満月と黒猫日記

わたくし黒猫ブランカのデカダン酔いしれた暮らしぶりのレポートです。白い壁に「墜天使」って書いたり書かなかったり。

『猿の惑星 征服』

2012-03-02 04:05:39 | 映画

皆様ごきげんよう。さしたる心当たりもないのに太腿の前側が痛い黒猫でございます。すんごい運動したあとならわかるけど、そうでもないのになんぞこれ。とりあえずマッサージしておきました。

今日はDVDの感想。

『猿の惑星 征服』(※リンク先はwikipedia、ネタバレありにつき注意)

※以下あらすじですが、前作までの範囲でのネタバレ要素がありますので、ネタバレNGの方はご注意下さい。ちょっと努力してみましたが、前作までのネタを割らずにはわたしの文章力では説明できませんでした。サーセンwww



前作の最後で、猿の惑星からやってきた知性を持つ猿・コーネリアスとジーラは殺されたが、二人の子供・マイロ(ロディ・マクドウォール)は母・ジーラの機転によりサーカスの他の猿の子と入れ替えられたため追手の目を欺いて生き延び、サーカスの主・アーマンド(リカルド・モンタルバン)によって秘密裡に育てられる。

そして時は過ぎ1991年。8年前に宇宙飛行士が持ち込んだウイルスにより、地球上の犬や猫は全て死に絶えた。人類は代わりに猿をペットにするようになり、やがて彼らを奴隷同然に使役するようになっていた。しかしそれまで人間がしていた仕事を猿にやらせるようになったため失業者が増加し、仕事のない人間の不満は高まっていた。そして猿たちにも不当な扱いに反抗する者たちが出始めていた。

ある日、サーカスの宣伝のためにアーマンドに連れられて街中に出たマイロは、猿への数々の不当な仕打ちを目撃し、耐えかねて罵倒の言葉を発してしまう。地球の猿はかなり高度に使役化されていたものの、まだ言葉を発することはできなかった。喋ることができる猿がいるとすれば、それはジーラとコーネリアスの子供に他ならない。
マイロが生きていることを世間に秘密にしたまま守り育てたアーマンドは、マイロがジーラとコーネリアスの子であることが発覚するのを恐れ、罵倒の言葉を発したのは自分だということにして出頭する。
庇護者を失ったマイロは、別れ際のアーマンドの助言をもとに、新たに使役されるために他国から輸送されてきた猿の群れに紛れこみ、身を隠す。

賢く従順なふりを続けたマイロは、短い訓練期間ののち高額で競り落とされ、マイロの行方を追っている知事の元で働くことになるが・・・?

というような話。

前3作はどれもこの結末でまだ続けられるのかと思わせられる結末でしたが、今回の舞台も現代の地球ではありますが、前作からは20年ほど経っている設定。

舞台が1991年で、公開当時の時点では近未来の話になっています。しかし第3作の時代からほんの20年弱でディストピアまっしぐらな感。猿たちにとってもですが、警察が特高みたいになっていて社会の閉塞感が強くなっています。
彼らにしてみれば「未来の地球では猿が人類を支配している」というジーラとコーネリアスの語った未来を避けるため、その未来につながる種を絶っておきたいのでしょうが、それが却って事態の悪化を招きます。でも人間だって嫌だろこんな社会。現実だったら動物保護団体と失業者が猛烈に反発しますよ。

シーザー(※マイロは途中からシーザーと改名)は知事の元で働きながら猿のレジスタンス組織と接触し、やがてリーダー的な存在になりますが・・・?

中盤でシーザーが捕まってからの一連のシーンでは、このシリーズが通じて語りたかった「人間は猿よりずっと残酷だ」というのが一番如実に現れていると思います。実におぞましい。

しかしシーザー以外の猿たちは文字も読めないし言葉も喋れないものの、お互いある程度意思疎通ができており、人間の言葉もある程度わかっている模様。シーザー登場以前にレジスタンス組織を作っていたくらいだし。ほんの20年程度でどうやってここまで進化したんだろう。人類側は猿の知的レベルが上がりすぎるのを恐れているようなので、人為的には操作してないと思うんですが。

猿たちは様々な用途で使役されていましたが、それにしたって「Do」だけで色々やらせようってのは不親切なんじゃないかと思いました。盲導犬とか警察犬だってもうちょっと明確な指示を与えられないと動けないんじゃないのだろうか。せめて「何を」やれ、って指示しろよ、と思ったわ。多分あそこにいた猿たち、喋れたら「何を?」って突っ込んでたと思う(笑)。

あと、猿たちの反乱のシーンですが、実際ああいう事態が起こったら、猿は人間より圧倒的に強いと思うんですが。(※人間が武装していなければだけど)
オランウータンの握力なんか凄まじいし、ゴリラに至っては身体能力のどれをとっても最強だもんよ。腕の一振りで人間の首なんか軽く飛ぶと思う。
でも実際猿を演じているのは人間であるせいか、そういう残酷描写はありませんでした。割とスタイリッシュに武器を使いこなしてた(笑)。

いつかの未来、人間以外の知性体を使役するようになったら、起こりえないとは言い切れない事態かもしれませんね。人類の歴史にだって何度もあったことですし。歴史から学べよ、という話ですね。
ラストはまた救いのないバットエンドかと思い胸が痛くなりましたが、ギリギリ踏みとどまってよかった。よかったけど、猿たちに言葉通じすぎだろ。シーザーの演説聞いて盛り上がりすぎ(笑)。どうやってらここまで進化するんだ。

最後に本筋とは関係のない疑問。猿も特に頭部の体毛が伸びるように進化したのだろうか。雌の猿のみ肩くらいまで髪?(体毛?)が伸びてた。雌雄の区別がつくようにということでそうしたんだとは思いますが、なんだかなあ。

でも映画としてはとても面白かったです。今回も「この結末でまだ続けられるのか」というエンディングでしたが、次作はどうなるのか。わくわく。