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大阪朝高ラグビー部、「花園」初戦突破

2018-12-28 15:22:31 | (全)のブログ




 第98回全国高等学校ラグビーフットボール大会第一回戦が12月28日、東大阪市花園ラグビー場第3グラウンドで行われた。11月の大阪府予選決勝で同志社香里を破り、4年ぶり10度目の「花園」出場を決めた大阪朝鮮高級学校は、一回戦で山梨県代表の日川高校と対戦した。日川高校は「花園」に11大会連続で出場している強豪校だ。

 選手たちにとっては初めての「花園」。未経験の舞台に加えて、大会の初戦に選手たちからは緊張感が漂っていた。しかし試合前のアップで選手、スタッフたちは、お互いに声を掛け合いながらモチベーションを高めていた。



 午前10時、試合開始を告げるレフリーの笛が鳴り響いた。先手を打ったのは相手の日川高校。前半3分、日川高校はハーフライン中央ラックから左へつなぎ左中間にトライを決める。府予選決勝では先制トライを決めた大阪朝高だったが、開始早々失点を許した。

 大阪朝高は立ち上がりからミスが目立ち、勢いに乗ることができない。しかし大阪朝高は、同7分に右ラインアウトから、「伝家の宝刀」のモールで押し込み、2番の金樹一選手(3年、フッカー)がトライを決める。続いて12番の李承信選手(主将、左センター)も着実にゴールキックを決め、同点に追いつく。







 拮抗した試合展開が続く前半だったが、均衡を破ったのは大阪朝高だった。同19分に、敵陣でラインアウトのこぼれ球を拾った5番の尹礼温選手(2年、右ロック)が左中間にトライ。李選手のゴールキックも決まり、14-7とリードする。同30分には、相手の反則から得たペナルティーゴールを李選手が決め、大阪朝高は前半を17-7で折り返した。


大阪朝高の応援席。声援は選手を後押しした。

 両校とも拮抗した前半だったが、後半序盤も一進一退の攻防が続く。前半は反則が目立った大阪朝高だったが、後半は徐々に修正してきた様子だった。後半が動いたのは、後半12分。日川高校が、ゴール前左中間ラックから巧みなパス回しで右へ展開。最後にボールを受け取った選手がそのままトライを決めた。相手のゴールキックも決まり、スコアは17-14と相手が追い上げる。前半同様、後半も先制トライを許した大阪朝高だったが、動揺することなく、試合を進める。





 同18分、ゴール前右中間のスクラムから12番の李選手へボールをつなぐと、李選手は巧みなステップで次々と選手を交わし、トライを決める。ゴールキックは失敗するも、圧巻のトライに会場はどよめいた。



 さらに李選手は同21分に、観客を脱帽させるトライを決める。30m左中間で相手タックルによりこぼれたボールを10番の金純海選手(3年、スタンドオフ)が拾い、12番の李選手へパスをつなぐ。パスを受け取った李選手はステップで相手を翻弄。さらに相手の一瞬の隙を突き、中央突破で駆け抜ける。タックルも交わし余裕のトライを決めた。ゴールキックも決まりスコアは29-14と日川高校を突き放す。このスコアが動くことはなく、試合終了を告げるノーサイドの笛が鳴り響いた。



 試合終了後、大阪朝高の権晶秀監督は「厳しい試合だった。チャンスは作れたが、取りきれなかった部分も多かったので、この点を克服すればさらにレベルアップが期待できる。キャプテン(李承信選手)だけでなく、皆の持ち味を最大限に活かすことができればさらに良い試合ができる」と話した。
 李承信主将は「大会一回戦ということもあり、いつもとは違う雰囲気のなかチーム全体が緊張していた部分があった。前半は特にうまくコミュニケーションをとることができず、相手のペースが続いたと思う」としながら、後半の二つのトライについては「自信につながるトライだった」と振り返った。二回戦の意気込みについて聞くと、「この試合で一人ひとり、チーム全体がまた一つ成長できたと思う。失うものはなにもないので、『チャレンジャー』という気持ちで出し惜しみすることなく全力で臨みたい」と話した。

 大阪朝高は12月30日(日)の13時15分から、ベスト16をかけBシードの報徳学園高校(兵庫県代表)と花園第一グラウンドで対戦する。(全)

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