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日刊イオ

月刊イオがおくる日刊編集後記

新年号は大阪!

2013-11-14 09:00:00 | (瑛)のブログ
イオ編集部は、今年最後の12月号を作り終え、2014年の新年号に取り掛かっているのですが、新年号では大阪のトンポたちを特集します。

歴史をさかのぼると日本の植民地期、ウリトンポたちは、「奴隷船」とも呼ばれた「君が代丸」に揺られて大阪に辿り着き、苦しい生活を強いられながらもたくましく生きてきました。1921~23年の平野川の拡張工事には慶尚道から連れてこられた多くの労働者が安い賃金で働かされたといいます。

大阪特集をするにあたり、まず思い浮かぶのは、家族を養うために異郷で必死に仕事を探し、身を粉にして働き、今日の生活の基盤を築いてきた逞しい1世の姿です。手元に1960年代に猪飼野を写した写真集があるのですが、頭に荷物をのせながら歩くチョゴリ姿のハルモニ、路上でキムチを漬ける女性たち、朝鮮市場になびく朝鮮語の横断幕…と半世紀前の大阪に引き戻されます。大阪には済州島4.3事件の難を逃れて日本に渡ってきた人たちも多く、その体験を大阪で初めて聞いた時の衝撃は今も色あせていません。

特集では、大阪の同胞形成史を踏まえたうえで、ページを開くだけで口元がゆるむ楽しい誌面にしたいと思っています。

企画を立てるうえでは、生粋の生野っ子(麗)さん、同じフロアで働くCさんにもアイデアを出していただきました。

特集では「これぞ大阪」と言える風景や、元気な大阪トンポたちをたくさん紹介する予定です。このブログを読まれた大阪の方!ぜひおすすめのお店や観光スポット、名物トンポなど大阪のホットな情報をご紹介ください。

大阪と言えば、なんといっても「笑い」です。
編集部の(淑)さんが、以前大阪に出張に行ったとき、朝鮮幼稚園の園児に「ノップンパン? ナジュンパン?」と所属するクラスを聞いたところ、「焼きそばパン」という答えが返ってきて、大笑いした話も話題に上りました。特集では、そんな吉本顔負けのウリハッキョの「芸人」たちも紹介したいと思っています。(瑛)

自宅で映画

2013-11-13 09:00:00 | (K)のブログ
 12月号でドキュメンタリー映画についての特集を組んだ。特集の対談に登場していただいたドキュメンタリー映画監督の松江さんは今年映画を500本も観たそうである。それに触発されたこともあり、最近、レンタル店でDVDを借りて自宅で映画を見ることが多い。この前は「チャンプ」という映画をレンタルして見た。私が見たかったのではなく、息子が見たいとリクエストしたので借りてきたのだ。1979年公開のこの映画になぜ息子が興味を持ったのかはわからないが、そこはあまり突っ込まなかった。
 主役の父親役はジョン・ヴォイトで、「真夜中のカーボーイ」(69年)、「オデッサ・ファイル」(74年)、「コンラック先生」(74年)と、若い頃のジョン・ヴォイトには名作がたくさんあり、昔は好きな俳優だった。母親役はフェイ・ダナウェイ。フェイ・ダナウェイと言えば「俺たちに明日はない(ボニーとクライド)」(67年)という超名作がある。「チャンプ」でもフェイ・ダナウェイの演技のうまさが光っていた。

「チャンプ」は私が大学時代に公開されて話題になった映画だ。でも、当時、観たのか観なかったのかあまり記憶が定かでない。しかし、学生寮で友人とこの映画について話したことは強烈に覚えている。「「チャンプ」はすごく良かった」という友人に対し、同じ年に公開された「クレーマー、クレーマー」(79年)を引き合いに出して、次のようなことを言った。
 「「クレーマー、クレーマー」は離婚問題や親権の問題、父親の育児など社会問題を描いているのに対し、「チャンプ」はただ、「アボジが死んで悲しい」というだけ。泣かせるためだけの映画にすぎない」。
 これだけ「チャンプ」をけなしていたのだから、たぶん当時、ちゃんと映画を観ていたのであろうと思う。
 そして今回「チャンプ」を見ての感想は、学生時代のものとまったく同じであった。

 レンタルDVDで困るのは、人気のある作品は再生回数が多いからなのか、DVDが劣化していて、途中で画面が乱れたり場面が飛んだりストップしたりといったトラブルが多いことだ。ちょっと前も「スタンド・バイ・ミー」(86年)を見ていたら、画面が乱れついには途中で再生できなくなってしまった。
 膨大な作品のDVDをすべてチェックするのは難しいだろうが、前に借りた人もクレームをつけているはずなので、レンタル店はきちんと対処してほしいと思う。多少、画面が乱れるくらいは我慢できるが、完全にストップしてしまうのはあんまりだ。

 それはさておき、映画を借りる時は、気になっていた比較的最近の映画と昔の名作と呼ばれる映画の2本を借りることにしている。作品として感銘を受けるのは、やはり昔の映画だ。名作と呼ばれる作品は、時代がたっても色あせず、光を放っている。まだ見ていない名作を見ることもあるが、どちらかというと10代、20代のころに見た作品をもう一度見る(息子に見せる)ことが多い。
 今日たまたま名前が挙がった映画は、「コンラック先生」以外有名な作品なので、観た方も多いことだろう。まだ観ていないなら、「チャンプ」もふくめ(ネタばれしてしまったけれど)見て損はない作品だと思います。お勧めです。(徹)

(麗)の朝鮮日記04~平壌市内の小さな遊園地~

2013-11-12 09:00:00 | (麗)のブログ
9月9日に行われた閲兵式と市民パレードと平壌ホテルでの宴会を終えた翌日、みんなで平壌市内を散歩することになり、平壌ホテルから少し歩いた「烏灘児童公園」に行くことにしました。
敷地内には乗り物やトランポリンなどの遊具が充実しています(ちなみにこの公園は有料)。
公園というよりは「小さな遊園地」のよう。

この日は親子連れや友達同士で遊びに来ている人たちが多く、ローラーブレードやスケボーを楽しむ子どもたち、バレーやバドミントンなどではしゃぐ若者たちで盛り上がっていました。


乗り物の前には長蛇の列! みんな早く乗りたくてウズウズしています


ローラーブレードやスケボーを楽しむ子どもたち

かなりの上級者!


仲良し男子中学生


トランポリンに大はしゃぎの子どもたち。後ろには笑顔で子どもを見守る親の姿も


回転ゴンドラ。私も乗りましたが、ものすごい衝撃でした。笑


兄妹でしょうか?仲良く4人で


デジカメを握りしめて離さない女の子

遊んだのは1時間もありませんでしたが、久しぶりに童心に戻り、楽しいひとときを過ごす事が出来ました。(麗)

いつかコーヒー通に

2013-11-11 09:00:00 | (理)のブログ
 気がついたら、ちょっとコーヒー好きになっていました。ブラックを飲めるようになったのが大学1年のとき。先延ばしにしてきた課題の期限がいつの間にか翌日に迫っていて、「今日寝たらおしまい」という状況でおそらく人生で初めてブラックコーヒーを飲みました。カフェインへの免疫がなかったため効果は抜群。無事に課題を済ませることができました。その後4年間同じようなことを繰り返すのですが、4年後にはすっかり慣れてしまって、味に反比例してその効果はどんどん薄れていきました。このような経緯でコーヒーを飲み始めました。

 コーヒーが美味しいと気づき始めたのは大学卒業後。取材や仕事の打ち合わせなどで喫茶店を利用することが多くなり、インスタントではなくそのお店で淹れたコーヒーの味を知りました。お店によって全然味が違うということも。「このコーヒーは不味い」はまだ理解できませんが、「このコーヒーは美味しい」はなんとなくわかります。

 また、私がコーヒーっていいな、と思ったきっかけがもうひとつあります。それは以前たまたま見つけたこんな文章。


 哲学の授業。教授が空っぽの大きな瓶を手に取って、満杯になるまでゴルフボールを入れていった。彼が「この瓶はいっぱいですか?」と尋ねると、学生たちは不思議そうに同意した。
 すると教授は小石が入った箱を取り出し、中身を瓶へ注いだ。彼が軽く瓶を振ると、小石はゴルフボールのすき間に入り込んでいった。彼が「この瓶はいっぱいですか?」と尋ねると、学生たちはその通りだと頷いた。
 次に教授は砂の入った箱を取り出した。同様に瓶に注ぐと、砂はすっかり中を満たした。彼が「この瓶はいっぱいですか?」と尋ねると、学生はみな「はい」と答えた。
 そして教授はテーブルの下から2杯のコーヒーを取り出し、砂と砂のすき間を埋めるように、器用に瓶へ注いでいった。それを見た学生たちは大笑い。
 「さて」。教授の言葉に笑いが止まった。
 「この瓶は、あなたの人生を表しています。そしてゴルフボールは、あなたの家族、健康、友人、情熱などの重要なものを表しています。たとえ他のすべてを失ってもこれらは残り、あなたの人生は依然として満ち足りたものであり続けます」
 「小石は、あなたの仕事、家、車レベルの重要なものを指します。砂は、その他の小さなものを表します。もしあなたが最初に、砂で瓶をいっぱいにしてしまったら、小石やゴルフボールを入れるスペースが無くなってしまうのです。これと同じことが人生においても言えます。もしあなたが小さなことにすべての時間とエネルギーを費やしてしまったら、あなたは本当に重要なものを手にすることができないでしょう」
 「家族への感謝の気持ちを忘れないでください。健康診断をきちんと受けてください。人生において重要な、“ゴルフボール”を一番大切にしてください。優先事項を決めるのです。他のものは、単なる砂でしかありません」
 すると1人の生徒が手を挙げ、「それではコーヒーはなにを表しているのですか?」と質問した。教授は笑顔で「よくぞ聞いてくれました」と答えた。
 「これはあなたの人生がいくら手一杯に見えても、友人と一緒にコーヒーを飲む余裕がいつもあるということを表しています」。


 この話の主題ではありませんが、最後の一行にぐっときました。コーヒーは味だけじゃなく、それを飲んでいる時間とか空間を含めてのものなんだなぁ、お洒落だなぁ、と。

 仕事で会う人ともすぐに本題に入らず、まずは色々な話をしてお互いのことを知る時間が好きです。その時に飲んでいるコーヒーと、相手と交わした楽しい会話が結びついているためコーヒー自体が好きになったのかもしれません。そんな場が一つ増えるごとに、コーヒーの味がわかるようになるのかも。私がコーヒー通になるのはいつ頃でしょうか。(理)

ドキュメンタリーを作ってみよう

2013-11-10 09:00:00 | (愛)のブログ
さて、今回製作中のイオの特集はドキュメンタリー特集です。
個人的にあまり積極的にドキュメンタリー映画は見ないのですが、
テレビやそれでも劇場まで足を運んだドキュメンタリーをみては、大泣きして、感動して、
心にしっかり何かを焼き付けるほどドキュメンタリーはすごい力をもっていると思います。

何年か前、私も会社の若い同僚たちとドキュメンタリーを作りました。
名前は「朝鮮新報社版 情熱大陸」。
そう。情熱大陸をまねて、朝鮮新報社で長年働き続けている先輩にフォーカスして撮ったものです。
これは社内限定で作ったものなので、一般的にはお見せできませんが。
はじめは若い同僚たちでなにか一緒にできたら最高に楽しいだろうなあという
単なる軽い思い付きではじめたのですが、 自分が提案してしまったために、
その道のりは結構大変でした。

個人的に過去、映像の専門学校に通っていたこともあって、
動画を編集するのは結構好きで頼まれて何回かやったことがあるのですが、
なんせ、ドキュメンタリーをつくったこともなかったので、イチからその手の本を買って、
情熱大陸を毎週欠かさずみては、構成などを研究しました。
企画書作成からみんなの意見を聞き、実行委員の結成、社歴を勉強し、
撮影のための講習会を総連映画製作所の方を講師に開いてもらい、
グループ毎に班を設けて事前取材、ドキュメンタリーの方向確認のための度重なる検討会議、
脚本作成、撮影、足りない部分の再撮影、ナレーション作り、ナレーション録り、編集。。。。
やることが膨大で、仕事もあるので毎日が忙しく、
編集も自宅で夜おそくまでコツコツやっていました。
それでも、みんなで力を合わせてひとつのものを作れたのは楽しく、
新たに会社の歴史も知れて、自信にもなったので作ってみて本当によかったです。
大変だった分、青春の1ページとしてしっかりと刻まれています。
そのときの資料はきっと捨てずに一生保管すると思います。

今回ドキュメンタリー特集をするにあたって「朝鮮新報社版 情熱大陸」を見返してみました。
いまみるとかなり荒削りでした笑
ドキュメンタリー特集の中には「ドキュメンタリーを作ってみよう!」という企画も掲載されています。
今回、総聯映画製作所の方にお願いしてまとめてもらったのですが、
ドキュメンタリー作成のコツや撮影する際に気をつけることなどが掲載されています。
時間が戻れるなら、これを見てもう一度撮影、編集をし直したいです(笑)。
在日同胞社会には映像として残しておくべきものがたくさんあると思います。
何気なく通り過ぎていく毎日を、貴重な資料として捉えて、何かを残す。
皆さんもドキュメンタリーを作ってみませんか?
私も意識的に日々を過ごし、また何か機会があれば作ってみたいと思っています。(愛)

ウリハッキョの芸術コンクール

2013-11-09 09:00:00 | (淑)のブログ
 今年もウリハッキョでは、在日朝鮮学生中央芸術コンクールが行われました(10月30~11月1日、於大阪朝鮮文化会館)。今年で46回を数えます。ウリハッキョのいち生徒だった頃は芸術部に所属していたので、46回中の9回は私も参加しています。
 現在は、東日本と西日本で行われる予選を経て中央大会に上がるのは中級部、高級部のみですが、当時は初級部も同様に地方予選と中央大会がありました(2000年を前後する時期に、初級部においては東西それぞれで競われるようになりました)。
 私が通っていた東京朝鮮第9初級学校は当時、舞踊においてはちょっとした有名校で、中央大会は常連。当時は既成作品、創作作品に先立って朝鮮舞踊基本動作も審査されていたのですが、第9ハッキョの順番が回ってくると毎年他校が覗きにくるほどでした。
 今思い返せば、初級部にしては結構なスパルタだったと思います。踊りの体づくりの基礎となるバーレッスンからみっちりと叩き込まれ、柔軟体操、筋トレは部員の一人でも怠ければ連帯責任で全員が最初からやり直し、というふうに容赦なくしごかれました(笑)。それが中高級部での部活動において大いに活きたわけですが。

 朝鮮新報によると、今年は生徒ら1538人が185演目に出演したとのこと。
 舞踊部OGとしては、やはり舞踊部門でどのような創作作品が並ぶのか、毎年気になります。
 というのも、主に各校の舞踊教員らがつくる創作作品には、その時々の朝鮮半島や日本、在日朝鮮人社会を取り巻くさまざまな状況や出来事、問題がテーマとして描かれることが多いからです。
 私が在学時の第9ハッキョを例に上げると、初級部4年(1994年)は「チマ・チョゴリ事件」、5年は学校創立50周年、6年は日本学校からの転入生、といったテーマでした。
 他校の演目では、アトランタ五輪柔道金メダリスト、ケ・スニ選手の快挙を描いたもの、朝鮮の人工衛星光明星1号などが印象に残っています。
 技術とともに、表現することを通して子どもたちにアイデンティティやいろいろな問題意識を授けようと、先生方は創作にも指導にも苦心されたことでしょう。当時も今も。私自身、価値観の形成に舞踊(部活)が果たしてくれた役割はとても大きいです。

 今はFacebookなどで各校や保護者がいち早く動画を発信してくれるので、今年もありがたく拝見しています。優秀作品にも選ばれた群馬初中の男声4重唱を観ましたが、編曲もさることながら、ウィーン少年合唱団にも負けてない美声です(笑)。動画は群馬ハッキョのfacebookページでご覧になれます。

 近年、ウリハッキョの運動部の公式試合での目覚ましい活躍を誌面で大きく取り上げているのに比べ、芸術部は部活動そのものを取り上げる機会がなかなかないので、来年はその裏側も含めて取材できたら、と思っています。(淑)

東京朝高、「花園」まであと1勝

2013-11-08 09:00:00 | (相)のブログ
 東京朝鮮中高級学校ラグビー部が今年の全国高等学校ラグビーフットボール大会東京都第2地区予選での決勝進出を果たしました。決勝進出は4年ぶり4度目。悲願の「花園」初出場まであと1勝に迫りました。
 予選ノーシードの東京朝高は1回戦から出場。準決勝までの4試合を勝ち進みました。今月3日に行われた準決勝では終了間際の逆転劇で強豪の明大中野高校を13-12で破り、ついに決勝進出。
 そして、きたる10日に秩父宮ラグビー場で行われる決勝戦の相手は目黒学院。今年の新人戦と東京都春季大会優勝の強豪です。
 94年に朝鮮学校にインターハイ参加への道が開かれてから19年。この間、各朝高の選手たちがインターハイに加え、各種競技団体が主催する全国選手権大会に数多く出場してきました。ボクシング、重量挙げといった個人競技以外に団体競技でも、これまで大阪朝高がサッカーとラグビー、京都朝高と広島朝高がそれぞれサッカーで出場を果たしています。
 しかし東京朝高は、これまで何度かいいところまではいきましたが、サッカーやラグビーなど団体競技での全国選手権への出場はまだありません。今回は久々に巡ってきたチャンスだといえます。
 私はラグビーは素人ですし、観戦の目が肥えているわけでもないので、この場で試合の展望について語る能力はありませんが、卒業生の一人として母校のラグビー部の悲願成就を願っています。

 今週日曜日の決勝戦は11時30分開始。東京および近郊にお住まいの同胞たちはこぞって応援に駆けつけましょう。歴史的な瞬間を生で見られるかもしれません。
 私も取材のため現地に行きます。(相)

文通

2013-11-07 09:00:00 | (瑛)のブログ
昨日、帰宅すると、東海地方の友人から喪中はがきが届いていました。

この年になると結婚式や出産の知らせより、訃報を聞くことが増えてきました。自分を育ててくれた親御さんとの別れ。いつか来る道とわかっていても辛いものです。友人は今年2月にアボニムが他界されていました。

友人との文通は小学校5年から始まりました。当時、クラスでは他の学校に突然手紙を送り、文通を始めることが女の子の間で流行っていて、「〇〇〇学校 5学年 出席番号〇番目」という宛名を書き、ワクワクしながら返事を待つ、ということをやっていました。返事をくれたのはSさん。うさぎのような跳ねるような字からSさんも手紙を喜んでくれた気がしたことを覚えています。

私たちはその後もずっと文通をつづけ、進路を悩んでいたころには、Sさんの手紙を何度も読み返しながら自分の気持ちを確かめていたこともありました。

そして、社会人となった20代のある日、私たちは名古屋で初めて会いました。彼女はピアノの先生、私は記者という仕事を手にして間もない頃でした。

その時々の思いを伝えていたせいか、時間は自然に流れていきました。そして今も、たまの文通が続いているのです。

早いもので編集部では今年最後のイオを作っています。雑誌は半分以上が連載ものですが、今年で終わる連載のなかにマンガ「コッソンイ」があります。

最終回は、今から11年前に京都の中学生が書いた「文通」という作品です。

合唱コンクールで出会った二人の女の子が文通をはじめ、手紙を通して心を開放していくなかで一方の女の子が衝撃の告白をします。

「文通」、最終回にふさわしい作品です。12月号を手に取られた方はぜひ読んでみてください。

また、マンガ「コッソンイ」のバックナンバーは、イオのホームページから見ることもできます。
http://www.io-web.net/2013/10/ebook/(瑛)


結婚式、今昔

2013-11-06 09:00:00 | (K)のブログ


 この前の日曜日に結婚式に参加してきました。結婚したのは以前、月刊イオ編集部に所属し、この日刊イオのブログがスタートした時にもいた(茂)さんです。現在も記者として活躍しています。新婦はまた、祖国と民族、同胞社会のために活躍する芸術家です。
 結婚式は、(茂)さんと新婦が居住する地域の同胞たちはじめ多くの同胞が参加し、たいへんな盛り上がりを見せました。新婦が舞台慣れしているためか、堂々としてさわやかで、非常に良かったと思います。幸せな家庭を築いてほしいと願っています。(茂)さんには心からおめでとうと言いたい。

 さて、最近始まったことではないですが、今の結婚式は昔とは本当に様変わりしました。ケーキカット、キャンドルサービスは当たり前で、二人の幼い頃からの写真や交際しているときの写真を映像で流すのも当たり前のことになりました。最後には新婦から父母への手紙が朗読されます。


 逆に、昔あって今ないのは、新郎新婦の世話をやくテバンという役がいなくなったこと、新郎新婦の歌がなくなったこと。テバンはこの10年ほど見たことがありません。なぜなくなったのでしょうか? 関東以外の地域では残っているのでしょうか? 結婚披露宴とは関係ありませんが、新婚旅行から帰ってきてからの「足たたき」も最近やりませんね。新郎新婦の歌は、父母への手紙に取って代わられた感じです。どんな歌を選ぶのかによって、新郎新婦のいろんな考え方がわかったので好きだったのですが、昨今の日本社会や同胞社会の状況も歌わなくなった理由のひとつなのでしょう。
 昔の結婚式は質素だったと思います(日本人に比べるとそうとは言えませんが)。ケーキカットもキャンドルサービスもなかったし、時間も短いと1時間ちょっと、長くても2時間半ほどで終わっていたようです。今は4時間という結婚式も珍しくありません。

 さてさて、私個人のことですが、昔の結婚式でも面倒で照れくさくて、やらずにすむのだったらやらないでおきたいと本当に思っていたのに、もし今のような結婚式をやれと言われたらどうしようと、考えただけで気が重くなってしまいます。もし結婚相手が、イベントてんこ盛りの結婚式を望んだら…。今さらこんなことを心配する必要はまったくないのですが、心配してしまう変なクセがあるんですね。

 いち参加者として見ている分にはまったく問題なく逆に楽しいので、これから結婚する若い人たちには、自分たちが好きなだけ納得するだけ思う存分、派手で演出の凝った結婚式を挙げてもらいたいと思っています。(k)

(麗)の朝鮮日記03~平壌ホテルの喫茶店を制覇!~

2013-11-05 09:00:00 | (麗)のブログ
平壌ホテルは6階建ての構造になっており、各階に喫茶店があります。
そこでお茶やお酒を飲んだり、接客係りとのんびりおしゃべりをしたりと、お客さんにとって癒しの空間となっています。

平壌ホテルに宿泊している間、一日のスケジュールが終わると夜な夜なこの喫茶店に集まりちょっとした宴会を催していました。
ただ、あまりにうるさく騒ぐものだから翌朝、他の宿泊客に「もう少し静かに飲めないのか!」とお叱りを受けたこともありました。笑


1階の喫茶「ピロボン」のメニュー表はタブレット!ただしこれで注文は出来ません。
奥には、焼肉を食べる食堂もあります。




6階の食堂とカフェ。とても綺麗でおしゃれな内装


コーヒーも充実!


カプチーノとワッフルを注文しました

思えば、平壌ホテルの全階の喫茶店に足を運んでいました。
知らぬ間に喫茶店を制覇していたことに最近になって気付いたのでした。(麗)

アート脳に感動

2013-11-04 09:00:00 | (理)のブログ
 少し前になりますが、武蔵美×朝鮮大 合同企画展「この場所にいるということ」を取材してきました。隣り合わせの朝鮮大学校と武蔵野美術大学。武蔵美の学生が2校を隔てる壁を作品の題材にしたことがきっかけで、朝大美術科との交流が始まったそうです。今回の展示会を企画したのは武蔵美の先生。展示は武蔵美の芸術祭に合わせて行われ、私は初日のトークイベントに参加してきました。

 トークイベントでは主に、展示会開催までの経緯と作品に込められた意味が紹介されました。朝大美術科研究員生3人、武蔵美生3人がそれぞれ語ってくれました。

 話を聞いて、「あ、天才だなぁ」と感じました。発想が私には理解できません。作品に込められた意味はとてもよくわかったのですが、どのような生活を送っていればそんな考えが浮かぶのかが謎です。着眼点、発想の出発点、また感じたことの掘り下げ方などが独特なんでしょう。

 私はもともと理数科目が苦手で、高級部時代は大いに苦戦させられました。必死に基礎問題を解いている横でスラスラと応用問題までクリアしてしまう友人を見ると、羨ましく感じると同時に「なんでそんな簡単に解けるんだろう?」と不思議でなりませんでした。友人に言わせると、「こんなの方程式覚えれば簡単でしょ(笑)」とのこと。(笑)の意味がわかりません。この時、理数系の人とは脳の構造が違うんだということに気づかされました。

 今回、久しぶりに同じような感覚になりました。美術作品を鑑賞することは誰にでもできますが、つくりだすには特別な思考回路が必要なのかもしれません。ただただ「アート脳」の凄さを実感しました。

 トークイベントで印象的だったのは、企画した先生の「武蔵美生たちはどちらかというと、自分の内面的なものをすごく見つめて、掘り下げて作品にしている。反対に朝鮮大の子たちは、スタートは自分の内面的なものでも、外に向けてメッセージを発しているような作品が多い」という言葉です。確かに作品に込められた意味を聞いても、他者と繋がるテーマが多かったように感じました。

 取材を終えて、なんだか使命感というか、自分を精一杯表現している後輩たちに対するライバル心のようなものが一瞬芽生えました。せっかくいい発想を持っているのに、こういうイベントがないとそれを広めることができない場合ももしかしたらたくさんあるかもしれません。どんな小さいものでも、探して、拾って伝えていきたい、それがアート脳にはなれない自分の表現方法なのだと思いました。(理)

ウリハッキョの子どもたちの絵

2013-11-03 09:00:00 | (愛)のブログ
最近、色んな保育園に見学に行っています。
そこで結構な頻度で、子どもたちが描いた絵が貼ってあるのでみることができます。
そこでふと思ったのが、やはり朝鮮幼稚園や朝鮮学校の子どもたちが描いた絵は生き生きとしてるなあと。
なんというか、型にはまらず、自分の表現したいことを白い紙いっぱいに、時には収まりきれないほど、のびのびと表現しているのが朝鮮学校の子どもたちの絵には見られます。
様々なことを考え、感じて、それを絵なり、工作なり、映像なりでのびのび表現している朝鮮幼稚園、朝鮮学校の子どもたち。
子どもたちの個人差はあれど、奥底に眠っている感性をひきだしてくれているのだなと感じるのです。

上の絵は朝鮮学校に通っている姪っ子が遠足で見たレッサーパンダがあまりにもかわいくて、
帰ってきてすぐ描いた絵だそうです。
感動したものをすぐに描く、そのこと自体が素晴らしいなと感じます。


もうひとつ、朝鮮学校に通っている甥っ子が1年前に描いた絵です。
電車好きの甥っ子が描いた絵。

今年も在日朝鮮学生美術展 第42回展が全国を巡回展示しております。
東京展はすでに終わっていて、私も気づいたときには遅くみることができなかったのですが、12月に神奈川展があるので、そのときに足を運ぼうかと考えています。
全国の展示会の予定は以下の在日朝鮮学生美術展のホームページから知ることができます。
http://gakubi.jimdo.com/第42回学生美術展/
ホームには在日学生美術展のPVもあり、楽しく見ました。http://gakubi.jimdo.com/

まだ見ていない方はぜひ!足を運んでみてください。
子どもの絵の素晴らしさに感動すること間違いなしです!(愛)


スマホとストレートネック

2013-11-02 09:00:00 | (淑)のブログ
 近年、スマホを多用する現代人に増えているというストレートネック。
 よくニュースなどで取り上げられているのでご存じの方も多いかと思いますが、ストレートネックとは、通常、ゆるやかなアーチを描いている頚椎が、前かがみな姿勢が続くことで頚椎が頭の重さを支えられなくなり、アーチが失われ首がまっすぐになってしまう状態のことを言います。ストレートネックになると首周りの血流も悪くなって頭痛や肩こり、めまい、手のしびれ、ひいては自律神経の失調などが起きてしまうといいます。
 ストレートネック、つまり、猫背ということです。最近この言葉がよく耳について、耳障りです。
 というのも私自身数年前にストレートネックと診断されたからです。
 3、4年ほど前に右肩甲骨にビリビリっと走る不気味な痛みを感じて接骨院で診てもらったところ、レントゲン写真に写った私の頚椎は見事にまっすぐで、原因は姿勢の悪さ、猫背だと診断されました。子どもの頃はバレエも習って、学生の頃はずっと朝鮮舞踊部に所属していたくせに猫背だなんて、なんて情けないんだ!と、さすがにショックでにわかには受け入れられませんでした…(※最近になって知ったのですが、バレリーナはストレートネックになりやすいそう。人の身体はS字ラインになっていますが、バレエはそれをまっすぐに保とうとするからだそうです)。
 ストレートネックの原因は主に携帯・スマホ・PCなどを前かがみに見る姿勢に問題があるそう。でもそう言われると、思い当たるフシのある人がほとんどですよね。医師には頭が前に落ちているので、日常生活で頭の正しい位置を意識して下さい、と言われました。特別な治療法はないようですが、首をのばしたり、回したり、肩甲骨を動かしたり、こまめなストレッチが効果的だそうです。
 以前(相)さんもながらスマホの危険性についてブログで書いていましたが、うつむき族、歩きスマホ…、スマホの普及や進化にともなって今後も様々な疾患や社会問題が増えるかもしれませんね。便利な生活の代償でしょうか。身体のメンテナンスを含め、もろもろ気をつけたいと思います。(淑)


横浜でも補助金凍結

2013-11-01 09:17:46 | (相)のブログ
 各種報道でもすでに伝えられているように、横浜市は市内の朝鮮学校3校に支給している補助金の凍結を10月上旬に学校側に伝えた。市は、朝鮮民主主義人民共和国の核実験などを理由に2013年度予算に計上した約250万円の支給手続きを見送ってきたが、このたび、学校を運営する神奈川朝鮮学園側に「現下では執行する状況にない」旨を通知したという。
 市はさる10日に朝鮮学校を含む外国人学校に対する「市私立外国人学校補助金」の交付要綱を国際情勢に応じて支給しないことができるよう改正している。具体的には、補助の対象を定めた第2条に、「国際情勢を鑑み、補助金を交付することが趣旨(筆者注:国際交流の増進と私学教育の振興を図る)に反すると市長が認めた外国人学校にあっては、補助の対象としない」という項目を付け加えた。
 本年度は県も県内朝鮮学校5校に対する補助金(約6300万)を打ち切ったことで、朝鮮学校の財政状況はさらに厳しくなることは想像に難くない。
 「高校無償化」制度からの朝鮮学校除外も含めて、政府や地方自治体による一連の朝鮮学校差別の不当性はあらためて指摘するまでもないだろう。一部の「世論」に迎合し、また朝鮮民主主義人民共和国と関連する国際情勢を理由に(実際には理由になりえないのだが)、行政自らが朝鮮学校やそこに通う子どもたちを差別している。

 「高校無償化」問題についてはおもなたたかいの場が司法に移っている。今年1月の大阪と愛知に続き、8月には広島で訴訟が提起された。現在、九州、東京でも訴訟の準備が進めれている。原告は朝鮮学園や学校の生徒、卒業生たちだ。
 私たちも誌面を通じて何かできないか―イオ編集部ではすでに来年の誌面編集計画を大枠でまとめ、新たな企画も多く準備しているが、現在係争中の「高校無償化」、補助金裁判についても専門に扱うページをつくり、裁判の進行状況を伝え、当事者や支援者の声を拾い上げ、世論を広く喚起したいと考えている。(相)