野に還る

ペンタックスをザックに
野山に花や鳥、虫たちを追う。
身を土に返すまでのほんの一時
さあ野遊びの時間の始まりだ。

高尾山ー初夏の花

2016-06-12 21:34:03 | ハイキング

 6月上旬、高尾山に登ってきた。最近私が歩くのはケーブルを使って登り、

その後は3号路と5号路を通り、南高尾や日影沢に下るルート。

日本一登山者が多いといわれる高尾山だが、このルートだけは比較的空いている。

さて梅雨前の1日、山行中に出会った初夏の花々を紹介して行こう。

 

 葉を白くしているのはマタタビ、でも花はまだこれから。

 

 あまり日の当たらない山道にはタツナミソウが咲いている。

 

その近くには咲き始めたばかりのイナモリソウ

 

 花びらの細いこちらは星形のイナモリソウ。

 

限られた場所でしか見られないホタルカズラも咲いていた。

 

 たくさんの実をつけたオオナルコユリ

 

 この花は先を歩いていたご婦人に教わったオオバウマノスズクサ

 

序に探し方のコツまで教わった。花は地味なので花を探そうと思ったら見つけられない。

独特の形の葉っぱを手掛かりに探すとよい。その葉っぱがこれ。

 

湿ったところに生えるユキノシタ。ダイモンジソウにも似ているが、春に咲くのが特徴。

 

 

 ちょっとカッコイイ親子のギンリョウソウ

 

珍しいラン科の花を2つ

 暗い林下に生えていたサイハイラン

 

 ツレサギソウは日本全国の低山の草地に生えているというが、

なかなか見つけるのは難しい。

 

 スイカズラは漢字では忍冬。この花は70代の後半(と思われる)おばあちゃんに尋ねられたので

教えてあげたのだが、何度教えても「ついかずら」というので、アタマは夏に食べるスイカですよと

言ってやっと覚えてもらった。

  ついでに金銀草という名もありますよと豆知識も。

 

 アサギマダラの食草でもあるキジョランの若い実

 

この時期は低木の花もたくさん咲いているのを見かける。

ガクウツギとノイバラ

 

 

ウリノキの花もよく見かける

 

 クマツヅラ科のヤブムラサキ

 

小さな花が可愛いコゴメツツジ

 

ガマズミの花

 

イボタノキは漢字では水蝋と書き、この木に付くイボタロウムシ(カイガラムシ)から、家具の艶出しに

使われるイボタロウが採れるのだそうだ。

 

まだ白く色づいていないコアジサイ。旬を迎えると涼しげな薄い水色の花となる。

 

 花だけでなく実も付けている木も多い。

これはコウゾの実

 

 ヤマグワの実

 

ハナイカダの実

 

 キイチゴの実。この時期はこの実が食べられるので水分に困ることはない。

 

こちらはとても食べる気にはなれない、マムシグサの仲間の実

 

お終いは昆虫をいくつか

 薄暗い林の中飛び回っているコジャノメチョウ

 

この2つの目が可愛らしい幼虫は?カイコの仲間?

 

 サルトリイバラについていたこの甲虫は図鑑によるとアカクビナガハムシという名らしい。

 

 これはカナブンでいいのかな

 

小石に埋もれたお地蔵さんが登場したところで、今回はお終い。

 

 


北山菖蒲園

2016-06-10 19:12:55 | 散歩

 雨上がりの夕暮れ、近所の北山菖蒲園に出かけてきた。

今年の菖蒲祭りは6月4日から。出かけたのは5日だから、見頃までは

まだ早かったようで、せいぜい3,4分咲きといったところ。今週末辺りが

一番の見ごろとなりそうだ。

 

全体の風景としては少しさびしいが、一本一本活けられた花のように撮るには、

背景がすっきりとして見栄えが良い。

 

 

 

 最近は遠くからの客も増え、菖蒲の品種名を書いた立札も増えてきているが

混植しているのでわからないものが多い。

 キショウブとの掛け合わせでできた品種「稔りの秋」、これはわかった。

 

 残りのほとんどはは名前のわからない品種。

 

三つ繋がったような形が面白い

 

 

 

 

 あまり書くことがないのでアヤメとハナショウブ、カキツバタの見分け方でも。

見分けポイント①、花弁の元の部分がそれぞれ黄色(ハナショウブ)、

網目(アヤメ)、白色(カキツバタ)となっているところ。これを知っているだけで

殆んどが識別できる。

 

 見分けポイント②生えているところ

乾燥地を好むアヤメと湿原に生えるカキツバタに対し、ハナショウブはその中間の半乾燥地に生える。

 

 見分けポイント③ 葉脈

ハナショウブは菖蒲と同じく葉脈がはっきりしているのに対し、アヤメやカキツバタは目立たない。

こんなところも識別ポイントのひとつ。さらに言うとハナショウブは剣先のように葉が

細く鋭い。

 

 咲き方も三英咲き、六英咲き、八重咲きが代表的だが、、これは変わっていて

玉宝蓮という玉咲きの品種。

 

 

品種は大きく分けて、江戸系、肥後系、伊勢系、そして長井系の四つ。

ここ北山公園では山形県の長井市と交流し、公園の一角に長井古種のコーナーを設けている。

 

 

 

ハナショウブの花色は白、ピンク、青、紫、そしてキショウブとの交配により出来た黄色

と多岐にわたっている。

 

 

 

 

 

 

 ハナショウブは江戸時代にたくさんの品種が開発され、

現在はその数2000種以上に及ぶといわれている。

 

 この辺で。


としまえんのあじさい祭り

2016-06-06 20:47:11 | 散歩

 先日はとしまえんのあじさい祭りに出かけてきた。

今日はその中でお目にかかった珍しいアジサイを紹介してみよう。

 会場入り口付近、色とりどりのアジサイの寄せ植えがきれいだ。

 

 フェアリーアイ(妖精の眼)

 

 

ポージブーケ・ナナ

 

ジャパーニュ・ミカコ

 

 ミセス・クミコ

 

 ユングフラウ・ディープピンク

  いずれもアジサイの育種家坂本氏の育てた品種

 

こちらは加茂花菖蒲園で作られた朝日という品種

 

 テマリテマリも加茂花菖蒲園作

 

こちらは手鞠歌という品種

 

 ダンシングスノウ

 

谷田部園芸で作られたジューンブライド

 

同じく未来という品種

 

フラウ・タイコは栃木県の育種家海老原氏の作出した品種

 

フラウ・ノブコも同じ海老原氏の育てた品種

 

あじさいの中をミニ電車が走る。

 

アジサイという花は愛する人に贈るにはちょっと具合が悪い。

アジサイには幾つかの花言葉があるが、どれをとっても望ましいものとは言えない。

いわく、「移り気」、「冷淡」、「冷酷」、「無情」、「高慢」……。

まぁ、比較的ましなのが「辛抱強さ」だが、これも恋人に贈る言葉とはとても言えまい。

 

尤も良い意味の言葉が全くないわけではない。

「元気な女性」とか「一家団欒」とか「家庭の結びつき」……。

いずれにしてもプロポーズの際にはあまり使えない花であるようだ。

 

 土壌に関係なく深紅の花を咲かすパリという品種。

 

 ヤマアジサイの系統 伊予小町

 

エンドレスサマーの白花品種

 

ヤマアジサイの系統 美方八重

 

舞子

 

 

 ここから先は名札もなく、品種名もわからなかった花たち。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 おしまいはアジサイに止まったヒカゲチョウ

 

 この辺で。


奥武蔵の峠を歩く

2016-06-04 15:41:32 | 散歩

 奥武蔵は飯能から秩父へ抜ける手前一帯の地域を指す。山としては武甲山、

伊豆ヶ岳などの1000m前後の山が知られている。自然も残されていて

奥多摩や高尾に比べると歩く人は少ないので、静かな山行を楽しむことができるのが良い。

 

 峠から見た奥武蔵の峰々、雨模様の天気の中幾重にも重なっている。

 

道の脇にツクバネウツギが咲いていた。

 

 名は実が羽根つきのハネに似ていることから

 

ひらひらと飛び回っているのはアサギマダラ。何とか枯草に止まってくれた。

 

初夏のこの頃は木の花が多く咲く。そしてその殆んどが白い色の花だ。

点を突き刺すように上に向いて咲く朴の木の花、花も葉も大きな木の花だ。

 

こちらは低木のヤブデマリとガクウツギ

 

 

 麓の方ではニセアカシアが甘い匂いをまき散らし、林道を覆うように咲いていた。

 

 その下にも白いウツギの花が咲いている。

 

 少し青みがかっていて涼しげなコアジサイも咲きだしていた。

 

 1000mを超えたこの峠の付近ではまだシロヤシオが咲き残っていた。

 

 

 

 山道をさらに登っていくとサラサドウダンツツジに出会えた。

 

 

 

 

 防火帯を兼ねた山道を歩く。幅の広い山道をさわやかな風が通り抜けていく。

 

 更に紅色が濃い花だが、チチブドウダンとは少し違うようだ、これもサラサドウダンか

 

 

 

 道幅が広いので、鳥の姿が見つけやすい。

きれいな囀りを聞かせてくれたオオルリ

 

稀にしか見かけないマミジロにも出会えた

 

  控えめに突き出した露頭

 

 木の花だけでなく足元にも白い花が咲いている。

これはマイヅルソウだ。

 

蕊の根元がほんのりピンク色したクワガタソウも咲きだしたようだ。

 

そしてギンリョウソウ

 

 人気もなく、藪もなく、起伏も少ない山道を一歩一歩ゆっくりと歩いた。

 

 この辺で。