飛ばない豚はただの豚

　新型インフルエンザが世界的な猛威をふるっている。
　そんな中、風邪をひいた。
　「豚か！？」と勝手に思っていたが、ウィルス性ではなかった。
　海外に行っていないし、それに該当する人とも接触していないから、当たり前なのだが。

　WHOが日本時間の30日早朝、危険度を「フェーズ５」に引き上げた。
　パンデミック（世界的大流行）の一歩手前のレベルという。
　水際で防いでもらうことに越したことはないが、日本にはワクチンの蓄えもあり、それほどパニックに陥る必要はなさそうだ。

　ジブリ映画の名作の一つに、こんな名ゼリフがある。
　「飛ばない豚は、ただの豚だ」。　
　
　「飛べない」とよく間違われるこのセリフを、今回の問題を見ながら思い出した。
　騒動のウィルスを持っている豚も、それが人にうつらなければ、ただの豚なのである。
　死者も多数出ているこの問題を茶化すつもりは毛頭ないのだが、豚にとってはとんだ災難だと思う。
　普通に生きてきたのに、勝手に「飛ぶ豚」にされてしまったのだから。

　狂牛病に鳥インフルエンザ…。
　これからも自然界からの猛威は次々と出現するはず。
　それだって、基本的にはすべて、人間たちが「飛べる」ようにしてしまったからだと思う今日この頃である。（茂）