満月と黒猫日記

わたくし黒猫ブランカのデカダン酔いしれた暮らしぶりのレポートです。白い壁に「墜天使」って書いたり書かなかったり。

『天然コケッコー』

2007-07-27 01:41:37 | 映画

遅くなりましたがレビューです。

『天然コケッコー』

くらもちふさこさんの同名漫画の映画化。

山と田んぼ、ちょっと歩けば海もある田舎町。小中学生合わせても6人しかいない分校に、東京から中二の男子生徒、大沢(岡田将生)が転入してくる。分校の最上級生でもある中二のそよ(夏帆)は、初めて同級生ができるのが嬉しくて、色々と想像を巡らせ、転入生がやってくるのを楽しみにしていた。
しかし実際やってきた大沢は、そよの想像と違い、第一印象は感じが悪かった。そよは気分を害するが、それでも次第に打ち解けていく。
ある時大沢の家を訪れたそよは、大沢が電話で「神社でそよとキスした」と言っているのを聞いてしまうが・・・?

というようなお話。


いやあ、本当にまったりしてました、この映画。

いつもわりとちゃんとあらすじを書くわたしですが、この映画、あんまり山場はないのでやたら短くなってしまいました(笑)。映画にスペクタクルとかドラマチックな展開を期待する人には不向きかも。

自然豊かな田舎町を舞台にした、思春期真っ盛りの中二の夏から、高校に入る春までを描いていますが、本当に自然が綺麗。どの季節も綺麗だけど、やっぱり夏がいいな~。すいか食べて海行って。それだけで楽しいよね!

夏にみんなで連れ立って海に行ったり(小さい子は服の下に直に水着を着ていたり)、自殺現場に出るという幽霊の噂を怖がったり、みんなで秋祭りに行って、なんとも思ってない人とくっつけられそうになったり、ジャケットが欲しいけど田舎なのでこれというものが売っていなくて、人んちにあった通販雑誌で注文しようと思ったら申し込み葉書の期限が切れていたり。「あるある」と言いたくなるような日常の積み重ねがリアルでした。

中学生という、親にはまだ子ども扱いされるけど、もっと背伸びしたいお年頃の諸々が随所に現れていて微笑ましいです。ヒロインのそよはずっと田舎育ちなので、時折田舎の不便さを嘆きつつも結構満足して暮らしているんですが、東京から来た大沢にとってはどれを取ってもありえない不便さなわけで、ちょっと可哀想になりました。でもこの子も流石思春期男子、友達にあることないこと言ってみたり、微笑ましいです。

あと他の子どもたちが可愛かった~。中一女子がふたり、この子たちはそよの友達で年長組です。そよの弟が小6。お姉ちゃんのことを「そよちゃん」と呼んでいたので、最初姉弟だとは思いませんでした(笑)。あと小3?の女の子と小1の女の子がひとりずつ。一番小さい小1のさっちゃんが可愛くて可愛くて。そよのことが大好きなのです。
子どもが6人しかいないからみんな兄弟みたいなものなのか、年長組が小さい子の面倒を実によく見ていたのも素敵。今の日本ではもうなかなか見られない光景な気がします。

ほのぼのまったりしたい方におすすめ。