Friends of Valves 自作真空管アンプ

自作真空管アンプを中心にいろいろ載せていきたいと思います。

3C24ダイナミックカップリング MarkⅡ

2022-11-27 21:08:16 | 3C24ダイナミックカップリングシングルアンプ

ブログのサービスに「アクセス解析」というのがあり、どのページにアクセスされているのか表示されるのですが、案外、一番初めに練習用で掲載した3C24のダイナミックカップリングアンプのアクセスが多く、多くの方が3C24に興味を持っておられるようです。そこで、3C24を使用したアンプの後継機を2005年4月に製作しましたので、それを掲載したいと思います。まずは完成写真からです。

そして暗いところで見るとこんなに光っているのがわかります。

前回作のものは、ドライブ段の球を12B4A、初段を5670のSRPPとしていましたが、5670ではゲインが足りなく、あまり出力が出ませんでした。そこで、これをもう少しμの高い球にし、強力にドライブできる球として当時自身の中で流行っていた6EM7を採用しました。

また、ダイナミックカップリングのドライブ段には、6EM7のμの低い側を使用しますが、これの制御用に別の6EM7を使用した定電圧回路を採用しました。

下記が回路図となります。

製作については、当時は下記のように書いていました。

製作は、シングルアンプの時は私の標準構成になりつつある、15cmX40cmのアルミアングルに高さ45mmの木枠シャーシの構成にしました。この構成は結構見栄えがいいのと、コンパクトであること、そして作りやすいという、いいところが3拍子そろっています。欠点は、真空管の回路部分のスペースが小さいことと、私が木工が苦手なため安定して上手に木枠の加工ができないというところでしょうか。回路部分のスペースは、出力トランスの裏側にサブシャーシを作ってそこにいろいろな部品を載せる工夫をし、空きスペースを有効利用しています。木工が下手なのは練習して上手になる以外何もありません。大体アンプ作りは2-4ヶ月に1台というスロースペースなので、木工はなかなか上達しません。木枠の構成は6GA4アンプのコーナーの図6と同じです。今回は、継ぎ目の隙間が結構開いてしまったのが残念でした。

サブシャーシですが、今回は3C24のヒーター整流回路および、ハムバランサーを実装します。また、このシャーシはブリッジダイオードの放熱板をかねてちょっと大きめにします。2mm厚のアルミ版に10cmX8cmぐらいの大きさにしたのですが、これでもかなり高温になるので、もっと大きめに製作したほうがよかったようです。あるいはブリッジダイオードは別に専用の放熱板をつけた方が正解だったかもしれません。あまりの熱さに後ほどパソコンのCPU冷却用ヒートシンクをひっつけました。

最後に下記のような記載をしていました。

ダイナミックカップリング前段のプレート電圧調整(つまり、定電圧電源の出力電圧)ですが、6EM7を使用した場合、思ったより低電圧で3C24をドライブできるようで、最小の140Vとなりました。あらかじめ実験などして最適電圧を探しておけばよかったのですが、そこはアマチュアで横着してしまいました。^^;

NFBについてですが、完成までに視聴を繰り返し、球の個性である音の艶を十分に残したため、今回は6dB と少しだけ行うこととしました。音の傾向ですが、球の個性が出ているものの、艶っぽくなかなかなものです。エージングのつもりで1週間ほど寝る前に1時間程度聞いていましたが、音が気にならずあっさりと眠れてしまいます。気になりだすと逆に眠れなくなるので、寝ながら聞くアンプはお気に入りのものしか採用しません。

前回のアンプでは、ダイナミックカップリング前段のプレート供給電圧がかなり変動するといいましたが、音楽では変動は一瞬なのでコンデンサーにたまったエネルギーで何とか変動に対して凌げたのではないかと思いますが、やはり力強さでは新型アンプに軍配が上がりました。

と、当時は、ダイナミックカップリングのドライブ段に定電圧回路を持ってきていましたが、今はT-55のところで記載したように定電流回路を使用した方がよいのではないかと思っています。また機会がありましたら挑戦したいと思います。

よろしければご参考ください。

 

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真空管のベースの緩みとガイドピン折れ修復

2022-11-26 17:27:20 | 真空管修復

先日、5R4GYのガイドピンが折れたのを修復しました。またついでにベースも緩んでいたのでこれも修復です。

修復にはコニシボンドのEセットを使います。あまり量は使っていないのですが、A剤のチューブがかなりくたびれてきました。そろそろ破れてきそうな予感。金属タイプはこんな感じになるので、できれば樹脂タイプのチューブにしてほしいかも・・・。

また、クリアファイルを少し切って、薄いへらを作ります。

混ぜ合わせたEセットをこのへらを使ってベースの中に塗り込みます。

360度回して塗り込みましょう。

同時にガイドピンにもEセットの液を塗って、乾くまで輪ゴムで押さえながらおいておきます。

これで修復は完了。またこの球を使用できるようになりました。

 

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オールメタル管アンプの製作(9)

2022-11-23 18:42:59 | ステンレスシャーシのアンプ

そろそろ、本アンプ製作の終盤です。

今日は細かいところの対応をします。

まずは内部配線をまとめて束ねる作業。製作したての状態では配線がまだ雑然としているので、結束バンドで止めていきます。

下記はまだ配線をまとめていない状態。

一応、結束させました。

雑然としていたのが少し整然としました。しかしよく見たら、真ん中あたりにあるラグ版が未使用の状態のままでした。使っていないのでこれも外しました。

次に、ボリュームのつまみですが、これは日本製の6㎜のシャフトに対応したつまみの穴をドリルで広げてつけようと思ったのですが、先日出張で寄った秋葉原の秋月で購入したつまみをデザイン的にどうかなと試しに挿してみたところ、スポっとはまりましたので、これを使用することとしました。

あとは、スイッチや端子のラベルシールの作成ですが、これはまた次回にでも。

回路も載せておきたいと思います。

回路の説明ですが、既に以前のブログで書いているので、それほどないのですが、細かいことを言うと、電源トランスの1次側では、できればスパークキラーを入れた方が良さそうです。電源トランスはコイルですから、電源入り切りで高電圧が発生し、SWの接触部にスパークが発生します。そうすると、SWの接触部が溶けて絶縁不良を起こしたりしますので要注意です。これを防止するのがスパークキラーで持っていない場合は、0.1uFのコンデンサ(AC250V以上の耐圧)に100Ω程度の抵抗を直列に接続して付けても大丈夫です。

次に電源トランスの2次側ですが、平滑回路では、コンデンサの放電を促すブリーダ抵抗をつけましょう。付いていないと、電解コンデンサ内にいつまででも電荷が蓄積されており、メンテナンスのため触って感電するということが起こりえます。これを防止するためにも、抵抗をコンデンサに並列につけて放電するようにします。本回路では、150kΩ(5W)を付けて緩やかですが放電させています。

増幅系では、5693のG1にボリュームが付いていますが、並列に300kΩの抵抗を付けています。この300kΩは無くてもいいのですが、ボリュームは摺動部品なので、いつ接触が悪くなるとも限りません。そのため万一接触が悪くなって電気的に浮いてしまうことがないように300kΩをつけています。

6L6のG2には、B1から4.3kΩの抵抗を介して接続されていますが、これは、定常動作時にG2電位がプレートより高くなるのを防止するのと、異常時にG2に電流が流れすぎるのを防止します。プレート電圧がかなり低い時にG2に高電圧がかかっていた場合、条件によってはG2には、プレート電流に匹敵する電流が流れます。そうするとG2が壊れてしまう可能性があるので、この抵抗で抑止します。恐らく通常動作時にこのようなことはないと思いますが、念のため。なお通常動作時はG2へ流れる電流は3-4mA程度の定電流となります。一応、G2にもコンデンサで交流分をカットしておくとS/Nの点でも良いと思います。コンデンサの接続先も、G2-K間とするのか、G2-GND間とするのか、色々あると思いますが、カソードが交流的にGNDに接続されていますので、G2-GND間の接続としました。

帰還回路は、赤枠内の回路ですが、以前記載したようにトランジスタを使用した回路になっています。これは、トランジスタのエミッタ側の電圧を調整しつつ、交流を通す回路です。6C5のプレート電圧を調整し、かつ6L6が出力する信号電流もトランジスタのコレクタを介して流れ、これが5693が増幅した信号と逆相になりNFB回路になります。

ということで主なところはこんな感じです。特に電源回路の部分は、危険を伴いますので、出来れば安全側に配慮した設計にした方がよいと思います。今回はこれでお終わります。

 

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6L6オールメタル管アンプの試聴

2022-11-20 21:11:19 | オーディオオフ会

今日は、堺市のA氏宅にてオーディオオフ会が開催されました。そこで、当方は昨日出来立てホヤホヤの6L6オールメタル管シングルアンプの試聴を行いました。

ところで、A氏宅では、最近リフォームしたようで・・・

2階の踊り場にウインチが付けられています。

そして、階段にはなんと台車が取り付けられ、重たいアンプを引っ張れるようになっています。

私のアンプはそれほど重くはないのですが、引っ張っていただきました。

200Kgまで引っ張れるそうなので、重い真空管アンプ以外にも自身が載って上下できそうですね。うちの家も足腰が弱くなったらやってみよう。

ということで、早速試聴に入ります。今日のアンプは、拙作の6L6シングルの他にR120シングルと、A氏の試作アンプになります。

皆さんに聞いていただいた結果は、上々でした。6L6なのになかなか良いと。そしてR120と比較しました。

そりゃR120に軍配が上がりますが、もうこれは好き嫌いのレベルです。個人的な音の印象は、6L6は中域の音色が少しドライで温かみが少ない印象。しかし、音の抜けでいえばそれなりに良いといった感じ。そんなこともあろうかと、中域に厚みがあり暖かい音がするEL34も持参していました。

EL34は松下のものですが、知る人ぞ知る茶色の袴のものです。音はやはり、中域に厚みが出て温かみのある音、かつ、透明感があります。これでR120と比較しましたが、もう完全に好みの問題。優劣つけがたいといったところか(と自画自賛^^;)。他のメンバーの方にもお褒めの言葉をいただきました。

ところで、本アンプ作成時に記載しましたが、外被のメタル部分はソケットの1番ピンになっていますので、これをグランウンド(シャーシ)に接続していました。この場合、6CA7(EL34)の差し替えは控えた方がよいでしょう。理由は、6CA7は1番ピンがG3になっているためです。6CA7に差し替えた場合、自己バイアスなら6CA7のG3電位はカソードよりも低くなります。そこで本アンプでは、6L6の1番ピンは8番ピンに接続を変更しています。外被がカソード電位(20V以下)となるのは何ら問題ないためです。

次に登場したのはA氏の試作アンプです。球はまだ内緒ですが、この形で分かる人はわかるでしょうし、写真内の資料にも出ています。

片chのみしかないにもかかわらず、その音の深みが何とも言えず、しばらくはこれで皆で聞き入っていました。本番アンプになるのが楽しみです。

とうことで、ステンレスシャーシの6L6アンプは音質チェックは問題なしの状況となりました。あとは完成に向けて細かい部分の製作になります。ではまた次回!

 

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オールメタル管アンプの製作(8)

2022-11-19 18:00:19 | ステンレスシャーシのアンプ

今日は、ようやく音出しができるところまで進みました。

前回までにほぼ配線は終えていましたが、フィードバックの部分がまだ未完成で、サブシャーシにその部分を載せるようにします。

前回の状態は、前段のプレートに供給している電源は、出力段のプレートに接続していました。この部分にトランジスタを使用した電圧調整を兼ねたフィードバック回路を追加します。(全体の回路は後日改めてのせます)

まずはその部分の基板を作成します。

いきなりですが、こんな基板です。

では、この基板をつける前と後の出力の様子を確認したいと思います。

まずはつける前の状態です。この状態は、出力段のプレート(出力トランスのP端子)から前段の回路のプレートに電圧を供給している、超三結の回路になります。1kHzの正弦波を入力端子に加え、オシロは出力トランスのスピーカ端子に接続しています。

この状態では、まだ上下のバランスの悪い正弦波になっています。

次に6L6のプレートと前段のプレートの間に上記基板の回路を挟みます。

トランジスタのコレクタを6L6のプレート、エミッタを前段のプレートに、そしてベースには、47kΩを介してコレクタに接続。半固定抵抗器は、ベースコレクタ間に入れます。そして、半固定抵抗器を調整します。

すると、下記のようにだいぶ正弦波の上下に均整が取れてきました。

まだちょっときれいな波形ではないので、前段の増幅部の回路の定数を少しいじります。6SJ7と6C6の間につけている抵抗を4.3kΩから5.2kΩへ変更し、6SJ7のプレート供給電圧を下げます。そして再び基板の半固定抵抗器を調整します。

すると、今度はだいぶきれいな波形になりました。この時の6SJ7のプレート電圧を測定してみると、なんと32V前後。フィードバック回路のトランジスタにより、エミッタ電圧が調整され、波形を見ながら出力波形を確認し調整することができます。しかも、交流信号はフィードバックされるので、ダンピングファクタも5極管接続にもかかわらずかなり高い状態になります。

ようやく、サブシャーシに基板を取り付けることができましたが、トランスのネジの頭が基板に干渉して本来の取付位置からずらさなくてはならなくなったので、片穴だけでの取り付けになります。

あと、調整中にカップリングコンデンサの具合の悪いことが判明し、黄色のフィルムコンから薄茶色のものに交換しました。黄色のものは、何かの中古機器に入っていたもので、見た目音が良さそうだったので、使って見ましたが接触が悪かったため交換しました。薄茶色のものは、一応イギリス製になります。昔、通称マスタードと言われるMullardのコンデンサを大量に購入した際におまけでもらったものです。ちなみにマスタードは岩手の方に格安で譲ってしまいました。

さてこれで、冒頭の写真にあるように音質確認になります。

音の確認の度に、フィードバック回路の半固定抵抗器を調整し音を決めています。

ついでに球転がしもしてみます。

6L6シリーズの球で5881(6L6WGB)です。

次に6L6GCです。個人的には、このGCがよかったのですが、球の音色の違いを確かめるのもなかなか楽しいものです。

ということで、一応音出しまで出来ましたが、まだ細かいところを触る必要があるので、また次回にしようと思います。

 

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