毎日、朝のテレビや新聞を見ていて、朝鮮民主主義人民共和国の人工衛星打ち上げに関するニュースが出てくると、不謹慎だがちょっと笑ってしまう。各社が衛星打ち上げをどうしても「ミサイル」に仕立て上げたいという必死さが伝わってくる表現が面白いのだ。
例えばこんな感じ。
《長距離弾道ミサイルの発射実験とみられる「衛星」打ち上げ》(産経新聞)
《「人工衛星打ち上げ」と称する長距離弾道ミサイルの発射》(朝日新聞)
《北朝鮮が「人工衛星」と称して発射予告している弾道ミサイル》(読売新聞)
《北朝鮮が「衛星」として打ち上げる弾道ミサイル》(毎日新聞)
このほかにもいろんなバリエーションがある。さすがは、憲法で禁止されているにもかかわらず、《「自衛隊」と称する軍隊》を持っている国のマスコミだと感心させられる。
昨日、報道されたところによると、日本の宇宙航空研究開発機構に2日、朝鮮宇宙空間技術委員会から人工衛星の打ち上げと研究施設を見学してほしいと招待状がとどいたらしい。
読売新聞は次のように伝えている。
「招待したのは、朝鮮宇宙空間技術委員会で、人工衛星の打ち上げと研究施設を見学してほしいとしている。宇宙機構は政府と対応を協議しているが、文部科学省は「政府は打ち上げの中止を求めており、招待に応じることはありえない」と話している。北朝鮮は米航空宇宙局(NASA)にも招待状を送っており、打ち上げが平和利用であることをアピールする狙いがあるとみられる。」
本当に平和利用であることを証明しアピールするために朝鮮は日本や米国に招待状を送っているのだから、読売の「打ち上げが平和利用であることをアピールする狙いがあるとみられる」という書き方は、本当にトンチンカンであるのだが、それはさておき、せっかく朝鮮側が「見せますよ」と招待しているのだから、日本は招待を受ければいいと思う。そんなに疑っているのなら。
結局、「北朝鮮」が飛ばすものは、人工衛星であれミサイルであれ気球であれ、何でもダメだということなのだろう。
浅井基文さんの「21世紀の日本と国際社会」というウェブページに掲載されたコラム「眼を蔽う朝日新聞社説-「北朝鮮ミサイル 打ち上げ中止を求める」批判-」に、宇宙の平和利用が宇宙条約第一条という国際法で認められた朝鮮の正当な権利であることがわかりやすく書かれている。ぜひ一読していただきたい。
http://www.ne.jp/asahi/nd4m-asi/jiwen/thoughts/2012/432.html
日本のマスコミ報道によって、日本の人たちは朝鮮に対する歪んだ印象を持ってしまっているわけだが、宇宙航空研究開発機構の人だけでなく、ぜひ一人でも多くの人たちが朝鮮を訪問し、自分の目で見てほしいと思う。朝鮮でお土産を買ってきても日本の税関で没収されるようだが。(朝鮮新報の記事:http://jp.korea-np.co.jp/article.php?action=detail&pid=53192)
ということで、朝鮮訪問の際に利用してほしいと、このたび朝鮮旅行のためのガイドブック「朝鮮 魅力の旅」が発行されました(写真)。
1996年に出版されたものの改訂版です。新しくできた観光スポットや平壌市内のレストラン情報などが新たに掲載されています。
発行は朝鮮新報社。定価は900円(税別)。
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