日刊イオ

月刊イオがおくる日刊編集後記

奈良ハッキョで行われた第40期卒業式

2012-06-13 09:00:00 | (K)のブログ

 6月10日の日曜日、休校中の奈良朝鮮初中級学校に行ってきました。その日に行われた奈良朝鮮初中級学校卒業生・関係者による大同窓会「나~らのハッキョ」を取材するためです。
 奈良ハッキョは1969年に創立。約420人の人々が卒業したそうです。大同窓会には卒業生や教職員をはじめ同胞たちや日本の方々など約300人が集まりました。

 詳しい内容は、月刊イオの8月号で紹介するので書きませんが、ひとつだけ、参加者全員がもっとも感動したことを紹介したいと思います。

 大同窓会も終わりに近づき、5人の子どもたちが壇上に上がりました。
 奈良ハッキョは児童数の減少などを理由に2008年に休校となりました。同校に通っていた子どもたちは大阪の朝鮮学校に通うことになります。当然、休校から4年、奈良ハッキョでは卒業式を行っていません。
 そこで企画されたのが、第40期奈良朝鮮初中級学校卒業式。休校にならなければもらえたはずの、奈良ハッキョの卒業証書を卒業式を開いて子どもたちに授与したのです。2007年以来の卒業式となりました。
 
 5人の子どもたちは、現在、東大阪朝鮮中級学校に通っています。その5人に、休校になる時の校長先生だったク・ヨンテ校長(現在、福島朝鮮初中級学校の校長先生です)が一人ずつ卒業証書を手渡します。
 涙を流す子どもたち。
 代表してあいさつに立った金煌碩くん(中2)も涙で声が出てきません。それでも「途中で学校を離れなければならなかったけれど、奈良ハッキョに対する愛情は誰にも負けません。奈良ハッキョの卒業生としての誇りを胸に、これから勉学に励みます」と決意をのべると、その姿を見て集まった同胞たちも目を赤くしていました。

 この日の大同窓会をスタートに、奈良の同胞たちは休校となったハッキョを再開させるための活動を本格的に始めるといいます。そんな同胞たちの決意があふれていた素晴らしい大同窓会でした。
 きれいに掃除された教室の黒板には、卒業生が「奈良ハッキョ 永遠の我が母校(?)、我が故郷」とメッセージを残していました。(k)


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1 コメント

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Unknown (オンニョ)
2012-06-14 11:44:34
感動的な記事を有難うございました。シェア―させていただきました。
ちょうど同じ日に東京でイベントがあったので奈良にはいけなかったのですがKさまが感動的な記事を書いてくださったので読むだけでうるうるしてきました。
奈良のウリハッキョの竣工式でも舞台に立たせていただき、ハンメになった今も何かと奈良で舞台に立たせていただいております。奈良の卒業生たちも多々教えることができ、とても身近に感じ、第2の母校のように思っています。
ハッキョ再開に向けお手伝いできたらなぁと思っております。コマッスムニダ。
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