日刊イオ

月刊イオがおくる日刊編集後記

朝大美術科、袴田クラスの合同展示会を見てきました

2012-05-01 09:00:00 | (麗)のブログ
先週、ブログで紹介した朝鮮大学校美術科と袴田クラスによる合同展示会。
土曜日が最終日だったので、展示会場である武蔵野美術大学まで足を運んできました。
今回の展示の経緯は、武蔵野美術大学の袴田クラスが毎回行っている、日々の悩みや考えを吐き出しテーマを設けて
意見交換をする場である「ミーティング」に、朝鮮大学校美術科のメンバーを招待しようということから実現したのだそうです。
初日には公開ミーティングが行われ、テーマに沿ってそれぞれの作品についてなどを話し合ったそうです。

この日、展示場まで案内してくれたのは朝鮮大学校美術科研究院のチョン・ユギョン君。
彼を筆頭にこのような活動が行われているのです。前回の卒業展示から、交流の輪が途切れることなく続いていることが何より嬉しいです。

学内を歩いていると、それぞれ自由にのんびりと午後を過ごす学生たちであふれていました。
芝生に寝そべってゴロゴロしている学生、写真を撮っている学生、ベンチで談話している学生…。
彼らの生き生きした姿を見ると、本当に良い環境で美術を学べているんだなぁと改めて思います。
会場近くまで差し掛かると、まず目に飛び込んできたのは何ともスタイリッシュで洗礼されたデザインの図書館!
知らぬ間にこんな立派な図書館が出来ていたとは…! 
その外観が本当に素晴らしかったので是非入ってみたかったのですが、一般解放されてないとのこと。残念です。

展示場にたどり着くと、朝鮮大学校の教員たちも見に来ていました。
絵画やインスタレーション、公開パフォーマンスなど作品は様々。折角なので、朝鮮大学校美術科の学生たちの作品を写真で紹介します。


「不可視」 李昌玉(リ・ジョンオク)


「Name」 宋明樺(ソン・ミョンファ)



「飛び出せ!」 金龍主(キム・リョンジュ)


「ハルベ(祖父)」 鄭梨愛(チョン・リエ)


「hue&matiere」 鄭裕憬(チョン・ユギョン)


「今回の合同展示で周りは『すごい』と言ってくれるけど自分たちからすれば何もすごいことはしていないし、
美術をやる上でこれが当たり前だと思っている。先代がもっと前から武蔵野美術大学と交流をしていれば、こういった展示がいまも続いていたはず。」とユギョン君。

「いままでの交流を振り返ると、やはりツイッターを利用したのが大きかった。
交流を呼びかけると、面白いくらいとんとん拍子に企画が進んでいった。蓋を開けてみれば、こんなにも簡単に交流は出来る。」

その事に対して「これも時代だな~」とまとめてしまえばそれで済みますが、彼らの情熱とフットワークの軽さが、多くの人を動かしたのではないかと思います。
それと同時に、彼の言葉がグサッと胸に響いたのも事実。過去の自分たちの活動を思い返して、「嗚呼、あの頃の自分に喝を入れたい」と反省しっぱなしでもありました…。

美術に対しての情熱や野望、朝鮮大学美術科のこれからの可能性など、どんなことにも積極的に活動していきたい!という
思いがストレートに伝わってきて、ある意味学生らしい、健全な向上心だと彼の話を聞いていて思いました。

最後に「また展示が決まれば見に来てください」と、にこやかに手を振って見送ってくれた姿を見て、今後の彼らの活動に心躍った土曜日でした。(麗)