Friends of Valves 自作真空管アンプ

自作真空管アンプを中心にいろいろ載せていきたいと思います。

E130Lパワーアンプの製作(4)

2024-09-29 21:50:30 | E130Lパワーアンプ

前回は大まかな回路を記載しましたが、今日は大まかな設計になります。

まずは、E130Lですが、公開されているデータを参考にロードラインを引いてみます。

G2への供給電圧が150Vの曲線でロードラインを引いてみたいと思います。

プレートへの供給電圧もG2と異なる電圧にするのも少し面倒なので、同じ150Vとしてみます。出力トランスは5kΩppなので、1本当たりの負荷は1/4の1.25kΩでロードラインを引きます。上記赤の線ですが、100mAと200mAで引いています。

プレート電流は、とりあえず100mA~200mA程度にすることとします。

次にE81Lですが、これもデータは公開されています。

これを基にロードラインを・・・と思いましたが、なんと、G2の電圧が210Vのデータしか公開されていません。

ちと困りました。B電源はとりあえず150Vで考えています。そのため、E81Lも150V以下の電圧供給となります。

そこで、3極管接続の曲線を参考にしました(なお、正式に参考にできるかは不明)。

上記の図でVp=G2=100Vのところを見てみると、G1=‐2Vの時にIa=3.8mAとなっています。ここにIg2も含んでいると思いますので、まあ、大体Ig2に0.7mA程度流れているということして、Ip=3.1mAということにしてみます。

とすると、上記の5極管接続の特性曲線でVp=100VでG1=-2VのところでIp=約31mAとなっていますので、Vg2=100Vの時だと3.1mAと10分の1なので、5極管接続時のVg2=100Vの場合は、約10分の1の電流値ということになります。

という仮定の下、ロードラインを引いてみます。

Iaの目盛りは10分の1となり、10mAのところが1mAとなります。

プレート電圧を約130Vとし、負荷抵抗を25kΩとしてみました。動作点はVg1=-2.8V、Ip=2.1mA、Vp=75Vとなります。

差動回路とすると、2本分でIp=4.2mAとなります。

前回の下記の大まかな回路に当てはめると・・・

丸のVの部分は20V減圧する回路となり、前段E81Lのカソードにつながっている定電流回路は4.2mA、E81Lのプレート抵抗は、25kΩ(≒27kΩ)、E130Lのカソードの定電流回路は200-400mAの定電流回路となります。

これでほぼ、設計が出来ましたが、かなりアバウトなところがありますので、とりあえず作ってみてうまくいかなければ、カットアンドトライや再度設計に戻るというやり方にしたいと思います。

 

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部品取りアンプの落札

2024-09-28 18:07:39 | ジャンク

またつまらぬものを落札してしまいました・・・

安かったのと、6BM8で山水の古い出力トランスが良かったので、落札しませんように祈りながらポチっとしてみたところ、見事落札してしまいました。

いつもなら、即部品取りになるのですが、今回はちと鳴らしてみようと思います。

ショップが出品していたということもあり、届いたときにはコンセントが切断されていました。恐らくはPSEを考慮してわざわざ切断されたものと思います。

ただ、古いものなのでこのコンセントのケーブルもかなり傷んでおり、本来なら交換が必要なものですが、いずれ部品取りの運命になるので横着してこのケーブルの先に新たなコンセントケーブルをつないで試してみたいと思います。

もちろん、接続部分は絶縁テープで巻いています。簡単にセロテープなどで・・・

さて、これで準備OK!電源を入れてみます。

さて、出てくる音は???

結構いい音です。ゆったりした感じの音がしており、まさに6BM8の音という感じです。もう少し高域も出ていたらいうことありません。

が、いずれ部品取りになると思いますが、しばらくはこのまま置いておき、部品が必要な時に取り外したいと思います。

 

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DIY Loudspeaker Builder’s Meeting 2024

2024-09-23 13:25:35 | イベント告知

昨日9/22は、タイトルにある自作スピーカによる試聴会のイベントでした。当ブログ主の私も僭越ながらスタッフとしてお手伝いさせていただくことになり、タイムキーパーとして無事時間通りに進行することが出来ました。

当日は大盛況で、世の中こんなにたくさんのオーディオフリークがいるものかと感心しました。こと、スピーカシステムの自作に関しては、若い人も結構多く、また最近の測定技術の進歩、新たな知見による設計技術には目を見張るものがあり、ある程度の知識はあるはずと思っていた当方ですが、観客と製作者との質疑応答にはかなり難解な部分もあり、ついていけないところが多々ありました。

しかし、そういった理論に裏付けされたスピーカはどれも音質的に秀逸で、目を見張るものばかりです。

ひと際異彩を放ったのは、下記の背の高い静電型スピーカになります。

コンデンサスピーカの音は初めて聞いたのですが、能率は悪いもののこんなに聞きやすく素直な音なのかとびっくりしました。

来場者の中で、大阪のおじさんらしく早速お値段は如何ほどとお尋ねになっている方もいらっしゃいました。

次回どんな新作が出来ているか楽しみです。

その他、小型スピーカなどもありどれも耳を楽しませてくれます。

そして、おじさん方にはおなじみの”げんこつ”の登場です。

関東の某デザイナーの方の製作で、仕事しながら聞いているそうです。こういう古いユニットがいつの間にか40種ほど手持ちにできてしまい、とっかえひっかえしながら聞いているそうです。バッフル版はアクリル板で造られており、取り付けが容易なように工夫されていて、発表中もこのげんこつからTelefunkenの25㎝に付け替えて音色の違いを楽しませてくれました。

その他クラングフィルムのオマージュ作品もあり、古いユニットを使用しているにもかかわらず、ここまで鳴らすことが出来るのかと、驚くような音質のものもありました。

試聴者も東北、九州、四国と全国各地から約40名程度来場され、関心の高さを伺わせました。

主催者のS氏も次回の開催をほのめかしておられたので、きっと第2回も開催されるものと思います。今回のレギュレーションは2Way以上ということでしたが、次回はどんなレギュレーションになるのかも楽しみです。

またタイムキーパーとして御呼ばれされるのを楽しみにしております。

 

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E130Lパワーアンプの製作(3)

2024-09-21 21:08:26 | E130Lパワーアンプ

今日はシャーシにE130Lを載せたらどんな風になるのか確認してみました。また、回路についてもどんな計画なのか載せたいと思います。

モノラル構成の片方だけですが、出力トランスをシングルのものからプッシュプルのものに載せ替え、不要な回路を抜き取り、ソケットをUS8ピンに交換して真空管だけ差し替えてみたのが下記になります。

E130は結構ごつい球なので、2本並べた見た目はなかなか良いものがあります。

一応文字稼ぎのために、ここまでの作業内容も少し載せておこうかと思います。

元々は800と807が載ったシングルアンプでしたので、ソケットの構成や電源など不要なものや交換が必要なものがあります。

まずは出力トランスの交換です。配線を外して取り外します。

この他電源の要らない部分の取り外しや、ソケットを交換し冒頭の写真のように、形だけプッシュプルアンプになりました。

次に回路ですが、大まかには下記のように差動回路にしようと思います。差動回路なので、A級プッシュプルになると思いますが、シングルアンプの場合と同程度の出力になるかと思います。

全段5極管構成です。5極管構成としたのは、十分なフィードバックを掛けるため増幅度を高くしたいからです。1927年にウェスタンエレクトリック社のハロルドブラックが負帰還を発明してから、低歪を目指すよりも増幅度の高い球が開発される方向になっていったと、ある文献で読みましたが、5極管でダンピングファクタが4~5(@8Ω)になるくらいNFBを掛けると、柔らかい良い音がしますので、ハロルドブラックの発明の恩恵にあずかりたいと思います。

本回路では、NFBは出力トランスを介さず、出力段のプレートからグリッドに負帰還のループを作ります。〇にVと記載しているのは、電圧調整回路です。なお、NFBのループに出力トランスを含めた場合(要は出力トランスの2次側出力をNFBとして戻す)場合、私の経験では音が濁ったようになり、いい音がしたためしがないです。

ということで、大まかにはこんな回路でアンプにしていこうと思います。

 

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TANGO FW-50の再塗装とシャーシの塗装の剥離

2024-09-15 18:28:38 | トランス

今日は昨日完了しなかったTANGO FW-50の再塗装の続きと、ついでに別のトランスの再塗装も行う予定だったのですが、再塗装に塗料の剥離剤を使って一旦塗装を剥がしてから実施することが出来るかを試すために別の作業を実施しました。

FW-50の再塗装は、昨日で90%程度終わっていたので、今日は塗りムラをなくす程度の作業です。

一応、まあまあの出来になりました。

ただ、1つ忘れた作業があるのですが、トランスのネジの再塗装をすっかり忘れていました。ネジも錆があり。きれいな塗装の上に錆のネジではちょっとカッコ悪いため、ねじも同様に再塗装が必要になります。また次回実施したいと思います。

そして今日は、塗料の剥離の実験です。

LUXの小型トランスを持っているのですが、中古品で誰かに再塗装されたものなのですが、通常の塗装の上にラッカーのようなスプレー塗料で再塗装されており、見栄えが汚いので、リムーバで剥離を考えていました。しかし、今までリムーバを使ったことがなくどうやればいいのかをちょっと試したいと思っていました。

そこで、同じくスプレーで塗装されて見栄えが汚いシャーシがありましたので、まずはこれで試してみました。

試したのは下記のリムーバとシャーシになります。

関西ペイントの塗料剥がし剤スプレーというものです。

シャーシは上記で鉄かステンレスで出来ているのですが、塗装がすぐに剥げてべたべたと別のところに引っ付くような感じです。

これに少し剥離剤を垂らしてみます。

右下の角あたりに垂らしたのですが、イメージでは塗料がめくれあがってくるのかなと思っていましたが、何もなりません。

試しにこすってみました。

すると、塗料が溶けているようです。思っていたのと異なりましたが、こんな感じなのかと理解し、全体的にスプレーしこすってみました。

こんな風になってしまいました。この塗料をどうやって取り除いていけばいいのか・・・地道に紙か布で拭いていくのでしょうか・・・

面倒ですが、新聞紙で拭いてみました。

しかし、全部も取れません。困った・・と思っていましたが、濡らしてみたらどうだろうと、濡れた新聞で拭いてみました。

濡らすと、塗料が固まって剥がしやすくなるようです。濡れた新聞でこすると、上記のようにきれいに剥がれました。しかし、新聞は濡れるとかなり弱くなりあまり効率のよい作業ではありません。

側面も同様にやってみました。まあまあ落ちています。

ここで思いついたのですが、ヘラでこそげ採るのはどうかと。スプレーにもそのように書いていました。そこで手持ちにはヘラはないのですが、アルミの端材がありましたので、これを使用し、こそげ採ってみました。

リムーバを塗って、かなり乾かしてからやってみたのが下記です。

かなり取れるのですが、塗料が柔らかい部分は引っ付いたままになります。そこで先ほど新聞紙を濡らしてやったように今度は水につけてやってみました。

すると結構落ちます。

このやり方が良いようです。塗料も水で固まって剥がしやすいです。この方法ですべてのシャーシの部材の塗料を剥がしました。

そして、ナイロンのスポンジで濡らしながら拭くと薄く残っていた塗料がきれいに剥がれていきます。気持ちいいぐらいです。

そうして下記のようにシャーシの塗装は剥がすことが出来ました。

天板の模様がなんだか変ですが、まだ濡れているからです。この後、いつものようにプラサフを塗っておきました。やはり塗装前に一度プラサフでした処理しておくといいですね。

ところで、トランスの場合ちょっとこの方法ではうまくいかないと思われます。トランスはさすがに水にぬらすことはできないので、別の方法を考えないといけません。いっそのこと、いつもの様にサンドペーパを掛けようかと思ってもいますが、柔らかい塗料があるとサンドペーパの目がすぐに詰まるので、効率が悪いのです。

もう少し剥がし方に検討が必要なようです。

 

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