日刊イオ

月刊イオがおくる日刊編集後記

2年ぶりに平壌へ

2012-05-18 09:00:00 | (相)のブログ

 突然ですが、本日5月18日から日本を離れ、3ヵ月ほど朝鮮民主主義人民共和国に行ってきます。
 自分自身、訪朝は2010年以来2年ぶりになります。月刊イオが属する朝鮮新報社の平壌支局駐在記者としての赴任です。
 朝鮮新報は1980年代後半から平壌で取材拠点としての支局を運営しています。社内の朝鮮半島問題担当記者らが交替で平壌に駐在し、現地のニュースをカバーするわけです。日本や海外メディアとの違いを挙げるとすれば、2~3年の長期で滞在する特派員に比べて、私たちは3ヵ月~半年間のサイクルで繰り返し駐在するのが特徴です。
 私はイオ編集部に配属される前は朝鮮新報の記者として朝鮮半島問題を担当し、日本と朝鮮を行ったり来たりする生活を6年ほど続けていました。通算の朝鮮滞在期間は2年くらいになるでしょうか。
 自分が最後に訪問した2010年以降、朝鮮民主主義人民共和国をめぐる情勢はめまぐるしく変化しています。昨年以降の動きだけを見ても、金正日総書記の逝去にはじまって、金正恩第1委員長の朝鮮労働党第1書記および国防委員会第1委員長就任、人工衛星の打ち上げなど内外で注目を浴びる出来事が相次いでいます。
 このような時期に現地で取材を行えるというのは記者として非常にやりがいを感じる半面、はたして2年のブランクを経て平壌での仕事に対応できるのかどうか不安もあります。雑誌から新聞へと仕事のサイクルも変わりますし。平壌現地での取材はさまざまな制約を伴うもので、実現した仕事より実現できなかった仕事のほうが多いことは確かです(だからこそ、よしやってやろう、というモチベーションも生まれるのですが)。
 平壌で仕事をするたびに思うのは、自らの「立ち位置」の問題です。総聯メディアの記者として、在日朝鮮人の記者として自分は何を取材して何を伝えられるのか。韓国メディアでもなく日本のメディアでもない独自のポジションで伝えたいこと、伝えるべきこととは何なのか。平壌での取材経験はある程度ありますが、いまだにわからないことだらけです。
 現地でも可能な限りブログの更新は続けたいと思います。乞うご期待を。(相)