす姿を見ながら、働くということ自体についても考えることができました。実際にその方は「もし経済的に余裕があって働かなくていい状況だとしても、自分は働きたい」と話していました。

 また、女性が働きやすい職場づくりを実践している企業にもお邪魔しました。その会社の代表が話していた「人間が生活する上で、『遊ぶ』とか『集う』とかいろいろな行為があるけど、その中でも『働く』というフレーズは実に面白いと思う」という言葉が印象的でした。

 もちろん収入のためもありますが、自分の考えを形にしたり、新たなことを学んだり、働くということの中には様々な喜びや楽しみがあります。仕事を通してのみ触れあえる人たちもいます。

 その代表は「仕事を作業にしたとたん色あせてしまう」と言って、次のような話もしてくれました。

―ある街で、同じ作業をしている二つの集団があった。しかし、一方は覇気がなく、もう一方はいきいきとして見える。一つの集団に「何をしているのですか」と聞くと、「見れば分かるだろう、石を積んでいるんだ」という返事が。「それは楽しいですか」と聞くと、「楽しいはずがない」とさらに表情を曇らせた。別の集団に「何をしているのですか」と聞くと、「私たちは教会を作っているんです」という返事が。「それは楽しいですか」と聞くと、「楽しいどころか、素晴らしい。教会が完成すれば、街の人たちの心の拠り所になることでしょう」と顔を輝かせた。

 やりがいを持って働くためには、会社の制度や周りの理解といった外的要因と同時に、目的や意義をもって取り組む内的要因も必要だと改めて感じさせられました。…特集の「女性が働く」という趣旨からは少しずれてしまいましたが、雑誌の方は「女性の働き方」や「女性が働きやすい職場づくり」など、色々な視点から考えることの出来る内容になっています。ぜひご愛読ください。(理)

2月号特集「女性が輝ける社会づくりって?(仮)」

2015-01-07 09:00:00 | (愛)のブログ
イオ編集部は現在イオ2月号の〆切に向けて目下編集中です。
イオ2月号の特集は「女性が輝ける社会づくりって?(仮タイトル)」です。
イオWEBマガジンの次号予告の文章を紹介します。

女性が輝ける社会づくりって?(仮)
日本における女性の雇用状況を見るとき、女性の6~7割が第1子出産を機に無職になるという傾向が、なんと30年間も変わっていません。同胞女性も例外ではありません。そこでイオ2月号では、女性が働きやすい社会づくりとは何なのか、専門家の知恵を借りながら、考えてみたいと思います。



自分自身、妊娠、出産、子育てしながら仕事を続けていると、20代では気付かなかったことにたくさん気づかされました。
そのひとつがこの問題。
「女性が輝ける社会づくりを!」と安倍政権は言っているけれど、何ら変わってない女性の子育てと仕事の両立への生き難さ。
私の周りにはやはり子育てしながら仕事を続けている人は少なく、仕事をしている人は産休・育休をとり同じ仕事場で働き続けている人がほとんどで、結婚、出産を機に退職し、いちから再就職をした人はほんの一握りです。

・妊娠を望んでいるため、仕事をがっつりできない。
・働きたくても、子どもが小さいうちは子育てしながら働ける場所がない。
・都心だと、そもそも就職しなければ保育園に入れるのかもわからない。
・同じ職場で働きつづけている人も、職場の理解や家族の協力がなければとても無理。


悩みは尽きません。
 それでも中には模索しながらも様々なことに挑戦して、第1線で働いている同胞女性もいます。
この特集ではそんな同胞女性たちも何人か紹介しつつ、専門家の意見も聞きながら少しでも出口がみえるような企画になれるよう、編集部員たちで目下編集中です! 私は今回デザイン担当なので、少しでも楽しく読みやすいようにデザインしようと思います! イオ2月号は1月19日発行予定です。(愛)


「日本のなかの朝鮮人」

2015-01-06 09:00:19 | (淑)のブログ
 

 手元に古い雑誌がある。
 韓日条約が締結された1965年に発刊された、月刊『太陽』12月号(平凡社)だ。

 特集タイトルは「日本のなかの朝鮮人」。

 「いちばん近い外国,外国人 半島人,朝鮮の人,第三国人などと私は一度も呼ばない」と題した中野重治の寄稿にはじまり、梶村秀樹、小田実といった朝鮮問題の著名人らが、朝鮮半島と日本の歴史について誌面で論じている。
 編集部によるルポルタージュでは、帰国船の出る新潟港、強制連行の九州炭坑地帯、原爆被爆の広島、東京・大村・対馬・大阪での朝鮮人の生を、丹念に取材し、写真とともに掲載している。
 帰国者たちの別離の表情に映る悲喜こもごも、原爆のオモニ学校で朝鮮語を朗読する女性、被爆により全身ケロイドで苦しむ老女、朝鮮民主主義人民共和国創建17周年を祝い華やかに舞う在日朝鮮中央芸術団の舞踊手たち、キャンパスを闊歩する朝鮮大学校の学生…。
 50ページにわたる重厚な特集企画から、韓日条約と植民地支配の歴史忘却に警鐘を鳴らし、歴史の記憶から朝鮮半島と日本の関係を捉え直そうと試みる、編集者の気概を感じる。

 それから50年が経った2015年。朝鮮半島、在日朝鮮人を取り巻く日本の現住所はどうだろう。
 振り返れば、1940年代後半の4.24教育闘争にはじまり、60年代後半の外国人学校法案反対闘争、補助金獲得運動、大学受験資格問題など、在日朝鮮人の法的地位、民族教育の処遇は、不十分ながら少しずつ改善されてきた。言うまでもなく、すべて当事者らの闘いによるものだ。先人たちのその努力と労苦は、百万言を尽くしても言い足りないだろう。
 しかし、なおも在日朝鮮人の人権と尊厳は踏みにじられたままである。朝鮮学校に対する「無償化」排除、補助金カットなどの露骨な朝鮮学校弾圧もさることながら、特別永住資格の見直しを検討する政治家の動きまで噴出している昨今だ。

 昨年末に訪れた広島、駅前広場で開かれていた無料生活相談会で、広島朝鮮初中高級学校のオモニたちが、「上を向いて歩こう」を歌いながら、集まった相談者たちにこのように呼びかけていた。
 「私たちはいつも歌をうたいながら、毎日明るく前向きに暮らしています。皆さんもどうぞご一緒に!」
 オモニたちのひたむきな歌声に胸打たれたと同時に、なぜ、日本によりこれほどまでに苦しめられている在日朝鮮人の側から声を上げ続けなければいけないのか、依然として変わらない歪な構図に暗澹たる気持ちにもなった。

 『太陽』12月号特集の巻頭言には、「在日朝鮮人」という呼び名を用いた理由について次のように書かれてある。

 「一般には『在日韓国人』という言葉も使用されているのですが,本誌がこれを用いなかったのは,なにかの政治的国家的取捨をしたからではありません。反対に,国境や政治思想の区別をこえて,人間と人間のむすびつき,民族と民族のかかわりを考えてみたかったからであります。おそらく日本のなかの朝鮮人の問題を正しく解くことは,アジアのなかの日本を正しく解くための重要な鍵となるのではないでしょうか」

 植民地支配からの解放70年を迎える2015年。真の解放前夜、統一前夜を手繰り寄せる光を見出すべく、今一度歴史に立ち返り、在日朝鮮人の存在について深く考えてみたい。(淑)

新年のあいさつ

2015-01-05 09:00:00 | (相)のブログ
 

 2015年、明けましておめでとうございます。
 새해를 축하합니다.
 今年1回目のエントリということで、新年のごあいさつ申し上げます。

 8日間の年末年始休暇が終わり、今日は2015年の仕事始め。
 休暇期間中は、年末に1泊2日の旅行へ出かけたり、大晦日の夜から元旦にかけて浅草浅草寺で人生初めてとなる初詣を体験するなど、家にこもりがちだった例年とは違い、それなりにアクティブな時間を過ごしたように思う。
 そして、昨日までの正月気分の余韻に浸る間もなく、新年の初出勤の日から編集部内は2月号の締切に向けて追い込みに入っている。

 さて、2015年の干支(えと)は「未(ひつじ)」。ということで、ここでちょっと干支についての雑学を。
 「干支」とは、「十干(じっかん)」と「十二支(じゅうにし)」を組み合わせたもの。「十干」は甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸の10種類。十二支は子(ね)・丑(うし)・寅(とら)・卯(う)・辰(たつ)・巳(み)・申(さる)・未(ひつじ)・午(うま)・酉(とり)・戌(いぬ)・亥(い)で、「陰」と「陽」が交互になっている。
 十干十二支は十干の最初の「甲」と十二支の最初の「子」を組み合わせた「甲子(きのえね)」から始まり、「癸亥(みずのとい)」まで60種類ある。干支が一回りして同じ干支が巡ってくるのが「還暦」だ。2015年だと、十干は「乙(きのと)」、十二支は「(未(ひつじ)」なので、干支は「乙未(きのとひつじ)」になる。「乙未」は60のうちの32番目だ。
 
 今年は祖国解放70周年、総聯結成70周年、そしてイオ編集部が入る朝鮮新報社も創立70周年を迎えるなど節目の年になる。個人的にも、今年ついに「不惑の年」を迎える。動物の羊は群れをなすところから「家族の安泰」を表すとされ、「平和」に暮らすことを意味しているというが、羊にあやかって公私ともども安らかで平和な一年になればいいなと思う。
 今年もどうぞよろしくお願いします。(相)


大阪朝高ラグビー部、抽選に散る!

2015-01-03 17:27:46 | (K)のブログ


 1月3日、全国高校ラグビー選手権の準々決勝が花園ラグビー場で行われ、大阪朝高ラグビー部が広島代表の尾道高校と対戦しました。
 結果から言うと、試合は12対12で終了。得点、トライ数も同じで、抽選となり、抽選に外れた大阪朝高は、残念ながらベスト4に進むことができませんでした。負けて花園を後にするのではなく、本当に残念です。

 相手の尾道は、大阪朝高とよく似たチームで、呉英吉監督は試合前、「相手はタックルが強くフォワードが前に出る。ディフェンスでペースを作りフォワードでの攻撃が持ち味。フォワード勝負でそこが勝敗を分ける。20点以内の接戦になる」と語っていました。まさに、その通りの展開となりました。

 前半、主導権を握ったのは朝高でした。敵陣で試合をし、何度もゴール寸前まで迫ります。そのつど、相手の固いディフェンスに阻まれます。後で振り返ると、何度もあったチャンスに一つでもトライを決めていれば、試合の流れは変わっていたと思います。でも、12分、ラインアウトから展開したボールを最後はチェ・リュンジが右中間にトライ。前半を終えます。



 後半に入ってすぐ、尾道がバックスの展開からトライ。開始早々にトライを返されたのが痛かった。後半、尾道はバックスでの展開を仕掛けてきました。19分にはまた尾道がバックスでのトライ。難しいゴールも決めて5対12とリードされます。後半は朝高陣地でのプレーが多かった。

 そして試合はロスタイムに入ります。トライを奪ってもゴールキックを決めなければ負けるという状況。31分でした。ラインアウトからモールを作った朝高は、なだれ込むようにシン・ヒョンジがポスト横にトライ。執念のトライでした。ゴールも決まり、試合終了間際に同点に追いつきました。
 まもなくノーサイド。次の試合に進む権利は抽選にゆだねられました。



 別室での抽選。しかし、運命は朝高に微笑まず、尾道が次戦進出権を獲得しました。

 報道陣に囲まれた呉監督は、「仕方がない。選手たちは立派に戦った」とまず、選手たちを称え、「お互いに持ち味を出したいいゲームだった。選手たちは最後まであきらめずにトライを決めた。その段階で私は抽選だと思っていたが、選手たちはその後も得点しようとホイッスルがなるまで気持ちを切らすことがなかった。本当に成長したと思う」と語ってくれました。

 リ・スンギ主将は「全員が一体となって戦えてうれしい。朝高の気迫あるプレーはできた。3年間思い残すことはない。最後のトライは全員があの形でやろうと何もいわないでも意思統一ができていた。ベンチも含め全員で決めたトライだと思う。全国の同胞たちの応援のおかげでいいプレーができたと思う」と、目を腫らしながら語っていました。
 呉監督も「同胞たちの応援が後押しして決められたトライだった」と、日本全国の同胞たちに感謝の言葉をのべていました。そして、「このチームは1年間で一番伸びたチームだった」と最後にまた、選手たちを称えていました。

 次の試合に進めませんが、朝高は試合に負けたわけではありません。本当によくやってくれたと思います。5日まで大阪に残って、初出勤の日を競技場で迎えたかったのに残念です。今年の年末も花園に取材で訪れたいと思います。大阪朝高ラグビー部の選手、先生方、ご苦労様でした。(k)

大阪朝高ラグビー部、茗渓を圧倒

2015-01-01 15:23:36 | (K)のブログ


 読者の皆さん、新年おめでとうございます。今年も月刊イオ、日刊イオをよろしくお願いします。

 今日の元旦、全国大会に出場している大阪朝高ラグビー部のベスト8をかけた戦いが花園ラグビー場でありました。相手は茨城代表の茗渓学園。2年前の同じ元旦に負けた相手です。バックスの展開が速いラグビーをする強豪です。

 試合は立ち上がり、朝高が敵陣で試合をする展開。しかし、なかなか得点が奪えません。試合が動いたのが前半18分。ゴール中央のラックからチェ・リュンジが右サイドをついてトライ。24分にはオ・ガンテが相手のパスをインターセプトして30mを走り中央にトライ。波に乗ります。



 後半、始まってすぐに左中間ゴール前のモールからシン・ヒョンジが持ち込んでトライ。後半すぐのトライが相手にダメージを与えました。その後、相手にワントライを返されるものの、13分にペナルティゴールを決めると、15分、22分とアン・チャンホが素晴らしい突進を見せてトライ。試合を決定付けました。



 結局、36対7で茗渓学園を圧倒し、見事ベスト8進出を決めました。

 呉英吉監督は、「昨日の練習がそのまま試合でできた。前に出るディフェンスで相手にプレッシャーを与えて持ち味を封じ込める。フォワードもセットプレーで相手を圧倒できた」と会心の試合運びであったと振り返っていました。

 監督とリ・スンギ主将が共通して語っていたのが、大会に入ってからのチームの成長です。素人目にも初戦よりも素晴らしいラグビーを展開していました。これで、2年連続のベスト8が決定です。リ・スンギ主将は「昨年と同じ舞台に立ててうれしい。1試合でも多くこのメンバーでラグビーがしたい」と語ってくれました。

 次の試合は3日。相手や時間はこれから抽選で決まります。3日には、また成長した姿を見せてくれることでしょう。(k)