goo blog サービス終了のお知らせ 

がーこ 見聞録

がーこの街歩きと飲み食いのブログ。

拳は長い散歩に出たらしい…。

2008年10月07日 21時45分32秒 | がーこのつぶやき
 これは今から七年前のちょうど十月。
 東京「新橋演舞場」で上演された「信濃の一茶」のプログラムの表裏表紙です。
 これが表。
     
 これが裏。
     
 裏表紙の左下に赤い印で「けん」とありますように、これは、「信濃の一茶」で
 主役の「小林一茶」を演じた「緒形拳」さんが、自らの手で書いたものです。

 この芝居には、「緒形拳」さんが所属していた「新国劇」の重鎮。
     
 島田正吾(2004年11月没)さんと、
 昨年5月に亡くなられた「文学座」の重鎮。
     
 北村和夫さんが出ておられました。
 
 当時付き合いのあった、役者が、やはり「新国劇」の出身で、「緒形拳」さん
 と同じ「辰巳柳太郎」の付き人だったことから、この芝居に出演しており、
 観劇する機会があったのですが…。

 緒形拳さんのひょうひょうとした一茶と、その妻になる女を演じる
 水谷八重子さんの演技が実に、ほのぼのとのどかな雰囲気を醸し出しており
 ました

 今朝、その「緒形拳」さんの訃報を聞き、本当に驚きました。
 先日このブログにも書いたポールニューマンさんの死から十日もせずに、
 あの梅安が、そんなあっけなく去ってしまわれるとは…
 ちょっと信じられない気持でいっぱいです。

 たまたま今は亡きこの名優三人が揃っていた芝居を拝見する機会があって、
 幸せでした。「島田正吾」さんは翌年、大阪の「松竹座」で「ひとり芝居」
 (演舞場では恒例だった)を初めて演じるということで、チケットを手配して
 いたのですが、公演を前に脳梗塞で入院され、島田正吾さんを生で観たのは、
 この「信濃の」が最初で最後になりました。
 「緒形拳」さんについても、生で拝見したのは、この芝居がやはり最初で最後
 になりました

 一方DVDでは、「大誘拐」「風林火山」「長い散歩」などをちょこちょこと拝見
 しておりました。
 特に「長い散歩」では、愛情を傾ける対象から嫌われ、ようやく愛情を傾けられ
 る相手を見つけた元高校の校長演じる「緒形拳」さんの姿が、痛々しく、切なく。人間の一生って何なんだろうと考えさせられる演技が印象的でした。
 
 
 役者の世界。
 芸能界では、仕事に影響するので、病気があっても、隠し通しているという
 ことが往々にしてあります。
 あの「フーテンの寅さん」だって、「あばよ」も言わずに去っていかれたでは
 ありませんか

 ただ、「寅さん」も「梅安」も、「えっ!あの人が亡くなった…まさか」
 と言うような去り方をされましたから、誰もの心の中で寅さんは日本全国津々浦々を今でも旅し続けているに違いない。と思わせ、立派に庶民の心の中で呼吸をし続けています。
 同じように、「緒形」さんも、「長い散歩」にでられたのでしょう。
 黄泉の国は広大でしょうから、しばらくはお戻りになられないことでしょうが。
 師匠である「辰巳柳太郎」「島田正吾」「池波正太郎」さんたちと、案外、
 今頃は、「わいわい」やってるかもしれませんよ。

 心よりご冥福をお祈りいたします。

 本日も日記@BlogRankingポチッと応援ありがとう

緒形拳さんのブログ「ハラハチブンメー」は、お亡くなりになるたった五日前まで更新されていました…。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。