Friends of Valves 自作真空管アンプ

自作真空管アンプを中心にいろいろ載せていきたいと思います。

TRIO KM-4002 レストア(2)

2024-02-25 18:29:24 | トランジスタアンプ

引き続き、TRIO KM-4002のレストアですが、修理しやすいようにアンプ基板を取り外しました。そして、KM-4002そのものではないですが、回路図を入手しましたので、これを基に改造方針を決定しようと思います。

ところで、昨日、動作確認をしてみて出力が1Vしか出ないと、書きましたが、上記写真のように分解した後に気が付きましたが、オシレータの周波数レンジが1MHzのレンジになっており、どうやら1MHzを入力していたみたいでした。

道理で、出力しないはずです。また波形が歪んでいましたが、これもオシレータの出力が1MHzではこんな波形になっていることがわかりました。

なんとまあ・・・と嘆いてもあとの祭りですので、アンプ基板の改造を行っていこうと思います。

改造といってもただの部品交換ですが、主な交換個所は、コンデンサになります。また、見た目焦げていそうな抵抗なども交換します。

まずコンデンサですが、コンデンサの役割は交流を通して直流を通さない、というのが基本ですが、アンプの中では、その特性を利用した役目が若干異なり、むやみに交換をするのはやめた方が良さそうです。

まず1つ目の役目は、”直流を通さずに交流信号を通す”というAC結合の部分です。これは、次段の増幅部にバイアス電圧が影響しないようにするために、コンデンサを介して次段に接続する部分で、要はカップリングコンデンサです。回路的にはハイパスフィルタになっています。

次に、”交流信号を通してショートさせる”という、フィルタ部分です。パスコンによる信号のバイパスや、発振防止のための高周波を減衰させるための役割です。

そこで回路図から、どのコンデンサがカップリングコンで、どのコンデンサがパスコンなのか確認し、交換するコンデンサを決めていこうと思います。

基本は、カプリングコンは、小容量なものはフィルムコンを使用し、大容量なものは、電コンで新しいものに、パスコンはOSコンやタンタルコン、フィルムコンなどの固体コンデンサに交換したいと思います。

下記は、TRIOのKA-2600という機種のパワーアンプ部分の回路になりますが、KM-4002と同じ回路のようです。

下記のように、カップリングコンとパスコンに分けました。赤枠がカップリングコン、青枠はパスコンになると思います。

カップリングコンは、小さなものは1μF、大きなものは1000μFですが、1μFのものは、手持ちには0.68μFのフィルムコンしかないので、これを使用します。

パスコンは47μFなど数10~数100μFなので、OSコンの手持ちに近い値のものがありましたので、それらを使用します。100pFのセラコンが使用されていますが、少し欠けが見えますので、これもフィルムコンに交換します。

あと100Ωの抵抗に焦げがありましたので、これも交換します。

可変抵抗は、回路中には500Ωと30kΩがありますが、両方ともこれらの値は手持ちになく、30kΩは2段目のトランジスタのバイアス調整用の様ですので交換はせず、500Ωの方は、1kΩのものがありますので、こちらに交換します。

主に交換する部品が下記です。

さて、方針が決まったところで交換は次回にしようと思います。

 

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TRIO KM-4002 レストア(1)

2024-02-24 20:39:46 | トランジスタアンプ

そろそろプリアンプを作ろうと思っているのですが、アンプのケースをどうするか、自作なのか購入するのか、いろいろやり方はあると思いますが、市販のアンプを解体してケースだけ利用するのも1つの方法です。

そこで、使えそうなアンプを物色していたところ、TRIOのKM-4002というアンプが目に入りました。

パワーアンプのみということで、L-Rのボリュームと出力の切り替えスイッチのみのシンプルな構成で、プリアンプのケースにするのも都合が良さそうです。

そこで、値段がちと釣り合わないような気がしましたが、思わずオークションでポチってしまいました。大体いつもポチった瞬間、「しまった!!」と少し後悔するのですが、今回も同じでした。

届いたアンプは汚く埃まみれで、おまけにつまみも折れていて、送料込みで¥4,500とは、絶対に支払った価格の価値はなさそうな気がします。高い買い物をしてしまったようです。

中を覗いてみたところ、埃はあるもののまあまあ綺麗です。

しかも、構成は私好みの単電源にTO-66のトランジスタ2SD155を使ったアンプとなっており、これは、ケースを利用するより、いつものレストア+Updateを行うにはぴったりのアンプではないか、と少し考えが変わってきました。

ということで、いつものようにレストアしてみたいと思います。ただ、レストアするには回路図が欲しいところですが、回路図がネット上には見当たらず、ちょっと苦労しそうですが、まあ、無理ならプリアンプのケース利用にするということで。

では早速、埃を取り除いて、作業しやすくしようと思い、ケースの中身を掃除機で吸ってみましたが、色々な部材が邪魔をして埃が吸えない状況です。

仕方ないので解体して、ケースは丸洗いしようと少し分解しました。

この状態で各部品を見た見たところ、それほど劣化があるとは思えず、レストア前に一度音を聞いてみたいなという思いもあり、試しに電源を入れて、信号を入力してみました。

その結果、下記のように出力は出るものの最大出力で1V程度しか出力できず、修理が必要なようです。

この状態でトランジスタの放熱器に触れてみたところ、もう熱々になっており、アンプの回路が本格的にどこか壊れているような感じでした。

という状況なので、シャーシの洗浄を先に行います。

石鹸では汚れは落ちないので、クリームクレンザージフで磨きましたので、結構きれいになりました。

一応、出力トランジスタも壊れていないかチェックします。

4つとも無事な様でした。ただ、HFEにばらつきが多いようです。

まあ、とりあえず今日はこのくらいにしておきます。

 

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DENON VS-450

2024-02-18 20:08:51 | スピーカシステム

今日は、確定申告などで忙しく、ブログのことはあまり考えてなかったのですが、確定申告後、古い雑誌を見ていたところ、このスピーカはひょっとして!?というものがあったので、紹介したいと思います。が、いまさら売ってない製品なので、暇つぶしに見ていただければ。

古い雑誌とは、音楽之友社の「あなたのステレオ設計 1972」です。

内容的には、製品の広告が大半でオーディオ評論家による座談会なども催されていますが、主にこれからステレオを導入しようと考えている層向けの書籍になるかと思います。

オーディオマニアとしては、アンプの回路などが載っていると面白いのですが、そういうものはなく、もっとソフトな内容が大半です。

このころは、もう真空管アンプはすたれてほとんどがトランジスタアンプなのかと感心しながら、パラパラとめくっていると、おや?と気になったスピーカが。

DENON(デンオン)のVS-450という小型のブックシェルフタイプのスピーカですが、これに搭載されているウーハに見覚えがあったのです。

そういえば・・・ひょっとしてこのスピーカユニットではないかな、と。

ということで、引き出しをあさり取り出したのが下記のスピーカユニットです。

このスピーカは、10㎝程度の口径にも関わらず、巨大なマグネットが印象的で、何じゃこのスピーカは!!とある日、オークションで目に留まり思わずポチったのでした。

ちなみにこの磁気回路の大きさですが、下記写真の左にある30㎝のユニットについていたものと比較しても、それよりも大きいマグネットを採用しているのがわかります。

ダイアトーンのP-610も一見大きく見えますが、このマグネットよりも小さいです。比較用のスピーカを持っていないのでわかりにくいですが、P-610より1.5倍くらい大きいマグネットです。

ここで、興味本位で落札したユニットと使用されていたシステムがつながりました。

オーディオの足跡を見ても、

「放送局用に開発された技術が投入された2ウェイスピーカーシステム。このスピーカーシステムに専用アンプをつけ、コロムビア小型モニタースピーカーとして各地の放送局で使用されていました。」

とのことで、やはり見た目の印象通り、すごいスピーカだったのですね。

改めてオーディオの黎明期のすごさを知った次第です。

 

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トランスボックスの製作(6)訂正

2024-02-17 19:42:37 | トランス

数週間前、トランスボックスを作って測定しましたが、測定ミスがありました。

前回、周波数特性を計測して載せましたが、この測定が間違っていました。

測定時、負荷ありとなしで測定しましたが、ほぼ同じ特性だったので、おかしいなあとは思っていたのですが、まあ計測結果だしと思ってそのまま載せましたが、よくよく考えてみると負荷抵抗の片側をトランス出力端子に接続し、もう片方をGNDに落とさなければいけないところを落とさずにオシロの入力端子に接続していたので、結局は無負荷状態と同じ接続になってしまい、特性も同じような結果となってしまったのです。

頭の片隅でなぜかと考えていたのですが、そういえばと接続が間違っていたということに気が付いたわけです。

そこで、負荷抵抗を正しい接続にして再度計測してみました。

その結果、とんでもない結果が得られました。

赤色が負荷ありの結果ですが、なんと、-2dB落ちのところで見ると、10Hz~180kHzぐらいまでの周波数特性が得られたのです。

すごい広帯域な特性のトランスだと驚きました。恐るべしタムラです。ちなみに、入力には抵抗620Ωをオシレータ(出力インピーダンス50Ω)に直列に接続し、負荷は、680Ωを接続していますので、IN/OUTとほぼ同じインピーダンスになっております。

気になる音質については、比較するトランスがないため何とも言えませんが、海外のトランスに比較して安い感がある日本のメーカのすごさが改めて認識されました。

しばらくこのトランスで遊んでみたいと思います。

 

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小野市S氏宅でのオフ会

2024-02-11 21:56:07 | オーディオオフ会

今日は小野市のSさん宅にてオフ会です。総勢11名の参加でした。

今日のアンプのエントリは3台。1台目は、1619にはまり込んでいる和歌山のHさん作、1619パラプッシュモノ2台。

コンパクトに作られていて見た目はかなりかわいいアンプです。

超3結回路で帰還管にWE396Aを使用した贅沢なアンプです。音は、明るくもしっとりした音質です。女性ボーカルが際立ってよかった印象です。現在、1619を使用したアンプを3台製作中でマルチアンプ構成でスピーカを駆動するよう準備中とのことでした。完成したらどんな音になるのか楽しみです。

次は、拙作の3C33シングルで、昨日改造したアンプです。

どんな評価が下るのか、恐る恐るです。

第一声は、「中々いいやん」とのことでしたが、ここで喜ぶのはまだまだ素人。「そうですかね~」といったんは否定しておいて反応をうかがいつつ、おっ、これは本当かな、となんとなくわかってから、「そういうことにしておきましょう、結構苦労しましたし・・・」という感じで進めるのが、まあ、嗜みというのでしょうか。なかなか奥ゆかしい世界です。本当いうと自分でも音に深みが出てボーカルの息遣いも聞こえてくるようにうまく仕上がったかな、と思っていました。

そして、トリはなんと半導体式アンプです。

年末のオフ会でお世話になった、明石のI氏作のアンプです。I氏はオペアンプの達人で、このアンプも前段にオペアンプを使用し電力増幅段に2SK1058/2SJ162を使用した回路のアンプです。オペアンプは、高電圧でも使用できるものを使っているとのことでした。

音は、ダンピングの効いた音で、かつ高音がきれいな音です。静寂が感じられる音がしました。電力増幅段の電源には、懐かしいエルナーのCerafineを使用されており、時代を彷彿させる感がありましたが、中身は最新のオペアンプのようです。

大昔、オペアンプといえば741かLF356だった時代にLF356+2SK135/2SJ50で似たようなアンプを作ったことがありますが、当時は悲しくもスッカスカの音でなにもいいことはなかったのですが、このアンプを聴くと天と地ぐらいの差があるレベルです。しっかり力強くも静けさが伝わりきれいな音を奏でるという、半導体アンプはこれで十分ではないか、と思わせるような音質でした。

 

今日は、3連休の真ん中で交通量が多いだけでなく事故で高速道路の車線が3車線中1車線しか使えなくなっているなど、渋滞が激しく、S氏宅に着いたのはお昼前でした。なので今日はあまり時間がなく、3台のアンプの試聴とオーディオ談議であっという間に時間が過ぎていきました。

また、次回のオフ会向けに何か考えておこうと思います。

 

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